EP.56 ボス戦 ラスト
「ワレト、タタカウト...」
「そう、あんたと戦いたいの、私」
「ソウカ...。ソ、ソレナ、ンダガ、ソノ」
…なんで戸惑ってんだよ。
明らかビビってるだろ。
おーい、ボスさんホントに大丈夫ですか?
そんな体くねらせながらもじもじしてどうしたの?
「エッ、ワレドモト、ソノ…」
「何?私あんたを倒してもらえるスキルがほしいんだけど?」
「…エッ?ソレガ、ホシイノカ?」
「…うん欲しいけど?」
どうしたんだこいつ
さっき来たときは威勢良かったのに…。
「分かりました!貴方様にそのスキルをお渡ししましょう!」
…えッ?
何で普通にしゃべってんのこいつ。
さっきまでめっちゃ片言だったじゃん。
「いやいやいやいや、なんで急に普通にしゃべってんの!?」
「ああ、先程まではキャラを作ってわざとやっていたんです。」
えっ、マジか。
モンスターの癖してキャラ作りとか…。
知能、思ってたよりあったのね。
まあそんなこといいんだ。
私が一番聞きたいことはスキルの事だ。
お前倒さなくてもスキルもらえるとか願ってもない事なんだけど。
「我のスキルなので渡そうと思えばだれにでも渡せるんです。」
「はっ?マジか。なら最初からそう言えばいいのに」
「…あなた様が怖いので、言えずに…。それに我等もモンスター。プライドがあるのです」
「まぁ、何でもいいや。とりあえずスキル渡してくれればそれで帰るよ。」
「お待ちください!一つ我と約束してほしいのです」
「約束?」
「はい。そのスキルは我の持つスキルの事です。のであなた様に渡せば同胞の統治は難しくなります。
そこで、我ら一族郎党全てのアンデットの統治と安全の保障を貴方様に請け負って貰いたいのです」
はぁ、なるほど。
つまりこいつのスキルを私に渡したら統治できないから私にしてくれと。
…それくらいなら別に良い。
こいつらは数経ることなく力のある私に守られる。
私は無駄なリスクを伴わずに力を手に入れられる。
うん、悪くない取引だ。
それにMPを使わずに300体くらいのモンスターを仲間にできる。
…最初に殺しすぎなきゃよかった。
「その話乗ったよ」
「本当ですか!それでは早速、スキルの譲渡を」
私とボス、ヴァンパイアの周りに黄色い結界が張られる。
周りの物は見えずにボスから送り込まれる力だけが伝わってくる。
そのまま数秒立って儀式は終わった。
「これで貴方様が我等の新しいボスとなりました。」
「わかった。そういうことだ、皆よろしく!」
そう、全体に向かって言い放った。
…ク~ッ!決まった!
いい感じに締まったんじゃないか?
一回言ってみたかったんだよなー。
今まで人の上に立ったこととかないからね。
憧れてたの、私。
「「「「我らの忠誠を貴方様に!」」」」
ザッ!
と音が鳴り、見てみると1万ほどのアンデットが跪いていた。
お前らどこから出てきたのか…。
まあ好い。
これで思ってたのとは違うがダンジョンは攻略できた。
更にいいスキルも獲得できて、両陣営ともWinWIn。素晴らしい戦果だ。
これからこの軍団を率いて戦うのは、ドキドキするなー!
そしてこの軍団こそが、後の魔人大戦で猛威を振るった、不死者ノ軍〈イモーアタルコー〉になる。
…これからどうなるんでしょう(自分でもわからない)
結構思い付きで書いてしまったからなー。
何か変な所在ったら叩いてください。