表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

140/149

139 それぞれの全力攻撃

 ポーションを飲むシオリにナナセが聞いた。


「それでどうする?」


「そっちがスキルで竜を殴ったら、私が合わせて増幅させる」


「ッ……私のスキルを利用してさらに増幅するってことか?」


「そう」


「……簡単に言ってくれるなァ……できるのか」


「やらないと倒せない……」


「っ……」


 ナナセは覚悟を決めた瞳を見て思わず後退る。彼女ならそれをやってのけると感じた。それが悔しかった。長年スキルを使っているがそんな事を考えた事がなかった。


 以前ソウシがこの少女を天才と言った意味が、より一層理解できた。



「魔防壁にヒビを入れると同時に魔法で破壊する」


「了解……タイミングが重要ね」


 シオリは上空で暴れる竜を見た。それを見て若干修正をする。


「……ライラはその後に続いて」


「了解ですわ。保険ですわね」



 先ほどの竜の動きから、降下するタイミングを予測する。今回一番緊張するのは魔防壁を割る者たちだろう。しかし、本人たちよりも周りの者が、その緊張に耐えられずに言葉を発した。


「あの竜。さっきよりも動きが良くなってる……」


「ああ……落とすのに苦戦しているな……」



 その言葉には誰も答えなかった。信じるしかないからだ。ソウシがチャージを発動する。魔導師が気が付いた。


「嘘……二つ同時に……ッ」


 一つの魔法では足りないと判断し、同時発動する。カヅキが尋ねる。


「……初めて見るな」


「そりゃ初めてだもの……」


「そうか。初のお披露目を見れるとは幸運だな」


 彼の眼は成功すると確信していた。それを見てソウシが笑う。


「当然」



 しばらくすると竜の高度が下がる。降下ではなく、戦闘機が落としたようだ。これは大きいとナナセが急接近する。シオリもそれに合わせて接近する。


 そして、ナナセが地面に落ちた竜に強烈な一撃を入れた。さらに雷を全身に纏うシオリが加速し、追撃をする。


「<雷震>……ッ」


 僅かな差でシオリが攻撃をすると、力が増幅して凄まじいエネルギーが発生した。竜の表面からピキピキとなにかが割れる音が聞こえた。ソウシが叫ぶ。


「二人とも離れてッ!!」


 二人が急いで距離を取る。その瞬間巨大な爆発が二つ同時に起きた。ついに魔防壁が砕け散る。


「すげー……本当に成功させやがった……」


 しかし、そこで終わらない。ライラが<エクスプロードフレアバーストストームアブソリュートデッド>で追撃をする。竜に炎の竜巻が巻き付く。爆発と炎の柱が竜を襲った。苦痛の雄叫びをあげた。


 効いていると判断したクロス。彼は間髪入れずに叫んだ。


「突撃!!」


 最高の好機が訪れた。全員の同時攻撃が開始される。誰もが自身の全力を叩きこむ事しか考えていなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ