薬
久しぶりの投稿です。
「おいおい、本当に虹色草を採取してきたのか? 末恐ろしい子供だな……」
俺の採取してきた虹色草を見て、親父は驚いたように目を見開いた。
「必要な虹色草は持ってきた。早く薬を調合してくれ!」
「分かった! ちょっと待ってろ!」
親父は直ぐ様虹色草を使って薬の調合を始める。
虹色草と棚に収納しておいたルナ草を乳鉢に置くと、手にした乳棒で擂り潰し始めた。
そして親父は擂り潰して出来た汁を容器に入った青色の液体と混ぜ合わせる。すると青色の液体が紫色へと変色する。
「よし、これで完成だ!」
紫色の液体を小瓶に移してそれを俺に渡す。
「それをセレンに飲ませろ!」
「ありがとう親父!」
俺は全速力で家へと向かった。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
「セレン!?」
俺が自宅に戻ると、セレンはより一層苦しんでいる様子だった。
俺はセレンに駆け寄ると、薬の入った小瓶の蓋を開ける。
「薬だセレン! 早く飲むんだ!」
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、レイ……オル……様……」
辛うじて意識はあるようだが混乱もしているようだ。虚空を見据えて何かを呟いていた。
どうやらかなりマズイ状況のようだ。少し強引かもしれないが、我慢してくれよ。
俺は少しずつ小瓶をセレンの口元へと運んだ。数分かけて小瓶の中の薬を飲ませ終える。
「ハァ……ハァ……ハフ……ハ、ァ……」
どうやら薬の効き目が出ているようで、先程まで苦しそうだったセレンの様子が落ち着きを取り戻していく。
「……すみま、せん……レイオル……様……」
どうしてセレンが謝る必要があるんだ? 当然のことをしたまでだ。
「今はもう眠るんだ、セレン」
「……はい」
俺の言葉にセレンは静かに目を閉じて寝息を立て始める。
空になった小瓶を机に置き、俺は安堵の息を吐きながらベットの横にある椅子に腰掛ける。
俺が出来ることは全てやった。後は結果を待つだけだ……。
急に疲れが出て限界を迎えた俺はそのまま縋り付くようにして意識が途切れるのだった。




