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45 挑戦。そして

 上代は移動して次々と魔物を倒す。しかしある時、次の場所に移動せず立ち止まる。すると何処からか拍手が聞こえた。同時に暗がりから男が現れた。


「見事だ。流石は天才少女」


「以前の……フード男」


「俺はレッドクリムゾン。お前が服従する者の名だ」


「……倒す」



 開幕<飛雷・乱舞>を使用した。先日の戦いでこの男は油断出来ないと感じたからだ。相手が避けている隙に<紫電一閃>と、<迅雷風列>を使用し、急激に加速する。鋭い轟音と共に接近し、強力な一撃。しかし、相手はそれを余裕で避ける。


「ハハハッ。いきなりか!! だが良い判断だ!!」


 今は雷を纏っている。周辺に近づくだけで痺れ、動きが鈍るはず。なのに彼はケロっとしていた。


「効いてない……」


「クク、雷耐性を取得した。お前等(てんさい)の対策をするのは当然だろ?」


「なら、単純に力で」


 上代は一瞬驚いた様子を見せたが、それを前提に戦い方を雷に依存しないように瞬時に変える。彼女はさらに加速した。反撃する隙を与えぬ二刀流の猛攻。だがそれを分かっているかのように男は器用にかわす。


「ふっ。お前の癖はだいぶ分かった。おらァ、ここからもっと加速するぞッ」


 <アイスニードル>で牽制を入れ始めた。上代はそれを全て砕き、本人に直行する。


 男は手前に球を放り投げ、煙を発生させると同時に<アイスイルシオン>を複数回使用する。カムイの時にも使用したそれ。自身の正確な位置をずらす幻影に近い。


 違いはそれを攻撃すると氷のカウンターが飛んでくるところだろう。男が分身しているかのように増えた。それを全て攻撃する。横から声が聞こえた。


「はっ。馬鹿正直な奴だ。勘は鋭いようだが所詮は少女、未熟だな」


 そして、いつの間にか<束縛する氷(アイスロック)>が手と脚に付けられていた。膝を突くが、側面に<飛雷>を飛ばす。


 しかし、どれも氷の偽物だった。ガラスのようにそれが砕け散る。致命傷にならぬように避け続ける。すると背後から低い男の声が聞こえた。頭に手を置かれた。少しでも動けば即座に殺される。


「ッ……!!」


「ちょっと挑発すると冷静さを失ってこれだ。チェックってところかぁ?」


 男が勝ち誇ったその一瞬の隙を付いて手を振り払う。そのまま反撃するが、違和感に気が付いた。余りにも自分の動きが遅い。


 上代が攻撃をする前に逆に、男が顎を殴る。さらに腹部を蹴ると彼女は勢いよく地面に転がった。凄まじい激痛からなのか。雷が消え、剣を地面に落とす。


「あがっ……」


「バーカぁ。お前の()はもうもらってんだよ」


誤字報告下さった方、ありがとうございます!!! 修正しております

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