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五十三話・ステータスカードを作ろう


「あの~すいません!」


「ハイ、何のご用意でしょうかライ様?」


俺が話しかけると、受付嬢がにこやかフェイスで出迎えてくれる。


「え~と、実はこいつがステータスカードを持ってないらしいんで、

今から作ってもらえませんか?」


俺はそう告げると、サイカの背中をトンと押して、受付嬢の方へ

近づける。


「この方のステータスカードをお作りするのですね。ハイ、わかりました!

では...ここにお名前を書いてもらってもよろしいでしょうか?」


受付嬢がまっさらなステータスカードを取り出して、名前を記入する欄に

指をおく。


「了解ッス、ここに名前を書けばいいんッスね...」


受付嬢から言われた場所に、サイカが名前を書いていく...。


「これで...いいんッスかね?」


「では...確認しますね...フムフム...」


受付嬢がステータスカードのチェックをしている。


「あ、あの...ステータスカードは公式的に偽名も一応良いとは

なっていますが...本当にこのお名前で登録してもよろしいのでしょうか?」


はは...サイカの奴、さっそくダメ出しっぽい事を言われているな♪

そりゃ~聖剣の名前を偽名に使う奴なんて、普通はいないしな...

だって、偽名なのがバレバレだし、その名前のせいで目立つだろうし...。


「だから、それが本名だって言ってるのに...。ハイ、それでお願いするッス!」


「わかりました...では、少々お時間を下さい...。ステータスカードの申請受理を

してきますので...」


受付嬢がサイカに一礼すると、奥の部屋へ入って行く...。


そして数分が経ったその時、奥の方からドアの開く音がこっちへ

聞こえてくる...。


「よう...お待たせしたな!」


「え...?クナさんじゃないですか?」


ドアから出てきたのが受付嬢ではなく、何故かクナさんで...サイカの

ステータスカードをヒラヒラさせながら、ライ達に近づいてくる。


「ん...そいつか?聖剣の名を使って、こいつを登録したっていう奴は?」


「ムム...な、なんッスか、人の顔をそんなにジロジロと見て...」


「ガハハ、イヤ~!スマン、スマン!聖剣の名前を語る大胆な奴がよ、

一体どんな顔をしているのか...ちょいと気になっちまってな!」


クナが豪快な笑いをあげると、両手をパンッと合わせてサイカに

謝ってくる。


「どいつもこいつも、これが本名だって言っているッスのに...

はあ、もういいッス...何回も訂正するの...もう、疲れてちゃったッスし...」


サイカは聞こえないくらいのかぼそい声で諦めの言葉を呟くと、

深い嘆息をそっと吐いた。


「そうそう忘れる所だった!こいつがお前のステータスカードだ、

ほれ、受け取りな!」


「あわわ、いきなり投げないで下さいッスよ~っ!」


クナが放り投げたステータスカードを、サイカが慌てて手を伸ばし、

何とかキャッチする。


「後は、そのカードにお前の血を一滴垂らすと無事ステータスカードの

登録が完了だ!」


「血をッスか...?」


「針ならそこにあるから使うといい...!」


クナが指差す方向に、登録用の針が置いてある。


「言っておくが、衛生面はちゃんとしてあるから針の使い回しはしてねぇぞ!」


嫌そうな表情のサイカを見て、クナがその事をちゃんと説明しておく。


「イヤ...そういうんじゃなく、ただ痛そうだなって...」


「いいから、さっさとやれ!時間が勿体無い!」


仮に聖剣の名を語っている奴が、刺すのが怖いってどんな冗談だよ!


「うう...そんな投げやりな言葉、主様ったらヒドイッス!」


ライの非情な言葉に怒ったサイカが、目を見開いて抗議する。


「だって血が出るんッスよ、痛いに決まってるじゃないッスか!」


「血が出るっていっても少しだけなんだから、痛みもそんなにないって!」


「いやッス!そんなの異物...入れたら痛いに決まってるッスよ!」


「そんなの...やってもいないのに、勝手に決めるんじゃない!」


「わかるッスよ!こんなのが奥まで入ったらメチャクチャ痛いのは

目に見えているッス!」


「奥までって...そんなに深く入れるワケないだろ、先っぽだけでいいんだよ!

先っぽを少しだけチョンと入れるだけでいいんだ!」


「本当に...先っぽだけッスか...?」


「ああ...先っぽをチョンって軽く入れるだけでいいか――――」


「お前達、いい加減にしろ...!」


「ハウッ!?」


「バウッ!?」


突然クナさんが、重いゲンコツを俺とサイカの頭上に

食らわせてきた。


「な、何でいきなりゲンコツしたんですか、クナさん!?」


「そ、そうッスよ!おかげで頭がガンガンしてるッス!」


ライとサイカがズキズキする頭を撫でながら、クナに抗議の言葉を

訴える。


「私的には面白いんだが...周りの奴らが戸惑っているからな...」


クナがそう言うので周りを見てみると、冒険者の男女どちらも

頬を紅に染めて、顔を真っ赤にしていた。


「戸惑う...?何故に?」


「イヤ...何故にって...メイリの奴が嘆いていたが、こいつ本当に

鈍感なんだな...はは」


以前、メイリから聞いていたライの鈍感さを、ふと思い出したクナが

ニガ笑いを浮かべ、溜め息をそっと吐く。


そんな感じの恥ずかしいやり取りの後、何とかサイカはステータスカードの

登録を済ませる。


「どれどれ...幾多の戦闘をこなしてきたサイカさんのLVはいくらかな~♪」


「主様、顔が近いッスよ!」


俺はサイカのステータスカードに顔を近づけて、LVがいくらか確認する。


え~と、どれどれ...LV...はち、にじゅう、ひゃく......え...ひゃくっ!?


ステータスカードに載っていたサイカのLVは128と記録されていた......。


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