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ニューヨークへ

 ニューヨークに行くための資金が思わぬ形で提示された。

しかし、松野の提案は鵜呑みにはできなかった。


「待って下さい! 店を売るなんて……」


「ニューヨークに店を出すなんて、面白そうじゃないですか」


「……住む所はどうするんですか? まだ年金も出ないでしょ?」


 すると松野はある方法で金を稼ぐ、と言って、2階に上がって行った。


「なんだろ?」


 ヨモギが首をかしげる。


「……分からない。 店を売った金でしばらくは生活できると思うけどな。 でも、もう還暦近いぜ? 稼ぐのは難しいだろ……」


 数分後、松野は小脇に紙の束を抱えて降りてきた。


「これを見て下さい」


 テーブルにどさり、と紙の束が置かれる。

その1枚目に、達筆な文字でこう書かれていた。


「緑茶でござる? じいちゃん、もしかして……」


 それは、松野の書いた小説であった。


「お茶屋を舞台にした小説です。 江戸で初めてお茶屋を出した男の物語を書きました。 これを出版社の新人賞に出します」


 松野は新人賞の賞金で生活するつもりであった。


「大賞なら100万です」


「それは大賞を取ったらですって! そんな不確実な方法で……」


「人のことは言えますまい」


 もっともな指摘である。

むしろ、ニューヨークへの出店の方が無謀かもしれない。

 





 こうして、強引に店を売るという話は進み、後日不動産の人間が売値を決めにやってきた。

価格は500万で、松野と三ツ矢でそれぞれ250万ずつに山分けした。






 日は瞬く間に過ぎ、三ツ矢が羽田空港を出発する日がやってきた。

ニューヨークにある空港に到着後、永住権を受け取るために事務所に立ち寄る手はずになっている。

空港を飛び立つ前に、三ツ矢は松野からあるものを受け取った。


「私の小説の写しです。 何かの役に立てば」


「……ありがとうございます。 じゃあ、行ってきます!」


 三ツ矢はニューヨークへの一歩を踏み出した。



 




  


 

やっと序章終わりです (雰囲気で言ってるだけ)

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