表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

128/149

127 仲良くなった

 フランはキョウの家に戻っていた。家にはシオリがいた。


「おかえり」


「ただいま」


「キョウは?」


「さあ?」



 その頃、キョウは自宅に向かっていた。その隣にはフードを身に着けた静音がいた。


 少し前、ギルドマスターに報告していたら、校長が偶然現れた。そこで校長の知り合いの家で引き取れば良いと、案をだしたのが採用された。


(こっちで獣人に会ったのは初めてだったから驚いたけど……というか最初から耳があったのか……?)


 思い出しながら歩いていると、彼女は不安そうに震えていた。


「大丈夫。優しい人たちだから」



 玄関から音が聞こえたのでフランがリビングのドアを開ける。すると、リンとリリも玄関にトテトテ、ぴょんぴょんと向かう。フランは驚いた。隣に誰かいたからだ。


「ん。そっちの人は……?」


「あ、ああ……親戚の知り合いだよ。色々あってしばらく引き取る事に……」


「へー」


 挨拶をした時にフードがずれ落ちた。フランは驚愕する。狐のような耳があったからだ。


「え……キョキョキョウ……そんな趣味がっ……」


「あ、いや……これは、なんと言えばいいか」


「じゃあその子の趣味? 良くできてるね。触っても?」


「ぇ……あ、はい……少しなら……」


 少し興味があるのかペタペタと触る。静音からくすぐったそうな声が漏れる。次第にフランが首をかしげた。


「え……?」


「あー……それ、本物っぽい」


「……っ……そ、そっかぁ!! そんな事もあるよねー!! ここじゃああれだから中に!!」


 フランは廊下の壁にぶつかりながら、リビングに入る。校長が今西(いまにし)静音と付けたのでその事と、記憶がないことを伝えた。


「はー。びっくりした。映画の中だけかと思った……」


「……」


「ごめん。悪い意味じゃないよ」


 そんな時、隣の家のドアが開いた。寝起きのライラがやってきた。


「よく寝ましたわ~……んん!!」


 静音を見て驚いた表情になり、その場で固まっていた。同時に一度自宅に急いで戻ると、すぐにやってきた。


「私も持ってますわ!! 良いですわよね」


 兎の耳を着けてやってきた。よくできていて、偽物だと気が付きにくい。


(なんで持ってるんだろ……)


「お姉ちゃんも同じ!!」


「そうですの!!」


 二人はすぐに仲良くなった。


(少し元気になったし。いっか)



 シオリは静音をジーっと見ていた。それに気が付いたのか気まずそうに言う。


「あ、あの……お姉ちゃん……?」


「シオリ、どうした?」


「……」


「ええっと。シオリお姉ちゃん……?」


「良い子」


 お姉ちゃんと呼ばれた事で珍しくしたり顔になった。彼女の頭を撫でていた。意外に早く仲良くなった。その時、ペンギンがツンツンと静音を突く。


「かわいいー。珍しい……鳥さん?」


「見たことないの?」


「う、うん」


「それじゃあ、お姉さんが教えてあげる」


「本当!? ありがとう!!」


 フランにスイッチが入り、ペンギンの説明を始めた。どうやら皆と仲良くできそうだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ