想い 2
15話目ଘ(੭ˊ꒳ˋ)੭✧
お母さんと手術のお話。
「ヒナ。僕、手術を受けようと思う。」
僕がヒナに言ったらヒナは喜ぶようにニコっと笑った。
「良かったあ。チソラくん、お母さんとかお医者様に負けちゃうかと思った。自分の気持ちを見つけられたんだね。」
優しい口調で言う。
優しくて、明るいヒナの口調はいつも安心できる。
「あのね。」
「ん。」
「私も、手術するの。病気を治すためのだから自分で選べなくてね。手術しないと死ぬし、手術しても手術が失敗したら死ぬ。手術が成功しても体に合わなかったら死ぬ。私、死ぬ確率が高いんだよ。まだわかんないけど、きっと手術日は私の命日だろうね。」
ヒナから発せられたのはポジティブなものではなかった。
暗くて、苦しい。沼の中みたいだった。
うまく呼吸ができない感じ。
辛い、辛い、苦しい。
ヒナはいつも明るく笑ってくれた。優しく包みこんでくれた。
でも。
もしかしたらずっとそんな感情を持っていたのかもしれない。
いつか、言ってくれた
『チソラくんは雰囲気が柔らかくて、優しくて。私の話、なんでも聞いてくれる。チソラくんの話、たくさん話してくれる。でも、私が寝ているときとかは静かにしていてくれる。私、そんなチソラくんが好きだなぁ』
っていう言葉が頭の中をよぎる。
僕はヒナの力になれてるのかな。
ヒナが好きなんだ。
その後はなんの言葉もかわさず、僕は帰った。
家に帰ると、暖かい光と、静かにご飯を食べるお母さんが居た。
僕はお母さんの前に座る。
お母さんは嫌そうな顔をした。
「お母さん。手術、受けたい。」
僕が言うと、お母さんは血相を変えた。
さっきまで僕に向けて嫌そうな顔をしていたのに。
「だめだって、言ってるでしょう。」
お母さんの低い声が聞こえた。
「っ、、、僕、手術したい。僕はこのまま生きていたら絶対後悔するから、、、。」
僕が言うとお母さんは更に表情を苦くして
「勘違い、勘違いよ、、、」
とつぶやくように言った。
「僕は、このまま生きていたら絶対後悔する。どうせ生まれてきたのなら、まっすぐ前を向いて生きていきたい。僕はお母さんの言う通り生きていくわけじゃない。僕は、これからも自分で選んで生きていく。それに後悔することもあると思う。でも、それにお母さんも協力してほしい。どうしても、僕一人じゃできないことがあるから。それと_________普通の娘で居られなくて、ごめんなさい。」
最後は言葉にできないような空気みたいな声だったけれど、お母さんには届いたようだった。
お母さんの目は潤んでいて、今にも泣きそうだった。
「娘で居てほしい。普通に生きてほしい。手術しないでほしい。お母さんの心を、待ってほしい。勘違いだったらどうするの。」
お母さんはかすれた声でそう言った。
「お母さんは、あと何年もこのまま、死にたいって気持ちのまま、身体を見ただけで死にたくなって、悩んで、苦しいまま、いてって、、、いうの?」
僕が言うとお母さんは泣きながら許してくれた。
「ごめんね。チソラ。」
それだけこぼして。
あんなに否定してたけど、話したらわかってくれたみたいだった。
僕はほっとしたのか、安心したのか、その翌日、熱を出した。
読んでくださってありがとうございます(´∀`)♡
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次話、明日投稿します!




