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十一話・ダンジョンを行く


「落ち着け、落ち着け...。

見た所、ここがダンジョンなのはわかる...」


見渡すとあっちこっちに見える

迷路みたいな通路を見て、俺はそう予測する。


それにこのダンジョン、きっとどこかの国の所有物なのだろう...。

その証拠に、壁の至る所に光魔法が掛けられていて

明るさを保っている...。


「これだけ管理されたダンジョン...。

恐らくここが、ミルナの言っていたLV上げの場所で

間違いはなさそうだ」


それはさておき···

今の俺には、三つの問題がある...。


一つは、この階が何階なのかっていう事...

こういう場所のテンプレは、

深い階層程、敵は強いって相場は決まっているからだ。


二つは、ミルナの奴が

このダンジョン内にいるかもしれない事...。

俺がここにいるんだ、その可能性も否めない。


まあ、仮にそうなっていたとしても、あいつには

テレポートがあるんだし、安全にここを脱出できるだろう。


「それより、テレポートや土地勘のない

俺の方がよっぽど、大ピンチな状態だ...!」


残りの三つめの問題だが、

ここの魔物が俺のLVで通用するのか...だ。


ただでさえ、今独りぼっちなのに、

俺のLVを上回っていたら...?


「しかし、いつまでもこんな場所でジッとしてても、

しょうがないし...覚悟を決めるかっ!」


俺は自分の部屋からテレポートする際、

うまく持ってこられたマジックリュックを開けて、

中のアイテムをチェックする事にした。


「装備はちゃんとある...。道具は...ポーションが20個...。

毒消しや麻痺消し等の状態回復アイテムが各10個ずつ...。

そして、MP回復ポーションが8個...か!」


ここがミルナの言っていたLV上げの場所なら、

余程の事がない限り、この装備や道具で行けるだろう!

もし違っていたら...あんまり考えたくないけど、その時はその時だ...。



俺はそう心で呟くと、マジックリュックから、

鉄の剣、鋼の鎖帷子、鉄の小盾を取り出して装備し、

ダンジョン脱出に足を動かす...。



俺がダンジョンに入ってから、

数時間が過ぎていた......。



「これで、終わりだぁ――っ!」


ザシュ―――ッ!!


グアアアアァァァンンッ!!


俺の放った『剣義・三段切り』が決まり、

魔物が四枚に別れ、崩れていく!


【LVが15に上がりました!】


ステータスカードから、

LVの上がったメッセージが聞こえる。


「お、またLVが上がったな!」


剣を鞘に戻し、ステータスカードを

確認する。


「よし!何とか順調にLVが上がってる!

でも、良かった。工夫すれば何とかなって...!」


剣義や魔法、持ってきたアイテムのおかげもあり、

ここの魔物に何とか俺の攻撃が通用する事に

取り敢えず、ホッと胸を撫で下ろす。


「さて...今の所、魔物の気配もしないし...前の分も含め、

LV三つ分のポイントをステータスに振るなら今の内だな!」


俺は次々に現れる魔物のせいで

ステータスに振れなかったポイントを、

カードを取り出し確認する。


「流石、LV三つ分のポイント!結構、貯まってるな~!

さて...このポイントをどう振り分けるか···?」


力に振って...強引に行くか。

防に振って...身の安全を確実にするべきか。

速に振って...魔物から逃げやすくするか。

魔力に振って...魔法の威力を上げるべきか。


「それかいっその事、運に振って

ラッキーを狙ってみるのも一興かな?」


何てね!こんなダンジョン内で

そんなバクチなんてしませんって!


「力不足を感じるし、ここは力に全振りしてお――ッ!?」


ステータスカードの力の欄にポイントを振り込む為、

指を動かそうとした瞬間、後ろから何かがぶつかって来て、

その衝撃で俺は吹っ飛ばされた。


「ご、ゴメン!大丈夫だった?」


吹っ飛んだ俺の側に誰かが近寄ってきた。


「イテテ...なんだよ、突然!?」


俺はその人物の声がする方に顔を向けると、

謎の少女と魔物が戦っていた。


「本当にゴメンね!ちょち、油断しちゃって...タァ――ッ!」


バシュッ!


少女の放った斬撃が魔物を捉え、

斜めに切り裂かれる!


「ふう...これでよしっと♪」


少女は槍をブンッと空振りすると、

槍のサイズが半分くらいに小さくなり

その槍を腰の鞘に入れる。


「さっきは、いきなりぶつかってしまってゴメンね!」


「いや、もういいよ。そんなに何回も謝らなくても

俺も別にケガとかしてないし···」


「本当に?良かった~!

あ、ウチの名前は『ロザリア・アッシュフィール』!

みんなはウチの事、ロザリーって呼ぶから

あなたもそう呼んでね!」


屈託ない表情で笑いながら、ロザリーは自己紹介する。



髪型は、ボーイッシュな感じの短さで、

色はダークレッド。


でも、一発で女の子とわかる可愛い顔立ちをしていて、

その可愛くキラキラした瞳は髪色より

少し明るいレッド色だ。


身長は俺より少し高い感じで、スレンダーに見えるが

出ている所は、ボインッと出ている。



「俺の名前は『ライ・シーカット』って、言うんだ。

気楽にライって呼んでくれ!」


「わかった、よろしくね!ライ!」


「おう!こちらこそ、よろしくな!ロザリー!」


俺達は、互いに自己紹介をかわす。


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