想い 1
14話目!
「想い」です。どうぞ!
(※今回ちょっと長めです)
「チソラ。最近、あなたどこへ行ってるの?」
久しぶりにお母さんと夕飯を食べているときのこと。
唐突に、そう聞かれた。
「あ、あぁ、、、。友達のところ。」
僕が言うとお母さんは不審そうな顔をして
「友達?もしかして、ミクちゃん?でも、あの子は不登校じゃないから、、、。午前中は誰といるのよ。」
と聞いてきた。
「ヒナ。」
「誰よ、それ。」
「近所に住んでる学校に行ってない子。」
「悪い友達とは遊ばないほうが良いわよ。じゃあ、ごちそうさま。」
お母さんはそれだけ告げると部屋に戻っていった。
なんだろう、悪い友達って。学校に行ってない子って悪いの?
まぁ、ヒナの場合は病気だからだし、別に行きたくなくて行ってないわけじゃないからお母さんの言う悪い子ではないと思う。
お母さん、、、秘密でこっそり手術のことを進めてること、知ってるのかな。
色々調べたり、ヒナに相談したり。
全部、わかってこの話題を持ち出したんだろうか。
ご飯を食べ終わると、僕は部屋でいつも通りパソコンを開いた。
『性別適合手術』
と打って検索する。
「女から男に」「性別を変換するには?」
などの検索結果が並ぶ中、僕は一つのサイトをクリックした。
やっぱり、手術は受けたいと思う。
だって僕は男であるべきだと思うから。
男じゃないとおかしい気がするから。
僕は、女の子じゃないから。
今度、お医者さんに聞きに行こう、一人で。
「チソラさん、中へどうぞ。」
僕は立ち上がり、診察室に入る。
「今日はどうされましたか?」
医者がそう聞いた。
「性別適合手術の相談をしたくて、、、。あっ、でも、お母さんは反対してるんですけど、、、。」
「なるほど。チソラさんは手術したいんですね。では、紙を見せながら説明していきます。」
医者はそう言うと僕に一枚のプリントをくれた。
「お金は200万くらいかかってしまうんですが、手術を受ければ戸籍の性別を変えることができます。そして、よりなりたい性別になれます。ホルモン注射を打つと声も変わります。___最初に言っておきますが、手術は完璧ではありません。完全にその性別になれるわけじゃないんです。そのため、自殺してしまう事例もあって、、。“戸籍”の性別は変えれますし、体つきもより“近く”なりますがあまり期待しないでください。」
手術は、完璧じゃないんだ。本当の男の子になれるわけじゃないんだ。
“絶望”という言葉が頭をよぎる。
本当に男の子になれるわけじゃなくて、それでも女の子は嫌だった。
だめなんだろうなって思う。やっぱり本当の男の子には勝てなくて本当の男の子にはなれなくて。いくら頑張っても、悩んで、苦しいままなんだろうなって思った。
「あ、ありがと、う、ございました、、、。」
気づけば、頬に生ぬるい水が流れていた。
「ゆっくりで、大丈夫ですよ。お母さんとも相談しながらじゃないといけませんし。お母さんは反対しているみたいですけど、結局はチソラさんの気持ちが大事ですから。一緒に考えていきましょう。」
医者は優しく笑ってそう言ってくれた。
僕はコクっと頷くと静かに扉を閉めた。
ぎゅっと手を握る。もらったプリントがぐしゃっと音を立てる。
費用も高いからこんな僕じゃ払えない。
結局は、、お母さんに頼るしか無いのかな。
でも、手術は絶対受ける。
早く受けたい。
早く、こんな身体じゃなくしたい。
せめて、男の子に近づきたい。
自分の体を見るだけで嫌になる、そんな身体じゃなくしたい。
読んでくださってありがとうございます(´∀`)♡
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次話は明日投稿します!




