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41話

カリンは泣き止むとマリアナを半ば強引に客間へ連れ戻した。


まだ、婚約中なのに男性の寝室にいたのは問題だときつく注意された。マリアナはぐうの音も出ない。まったくもってその通りだったからで。

カリンに素直に謝りマリアナは身支度を終えた。髪を結い上げてドレスも着ている。その後、シグルが父のサミュエル大公に進言したらしい。

マリアナはシグルの母のメアリアン大公妃の使う奥宮の一室に移る事が決まる。

いずれは皇太子妃になるのだし奥宮に住むのは実家のラインフエルデン公爵家も反対しなかった。マリアナはカリンとシグル付きではあるがフイルとジェシカに手伝われながら荷物をまとめた。

フイルとジェシカはシグルに命じられてマリアナ付きになる。

「マリアナ様。改めてよろしくお願いします。わたしとジェシカは幼い頃から武芸の訓練をしていますので。侍女兼護衛としてお仕えします」

フイルが言うとマリアナはこちらこそと返事をした。

「フイル、ジェシカ。あなた達が仕えてくれるのは有難いわ。今までカリンが一人でやってくれていたから」

「マリアナ様。あたし達三人でも皇太子妃のお立場で考えると少ないですよ。せめて、後三人はいないと。負担が大きいです」

「…そうなのよね。実家にお願いして侍女を派遣してもらおうかしら。それか、自分で雇うか…」

そう言いだしたマリアナに待ったをかけた人物がいた。カリンだった。

「ちょっと待ってください。実家の公爵家にお願いしたってマルグレーテ様の息のかかった者が来たらどうするんですか。まだ、シグル殿下に話を通した方が安全です」

「カリンさんの言う通りです。姉君様がこのたびの件で疑われていますし。もし、姉君様がマリアナ様を害するのを諦めていなかったら。ご実家にお願いするのは危険かと。でしたら、シグル殿下か妃殿下にお願いした方が確実です」

カリンに続き、フイルが冷静な意見を述べる。マリアナはマルグレーテの事をフイルやジェシカが知っている事に驚いた。

「フイル。ジェシカ。あなた達、姉様の事を知っていたのね」

「ええ。存じております。マルグレーテ様の事は公家直属の影達が調査済みです。だいぶ、身勝手に振る舞われていたと聞いております」

「そうなのよね。姉様も昔は優しかったの。けど、私が大きくなるごとに冷たくなっていって。極め付けが婚約者の方に裏切られた。私に横恋慕してきたの。その方がね。それ以降はきつく当たられてばかりだったわ」

マリアナがふうとため息をつく。カリンも黙って頷いた。

「そうでしたね。マルグレーテ様は弟君にも冷たいと聞きました」

そうなのよねとマリアナは頷いた。四人でどうしたものかと考え込んだのだった。

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