3 ダンジョン探索
【新大久保のダンジョン・竜の巣窟】
カードを見せてダンジョンに入る。内に入ってからは正体がばれないように仮面を付ける。認識阻害と声を変える機能がついている。魔物相手にはLV200ほど解放する。
(うーん。武具は収納魔法に沢山あるけど、強さによってレアリティがある。強いのは使いたくないが、弱いのは全部人にあげちゃったしな)
そこでゴブリンが襲い掛かってきた。何処の世界も魔物は似ているようだ。デコピンで頭部を弾き飛ばす。パタリと倒れた。
「おっ、そうだ!! 武器GET!!」
ショートソードっぽいモノを持つとそれを振る。そのまま奥に入っていく。ダンジョンは階層に分かれており、深く潜るほどほど強力な魔物が出る。
(確か竜の巣窟は最高到達の階層は67だって警備のおっちゃんが言ってたな。そしてそこにはドラゴンがいる。楽しみだ)
前は魔王を倒す事に必死で、異世界を堪能出来なかった。今回は気ままに倒していこう。
ゴブリンが沢山出てきた。<ファイアボール>を使う。炎の球体が魔物を襲う。一発で周辺ごと吹き飛ばした。
「今のは上級魔法ではない。初級魔法だっ」
ダンジョンは壊れても時間が経つと修復するらしい。理由は不明だそうだ。偶然近くにいた男女ペアの探索者が、引いた様子を見せた。
「ねぇ見てダーリン。あの人ゴブリン相手にイキってるよ」
「ゴブリンソードを持ってる。きっと初めてでダンジョンハイになってなってるんだ。そっとしておこう……」
(はい、初めてです)
「キャー、優しいぃダーリン!!」
とても恥ずかしかったので逃げるように階層を下りた。
30階に到着した。魔物を次々と収納していく。収納魔法は武具専用、素材、魔物の遺体等でそれぞれ分けている。時の魔法も使い劣化や腐敗も防いでいる。
(いきなり売ったら怪しまれる。ランクが上がったらちょくちょく売ろう)
ホブゴブリンが現れた。ホブにも色々種類がいるが、これは三メートル級。巨大な棍棒を振り回してくる。
(流石に何もしないと折れるな。武器に軽く付与魔法をかけるか)
武器強化の魔法、<エンハンスウェポン>を使用。そして、ホブの攻撃に合わせて、剣を軽く振ると武器ごと真っ二つになった。
(この程度の強化で死ぬのか……柔らか過ぎる)
適当に切り進んでいたら、急にホブたちが逃げ始めた。
「えっ、まさか……?」
切ったホブの中にゴブリンリーダーがいたらしい。この辺りで苦戦する事はない。そのまま67階まで一気に駆け降りた。
「さて、どの種類のドラゴンだ?」
巣に入った。恐らくこのダンジョンの名前の由来ともなった竜。ドスン、ドスンと地面が僅かに揺れている感覚がした。それは唸り声と共に姿を見せた。全長8メートルほど、四足歩行の黒い魔物。
「これはブラックリザード……ドラゴンじゃないな……」
ゴブリンソードを軽く振ると巨大な蜥蜴は真っ二つになった。
「ですよねー」
さらに下り、100階層まで降りた。ダンジョン内とは思えない広さだった。景色を楽しみながら進んだ。特に苦戦する事もなく200階まで降りた。魔物が弱いので隅々まで探索出来るので面白い。木の実、鉱石や結晶など様々なモノを収集する。
こんなに深くまで階層がある事に驚いた。5~10キロメートルはありそうだがどうなっているのやら。
「ふぅー。結構深いな」
その時、突然温度が高くなる。空を飛ぶ30メートルはありそうな巨体から炎のブレスが放たれた。
「お、フレイムドラゴン」
氷壁の魔法。二枚の<アイスウォール>を前方の少し上、ブレスに合わせて張る。三角を作るように置くことで風が左右に分かれ、周りだけが焼き焦げた。
「LV150か」
成竜にはなっているが、まだまだ若い。さらに竜の中では下級な方。急降下して爪での攻撃をしてきた。ゴブリンソードで受け止めると竜の手の平と腕が裂けた。
次の瞬間、至近距離で大量のブレスを吐く。その隙に空を飛んで、逃げ出した。
「判断早」
竜の真上から氷の魔法を撃ちおろす。<アイスレイン>。無数の氷柱が竜の翼や胴体を傷つける。地へと落ちたので止めを刺す。竜の遺体を回収し、地上に戻る事にした。
探知魔法、<サーチ>を展開して魔物と人の位置を確認する。誰も居ない場所を見つけ、二階層に空間転移した。もう少し上に行ってから仮面を外す予定だ。
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