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マリア登場

「なんかとってもいい香りじゃない? 2人で何作ってるの?」


 キッチンに顔を出したのは、ジミーの彼女のマリアであった。

金髪のショートヘアで、身長は150センチくらいの小柄な女性だ。


「ミツヤがオチャを入れてくれたんだよ」


「オチャ? ちょっと飲んでもいい?」


 三ツ矢はコップにお茶を注いで、マリアに渡した。


「……何だろ、感想に困る味よね。 酸っぱい?」


「それは渋みさ。 もっと濃くしたら分かると思うぜ」


 この後、クッキーを食べながら3人で談笑した。

しばらくして、ジミーが三ツ矢にあることを提案してきた。


「ミツヤ、泊まるところがないならうちにしばらくいたらどう?」


「え、いいのかよ?」


「……ちょっと席を外すわね。 ジミー、カモン」


 マリアがジミーを連れ、玄関の前でコソコソと会話を始めた。

三ツ矢も内心、泊まるのは図々しいよなぁ、と思っていた。

10分ほどして、2人が戻ってきた。


「ミツヤ、悪いんだけど…… マリアがちょっと嫌みたいで」


「ジミー! 何で正直に言うのよ!」


「ミツヤは僕のためにオチャを入れてくれたんだよ!? 嘘をついて追い出すなんてできないよっ」


 揉め事になりそうだったので、すかさず三ツ矢が割って入る。


「ストッープ! 興奮したらまた眠れなくなるぜ?」


 その言葉でマリアは思わず沈黙した。


「ところでジミー、これからやりたいことがあるからATMの場所教えてくれないか?」


「ATM? 何か買うなら付き合うけど……」


「さっき思いついたんだ。 町の中でお茶の実演販売をしたい」






 三ツ矢は銀行のATMで金を200ドル借り、ジミーの車で再度日本食専門スーパーに向かった。

実演販売に必要なコンロや折りたたみ式のテーブルはジミーが貸してくれることになった為、あんみつの材料等を買う予定であった。


「まずは餡子だな」


 餡子は缶詰で一つ1ドル。


「次はつけ合わせか」


 三ツ矢はまずアイスクリームを思い浮かべたが、炎天下では溶けてしまう。


「缶のフルーツか、生クリームがいいな」


 生クリームは手間がかかる上に若干高い。

三ツ矢は缶のフルーツを購入した。

これも一つ1ドルである。


「原価は一人前で2ドルってとこか」


 今回、三ツ矢は宿泊費、翌日分の材料費、借り入れた金の200ドルを稼がなければならない。

原価2ドルの商品を8ドルで売れば、6ドルの稼ぎとなるため、100個売れば600ドルの儲けが出る。


「8ドル……」


 はっきり言ってかなり高い。

1個500ドルくらいでなければ買ってくれないだろう。


「利益が3ドルになった場合、何個売ればいい?」


 単純計算で、200個売れば良い。


「……売れっかな」


 この後、使い捨てスプーン、紙コップ、お茶の葉を200人分購入した。

 


 


 



 


 


 

餡子、フルーツ缶は1個を2つに分けて使うため、100個で足りました。

余った100ドルで紙コップ、お茶、スプーンを購入。


一人前で2ドル。


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