真実 3
5話目です⸜(ˊᵕˋ)⸝
チソラが告白されます!
「チソラちゃんっ。ごめんね?急に呼び出して。」
その日の放課後。先輩に呼び出されて僕は体育館裏に向かった。
こういうときは決まっている。だいたい「告白」だ。
「チソラちゃんの教室で静かに本読んでる所とか、きれいで、、、。少しボーイッシュなのもカッコイイなって思ってて。ずっと前から好きでした!俺と付き合ってください!」
この人は、真剣に僕に想いを伝えてくれた。
でも、、、、
「ごめんなさい。僕は先輩のこと好きになれないんです。」
無理なものは無理だ。僕は男の人を恋愛感情で好きになったことはないし、こうやって告白されるということは少なくともこの人からは僕が女の子に見えていたということだから。
「どうしてもだめかな?友達から、とか、、、。」
でも先輩は諦めてくれない。
「僕、いじめられてるの知ってます?僕は、、、性別が無いからどれだけ過ごしても先輩に恋愛感情を抱くことはできないと思います。」
と言い切ると
「いじめられてるの、、、あ、そっか。チソラちゃんのことだったんだ。“オトコオンナ”なの。」
と先輩はブツブツつぶやいた後、
「今日はごめんね、急に。じゃあ。」
とどこかへ行ってしまった。
「おーい!」
遠くから声がして、振り向くと長くて黒い髪を揺らしながら来る、ミクの姿があった。
「ミク。どうしたの?」
「はぁ、はぁ。どうだった?先輩。」
ミクが不安そうに僕に聞く。
「ん、まぁ、、、僕が言い換えしたらどっか行っちゃった。」
と僕が言うと
「あ、、、、良かったあー。言い返せなくて無理やり付き合っちゃったらどうしようって心配になっちゃって、来ちゃった。」
とミクが安堵したように言った。
心配してくれたんだ、ミク。僕は、確かにいつも静かで、頼りないかもしれない。
「一緒に帰ろ、ミク。」
でも、せめてこういうときはカッコつけてたい。
「いつも静かなくせにこういうときはカッコイイんだから。」
ピンク色に染まりかけてきた空の下で、僕たちは家に帰った。
読んでくださってありがとうございます(´∀`)♡
次話は明日投稿します!続きも読んでくれると嬉しいです(。>人<。)