魔熱病
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
「セレン!?」
自分でも驚く程の声を上げた。
俺は急いでセレンに駆け寄り、容態を確認する。
身体全体が熱く、発汗が止まらず、呼吸も荒い。明らかに以上だ。
「セレン!? しっかりしろセレン!?」
意識がないせいか、俺の呼びかけに返事がない。
あまり動かしたくないが、仕方がない。取り敢えずセレンをベッドに運ばなくては!
俺はセレンの下に潜り込み、気合いを入れて身体を持ち上げる。
おんぶに足を引きずる不格好な移動だが、セレンを落とさないように一歩一歩慎重に歩く。
七歳の俺が成人のセレンを運ぶのは正直きついが、幸いセレンの部屋はすぐそこだった。
無事に部屋に辿り着き、セレンをベッドに寝かせる。
症状から見て、ただの風邪ではないだろう。
よく見ると、セレンの肌の至るところに黒い斑点のようなものがある。
「もしかしてこれは魔熱病か……?」
魔熱病。
熱病の一種であり魔力を持つ者なら誰でも発症する病気。
患者は身体の至るところに黒い斑点が出る。
この病気は患者の魔力を時間が進むごとに減らし、魔力がなくなる時に死亡する危険な病気である。
半日以内に対処しなければ命を落とす病気として恐れられている。
最近町で魔熱病が流行っていると聞いた。恐らくセレンが町に行った時に感染したのだろう。
魔熱病の薬は無かった筈だ。
ここからは町まで走って一時間ぐらいは掛かる。急がなくては。
俺は急いで外出用の服装に着替え、町に行く準備をする。
「直ぐに戻るから、待っていてくれセレン……」
そう言って、俺は全力で町に向かった。




