表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

99/149

98 もふもふなゴーレム

 黒猫のミミの寝床付近をシオリと一緒に掃除し、その後に少しじゃれ合っていた。そんな時、笑顔のライラが帰宅する。


「ど、どうしたんだ、それ?」


「知り合いの伝手で入手する機会がありまして」


 小麦色をした兎をケージに入れていた。


「世話が大変じゃないか?」


「大丈夫ですわ。これはゴーレムですの」


「ゴーレム?」


 確認して見てみると確かに生物ではなかった。しかし、本物の兎と同じ動きで違和感がない。


(ん? マナ回路が少し雑だな。綺麗に整えておこう。ゴーレムの血液みたいなものだしな)


 チラっとシオリを見ると猫と戯れている。隠蔽の魔法でサッと整えた。



「なんとMPを定期的に供給するだけで、動きますの!! ご飯やトイレなどは不要なところが売りの一つですわ。本来はそこの世話をするのが良いのですが、どうしても時間がない人や、大雑把な人に需要がありますの!!」


 フランがそこで入ってきた。


「なーんだ。所詮偽物なのね」


「ふふふ。甘いですわよフラン。最近のゴーレムは凄い進化を遂げてますわ」


「ふーん」


「触ると分かります。ちゃんとモフモフしていて、偽物かを見分けるのが困難。性格もちゃんと存在しますわ!! さらに容姿やサイズも違いますの!!」


 ライラがケージを開けて、両手を広げて迎えようとする。すると兎は俺の方に来た。


「……」


「アハハハハ!! ライラ無視されてるー」


 近くに来たのでおでこから鼻付近を優しくさすった。少し上を向いたり、地面に顔を付けたりと頭を動かしていた。色々な反応を見せる。


「ほんとだ柔らかい。あ、目を閉じた。反応が可愛いな」


「フッ。流石はキョウですわね」


 フランが興味本位で触ろうとした時、足で床をダンと蹴った。


「え?」


「あれはきっと怒った時のやつですわね。まあ怖かったんでしょうね!!」


「むむ!!」


 ライラがなんとか近づくと撫でることに成功した。


「あ~可愛いですわ~」


「よしよし。フランは怖くないからな~」


「きゃわいーですわぁ~!!」


「……」


 理解出来るかは分からないが、ゴーレム兎を撫でながらフランが怖くない事を伝える。


「ふーん。まあ、凄いのは認めるけどあんまり興味湧かないかなー」


「そうですか。それは残念ですわね~」


 フランは部屋の中へと入っていった。その後、ペットショップに買い物に出かける。ライラに声をかけると嬉しそうについてきた。兎用ペットグッズの買い物が楽しみなのだろう。


 フローリングなので、猫用に滑り止めのマットを敷いている。防音シートやクッション、ハウス、作り物の牧草を購入した。牧草は食べないが食べているフリをするので雰囲気を味わえる。


「良い買い物をしましたわね」


「だな。楽しかったな」


(ほんと色々あるな。ん?)


 ゴーレムコーナーもあった。様々な動物のゴーレムが居る。どれもかなりお高い値段だった。そのゴーレムを観察していると、動きや形に若干不自然さがある事に気が付いた。


(ライラのゴーレムって特別なのか……)


 ふと大きな動画広告が見えた。そこにはライラのゴーレムとそっくりなのがあった。発売はまだ先のようだ。それよりも驚いたのは値段だった。


(その辺の高級車よりたけー……)



 その後、俺たちは帰宅した。懸念点だった、ミーちゃんとも仲良くしていたので安心した。兎はリリと名付けたようだ。こうして少し奇妙な家族が増えた。






誤字報告下さった方、ありがとうございます!! 修正しております。


5/1 誤字報告下さった方、ありがとうございますっ!! 修正しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ