真っ黒 3
22話です
今回はヒナの遺書です
『大好きなチソラくんへ』
遺書はそんなふうに始まっていた。
『今、手術中かな、と思いながら遺書を書いています。
私は手術終わったよ。一瞬だった。
予定より1日早まった手術。なんの問題もなく終わった。手術は失敗しなかった。
でもね。私は死にそう。
最近はすごく眠かったんだけど、手術後、身体がついていけなくなっちゃってどんどん衰弱しちゃっているんだって。
だからチソラくんに向けてだけ、遺書を書こうと決めました。
これを読んでるってことは、私はもう死んじゃったんだね。
今、チソラくんはどんなことを考えてるのかな。
チソラくんはかっこよかった。
一目惚れって言うのかな。
最初見たとき、かっこいい子だって、震えた。
大袈裟だけど、本当に好きになっちゃったんだよ。チソラくんのこと
LGBTって聞いたとき、驚いたけど、それ以上にもう男の子だよって思ったんだよ。
手術なんかしなくても、かっこよかった。
男とか女とかじゃない魅力を持ってた。
それだけ素敵だったんだ。
そんなチソラくんに、可愛いって言ってもらえたときは恥ずかしかったし、嬉しかった。
私は、みんなを笑顔にしたくて、周りを明るくしたくてアイドルになりたいって言ったよね。
チソラくんは「ヒナの笑顔なら世界を魅了できたのにな」って言ってくれた。
でも、私、思うんだ。
チソラくんだって世界を魅了できる魅力がある。
すごく素敵な子なんだって。
性別で悩んでたこと、明かさなくても良い。
無理に明るくしなくたって良い。
ただ、チソラくんなりにリスナーさんを優しくしてあげてほしい。笑顔にしてほしい。
私は、チソラくんにならその力があると思う。
クリアファイルの中に、アイドルの書類が入ってるの。
私が受けようと思っていた面接の書類以外に、男性アイドルグループのこととか、色々なプリントが入ってるの。
私が受けようと思っていた面接、受けてみてほしい。
無理なら無理って連絡してくれて良い。
私の遺書を見て、少しでも元気になってくれたら嬉しい。
私との別れは悲しいと思う。
私だって悲しいもん。
でもね。
人は必ず死ぬんだよ。
もしかしたら、、、チソラくんも明日死んじゃうかもしれないの。
私だってもっと前に死んでたかもしれない。
だからこそ、今ある命を大切にして明るく生きててほしい。
別れは悲しいけど、別れがあるから出会いがある。
いつか、私以上に好きな子を見つけて、幸せにしてあげてね
(チソラくんがアイドルになって、たとえファンやリスナーさんでも、幸せにしてあげて。私にしてくれたみたいに、優しく包みこんであげてね)
柏木 日那乃
20XX年 5月』
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