EP.13 転移の謎
「そろそろ暗くなるので、近くの町まで行きましょう。」
おっ!
できる男は違うねぇー。
このエスコート力、並みの男ではないな。
「ついでだから、移動してるときにこの世界についていろいろ説明しますね。」
「ほんとですか?ありがとうございます。」
よしよし。
これでこの世界のことについて知ることができる。
そして案内されたのは馬車。
そう、馬車なのである。
うすうす思ってたけど、どっかの貴族なのかな?
馬車とかお金持ちのイメージしかない。
とりあえず乗り込む。
さて町につくまでは情報収集だ。
「えっと、この世界について質問をいくつかしていいですか?」
「はい。なんでもどうぞ。」
じゃあまず私が一番気になってたことを聞いてみるか。
「まず、なんで私たちはこの世界に飛ばされてしまったんですか?」
「ぐっ、そこから来るか。」
苦笑いしてる。
「うーん。なんでも聞いてって言ったけど、これについてはまだ僕も分からないんだ。
なんで飛ばされたのかは、今のところはわかっていないんだ。」
えっ?そうなの。
うーん。じゃあただたまたまってことなのかな?
でもそれならそんなにたくさん転移してきてないはずなのに。
「でも僕は、たぶんこの世界の何かを変えてほしくて神様がこっちに送ってきたと思っている。
この世界には古くから言い伝えがあるんだ。」
「どんな物なんですか?」
「うん。今から500年以上前の話なんだ。
その言い伝えによるとあと500年後、世界には魔王と名乗るものが出てくると。
その後、何度かこの世界の人間に危害を加えていたらしい。
人々はその悪夢から救われるべく女神にお祈りをする。
それを見ていた女神、ウリエルがこの世界を救うと宣言しどこからか
とてつもない力を持った人間を連れてきて魔王を倒す、という物なんだ。」
えー。
女神様それでいいのか?
神様が人間界の事に顔突っ込んで変なことになっても知らないよ。
地球ではいろんな人が神様にお願いしてたけど、なんもしてなかったじゃん。
あれかな。つい出来心でってか?
「それが関係するかわからないけど、魔王が出現し、今危害を与えようとしていたから
僕たちをこの世界に呼んだんじゃないかな?」
そうなのか。
そう考えたら私たちはこの世界を救うために来た救世主なんじゃない?
勇者さまーとかって言われんのかな?
クゥ~。楽しくなってきたー!