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両親

 「見てください、エドワード様、メリア様。レイオル様はあそこまで大きくなりましたよ」


 セレンが俺に視線を向ける。しかし、父と母の反応は――


 「ふん、二度とアレの姿など見たくなかったがな……」


 「ええ。あんな子、視界に入れるだけでも不愉快ですわ……」


 あれ? なんか俺に対する態度が冷たくないか? 俺のことを物みたいにアレとか言っているし……。


 父と母の言葉に一瞬、眉をひそめるセレン。


 「立ち話も何ですし、中にどうぞ。美味しい紅茶を淹れますので……」


 「不要だ。領主であるこの私がこんな小汚ない建物に入りたくもないわ。用件が済んだら直ぐにここを去る」


 失礼なことを言うな。確かに外見は少し古いが、家の中は毎日セレンが掃除をして綺麗にしているんだぞ。


 「……分かりました」


 「これが今回の金だ。追加は一切ないからな」


 そう言って父はセレンに金袋を渡す。


 「ありがとうございます」


 頭を下げて、セレンは金袋の中身を確認する。


 「エドワード様、前回よりも少ないと思うのですが……」


 「ああ、そうだ。先日妻が子を産んだのでな。長男と同様で素質のある子がな。アレにはこの程度で十分だ」


 素質がある子? どういうことなんだ?


 するとセレンが父に食いつく。


 「それはあんまりです! レイオル様はこれから更に成長します! これだけではとても足りません!」


 「そんなの私が知ったことではない。そこはお前が何とかするんだな。アレの子守りを任せる為に奴隷のお前を買ったんだからな」


 何だと……?セレンが……奴隷だと…?


 奴隷は借金をして売られた者、犯罪を犯した者、奴隷狩りにあって捕まった者たちのことを言う。


 奴隷は奴隷紋によって行動を縛られ、主に逆らうことができない。


 奴隷に人権は無く、物のように扱われることが多い。


 セレンの真実に唖然とする俺。


 「レイオル様はエドワード様のご子息ではありませんか!」


 「ふん、私に無能者の息子など必要ない」


 無能者という言葉に父と母がなぜ、俺に対する態度が冷たいのか理解した。


 まさか、前世では【最強の魔法使い】と呼ばれたこの俺があの無能者とは思いもしなかったな……。

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