EP.5 くらえ狼!私の魔法を!
うわぁぁぁぁぁ!
もうダメだ!おしまいだ!
だって。だってだよ?
この世界に来た元凶、狼がいるんだよ!
しかも目の前に、3匹も!
そうだよ。ここには水を求めて動物が来る。
それを狩る動物もいてもおかしくはなかったんだ。
まさか、狩る側じゃなくて狩られる側になるなんて!
くそ!こいつらもう食べる気満々じゃねーか!
よだれなんてたらしやがってー!
でも私には攻撃、いや反撃する力がない。
なんせもとは高校生ですもの。
そんな力があるわけないだろ。
小っさい動物なら倒して食べられたのに。
でも今はどうすることもできない。とりあえず、走って逃げよう!
方向転換~。回れ右!
ダッシュ!
...って!おい~!
お前らマジで速すぎんだろ。
目が、目がもうマジやばいって!
そんなギラギラした目で見んといて!
恥ずかしいやろ。
ん~?でも想像してたよりは遅い。
あれか。身体がでかすぎて動けないのか?
中年のおじさんみたいだな。
くそー。動きが遅いんなら逃げきれないこともないけど。
ここで魔法なんかが使えたらなー。
反撃できるのに。
でもそんな漫画みたいなことできるわけ・・・ない?
いや、できる。できるぞ。そうだよ。
ここは異世界。システムなんて地球には存在しないものが存在してるんだ。
なら魔法の一つくらいあってもおかしくない。
そろそろ疲れてきたけど、まだおいつかれはしない。
えーい。一か八かだ!
システム起動!
《命令受諾。起動します》
うーん。このブルスクリーンはいつ見ても異世界チックな感じがしないね。
まあ、いいけど。
まぁとりあえず検索、っと。
えー、魔法の使い方っと。
《魔法の使い方
まず、魔法を使うには、スキル「魔力操作」と「魔力感知」が必要です。
このスキルはスキルポイントを使い取得できます。》
おっ?スキルポイントだと?
そんなもの持ってないと思うけど。
《現在あなたのスキルポイントは、10000です。
2つのスキルポイント消費の合計は200です。取得しますか?
YES NO 》
おおう。あったわ。
しかも10000て。なんでも取り放題じゃん。
もちろん答えはYESです。
《スキルを獲得しました。
「魔力操作」「魔力感知」》
よっしゃこれで使える!
えーなになに。
まずは魔力感知を発動。
おー!自分の中の魔力や空間の魔力が見える!
幽霊みたいだけどかっこいいから気にしない。
そしてこのまま、魔力操作を発動。
自分の魔力を一つにまとめて球形にまとめる。
そのまま凝縮された魔力の塊、「魔弾」を前方に打ち出す。
コツは、空気をつかんで投げるイメージを持つこと。
物体ではなく、エネルギーの集合体なので、物を投げる感覚とはまた違う物らしい。
そうして練り上げたものを、さらに練っていく。
大きさによってスピードが変わるが、ダメージも変化する。
小さいとスピードが速いが、攻撃力は低い。
大きいとスピードが遅いく、攻撃力が高くなる。
狼たちは私を追うのに必死なので、魔法が来ると思っていないはず。
なら、一撃で葬れるように、限界まで練ってぶつけてやる。
さあ、覚悟しろ!
魔弾!発射!
当たった瞬間にぶっ飛んだ。
狼たちが。もう走ってきて遠くに見えるオアシスのあたりまで。
強すぎる。魔法。