EP.2 システム
うーん。これからどうしようかね?
砂漠の真ん中でただ1人。しかも何も持ってないとか。
現代社会を巧みに生きる私が、何もない状態からサバイバルなんて、ワイルドなことはできません。
てか、出来るはずがありません。
まぁ、でも服は着てるしいいか。
制服じゃないことだけ物凄く不安だけど。
第一印象はなんか変な感じの服。
赤い木綿の服。
それと、フリフリが付いたかわいらしいスカートを穿いてる。
それだけが唯一の救いだ。
こんな砂漠の中で全裸なんかだったら女として終わってる。
...人間としても終わってるけどね。
で、この現象は何て呼ぼうか。
自分の身体。声。
それからして、ネットでよくある、「異世界転生」ではなさそう。
異世界転生は違う身体で違う世界で生まれること。
で、私は自分の身体があるため、転生ではない。
…鏡を見てないから本当に自分なのかわからないけど。
そこで考えられるのが「異世界転移」か「パラレルワールド」に飛ばされたか。
しかしどちらもそうと断言できる「証拠」がない。
現実世界のどこか、って可能性もあるし。
う~ん。
ま、今考えても意味がないかな。
とりあえず何かないか探してみよう。
さすがにこのままだと退屈すぎて精神的に参るわ。
…それは、心配を隠す言い訳であって、ホントはちびりそうなぐらい怖い。
これから先どうなるかわからないけど、とりあえず生き抜くことを第一に。
命大事に、行ってみよう!
というわけで。
当てもないけど何かを求めて歩き始めよう。
ここにいても始まらない。
大いなる伝説も、行動しないと起きないもんさ。
それではー、前進!
~1時間後~
あー。ひとつ言わせてもらっていいかな?
「あー。あー。発声練習でーす。」
よし。
「この砂漠広すぎんだろおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
はぁ。うん、想像してたよ。
最初いた場所の周り何もなかったから。
…正確には砂が大量に。
でもさ?それでも、普通なんかあるでしょ。
ほらオアシス?とかなんとか。
しかもクッソ暑い。
太陽さんよ。その暑さ何とかならんかね?
もう疲れたー!
ちょっと休憩。
あーあ。この世界については結局わからないままだし。
手っ取り早く知れる方法ないかなー。
こういう時、異世界ものだとステータスオープンで何とかなりそうなもんだけど、そんな都合いいものがあるわけがない…
《システム起動命令受諾
システムインストールを開始します》
おん?
何これ。
それは、いきなり目の前に現れた。
目の前にあるのは半透明のブルースクリーンのようなもの。
何これ?
インストール中?何を。
《システムインストール完了
これよりシステムを利用することができます。》
なんかとんでもないことが起こってる?