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44 察しがいい人、鈍感な人

 避難所は軍や警察などの機関が護衛しているので安全地帯である。レナは逃げ遅れた人々。彼等の目に届きにくい場所を探索し、逃げ遅れた人の避難誘導していた。そしてまた一人、子供を避難所に送り届けた。子供は母親を見つけ、走って駆け付ける。お互いが泣きながら抱きついていた。


 何往復もする彼女を警察が笑顔で迎える。


「凄いですね。一人でそこまで動けるなんて。非常に助かってます」


「いえいえ、こちらの方こそ。市民を守って頂いて。助かってます」


 話していると親と子供がお礼を言いに来たので、二人にそれぞれ目線を合わせて笑顔で返す。そして、表情が切り替わる。警察は察した。


「また行かれるんですね」


「はい。まだまだ沢山いると思いますので」


「お気をつけて」



 軽太郎とトトモトは街中で魔物を狩っていた。C組に昇格した彼等はさらに成長していた。アヤコやその姉とは組んでない。


「トト、倒しても倒してもきりがないぞっ」


「それはダンジョンでも同じだ」


 悲鳴が聞こえたので駆け付ける。アヤコが猪のような魔物に突撃をされて重傷であった。血が地面に流れていた。吐血をし、立ち上がろうともがいている。


 現パーティーメンバーが動揺し、陣形を崩す。トトと啓太郎の体は勝手に動いていた。B組のパーティーに加勢し、状況を立て直す。


「加勢するッ」


「お前等は確かC組の!!」


「た、助かる!!」


 そんな時、不思議な現象が起きた。アヤコの傷が完全に治癒されていく。立ち上がる本人すらも疑問符を浮かべていた。辺りを見渡すがそれらしき人物はいない。


「誰が……?」


 トトが僅かに口元を緩めて微笑んだ。


「心当たりがある……」


「え?」


「あの不思議な出来事のか?」


「また助けられたようだな。だがいつも見てくれてるとは限らない」


「ああ……油断するなよお前等」


 B組の男子が言う。


「よく分からないけど……とにかく臨時でパーティーを組もう」


「了解だ。行くぞ」



 ソースは槍を振り回していた。魔物を倒しては決めポーズをすると次に行く。共闘している仲間が言う。


「カメラを意識しているようだが、そんなものはないぞ」


「あろうがなかろうが、カッコイイポーズを決めるのが朽ち行く生命への手向け」


「可哀そう」「怒りそう」


「???」


 その時、倒したはずの魔物が最後の力を振り絞り起き上がった。


「ほら、怒った!!」「こうなるからっ」


「うおおお!!!」


 雄叫びを上げながらもう一度倒すとソースは最高のポーズを再び決める。


「う、うぜー」


「まあそう言うな。これが人を喰らう魔物の本能。仕方あるまい」


(ソース。お前に言ったんだよ)



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