表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/149

40 ギルマスと校長

 警察のお偉いさんが数人ほど集まって会議していた。


探索者(シーカー)育成高等学校で死者が五名。行方不明者が一名ですか……その他の学生や、不良グループが八名。計13名も殺害されてます。高圧的な人物が多い印象ですね」


「最初の犠牲者が二年F組か」


「この行方不明者も同級生にですね。既に殺害されている」


「……もしくは犯人の可能性が高い」


 その写真に全員が注目する。


「二年F組。赤宮(あかみや)真躯(しんく)、か」


「引き続き捜査を開始。もう一つ、彼を探す班を作れ。腕を犠牲にしたとはいえ、あの黒霧から逃げ切った男。油断するなよ」


「はい、心得てます」


「それと、あくまで行方不明の捜索で情報収集をしろ。マスコミには事故の線も追っている、と。余計な事は言うなよ」


「はいッ」


 警視正の男が別室に移動した。そこには探索者(シーカー)ギルドのマスターと学校長がいた。40代ほどの男が二人。警官の質問が丁度終わったところである。校長は不安そうに警察に問う。


「あ、赤宮君は見つかるでしょうか……」


「必ず見つけてみせますよ。ご心配なさらずともきっと無事に帰ってきます」


「なのでご協力ください。どんな生徒でしたか? 特徴をもう少し教えてください」


「彼の担任に聞いた話ですが、LVが低く。それがコンプレックスだったようです。ジョブは魔法使い。ソロでダンジョンに行くことが殆どだったみたいですが」


「他には? 話してる途中に思い出した事でも、最近変わったことでも何でもいいですから……」


「他にー……ですか」


「……例えば異世界だとか口にしてませんでしたか?」


「……? 異世界? いえ、特にはそんな話は聞いてませんが……担任もそのような事は言ってなかったと。このタイミングでそんな突拍子もない事を。何か異世界が関係あるんですか?」


「いえ、今のは忘れてください。リラックスさせようと冗談を言ったまでです」


「そ、そうですか」



 数十分後に校長とギルドマスターは別々に部屋を出た。校長が外に出るとさっきの緊張した様子とは別人。欠伸をして頭をかいていた。暫く歩いていると人通りの少ない道、壁に寄りかかった男から声をかけられる


「本当に知らないのか?」


ギルマス(お前)か。知らんよ。その質問をされたのは二度目だ」


「総監にもか?」


「ははは……それで、黒霧君には話したのか?」


「ああ、一応説明はした。驚いていたよ」


「だろうね」


「話を逸らすな。お前はそういうのに詳しいと思うのだが……」


「詳しくはないよ。ただ数人ほど、異世界人に会った事があるだけだ」


「赤宮もその類ではないのか? 黒霧を撒いたほどの相手だ」


「さてね……彼等はこっちに来ると、何故か力と正体を隠したがる」


 校長は真剣な表情でそれを思い出すように語る。



「もぉ~~~こっちの魔物退治も手伝ってくれよぉー~~~~っ」


 さっきまで真顔だったおっさんが急にくねくねと動き出した。


「言動がウザい。ダンジョン内だったら危うく殺してたぞ」


「ひどっ……」


「しかし、それには同意する。探索者(シーカー)は常に人手不足だ」


「だろうなー。っと話を戻して」


(お前が変な動きをするからだろうに)


「確かにその性質上、F組に生息する可能性が高いが……赤宮は違うと思うよ。だが異世界人が赤宮に関与した可能性は高い」


「根拠は?」


「勘だ」


「ふぅー。そういう輩の勘とやらは何かと当たるからな。非常に助かる」


「そういう星に生まれてきたのかもな」


「……ふむ。否定は出来ない。そうだ、ついでに聞いておきたかった。デッドやギルティ……奴等もか?」


「恐らく……デッドの方に至っては確実に黒霧より上だ」


「はぁー。名乗り出てくれんかねー」


「それより今は一年の方が気になるな」


「一年に何かあるのか?」


「二年のF組の子が突然にA組に上がった。その子が一年の最弱で有名な子にご執心のようだ。もし彼がそうだとしたら、短期間でLV上げの手伝いをした事になる」


「手伝い……こちら側か、それとも……思い切って試してみるか?」


「お、珍しくノリが良いね~。誰か適当な人貸してよー」


誤字報告下さった方、ありがとうございます!! 修正しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ