表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

125/149

124 穢れを祓う

 シズクと一緒に祠の奥へと進む。


「ここまで奥にきたのは初めて……」


「助けがくるまでずっと一人で戦ってたのか」


「怖かったけど、それが使命だから!!」


「そっか……」


 ある時、足元からパキリと乾いた何かを踏む音が聞こえた。無数の骨があった。


「人骨か……」


「気を付けてっ、なにかいる!!」


 奥には縄で縛られた黄金色(こがねいろ)の髪をした少女が側面を向いて倒れていた。


「助けないと!!」


「待って……」


 シズクはそこでハッとした。天井に奇妙な魔物がいたからだ。口から液体を吐いた。彼女はそれを後ろに跳んで避けた。地面に落ちるとジュウっと音がした。


「なんだあれは……」


 縛られた少女の前に着地してこちらを威嚇する。顔などは男の人であったが、骨格が少しおかしい。合計六本の手足で移動していた。


「それは俺のものだ!! 離れろォ!!」


「その子を解放しなさい!!」


「ゲヘゲゲゲ!! 嫌だねェ……」


 シズクに液体を飛ばしてきたので、魔防壁でそれを防ぐ。


「ありがとう!!」


 俺は魔物に話しかけた。


「なぁ……お前はなんだ?」


「……ゲヘゲヘゲヘ!! なんだったかな? 人間? だよなぁ!!」


 それを聞いたシズクは嫌悪感を隠さずに言った。


「化け物め!!」


 結界に閉じ込める。結界内に光の魔法のようなものが発生し、魔物に襲い掛かる。魔物は苦しんでいたが結界を割って逃げ出した。


「俺にここまでの傷をッ……化け物だって……それは貴様とて同じだァ!!」


 シズクに魔物が飛びついてきた。それも魔防壁で防ぐ。


「ッ……」


「シズク、援護は任せろ……好きに戦うと良い……」


「デ、デッド……貴方は……」


「ああ……」


 俺を見つめるシズク。そして、彼女は覚悟を決めた表情になった。そこからシズクの猛攻撃が始まる。反撃が全て防がれる事に焦りを覚えた魔物。


「背後の男……お前はいったいっ?」


探索者(シーカー)だよ」


探索者(シーカー)……」


「それで、どうしてお前は人を……」


 地面に落ちた人骨をチラリと見た。


「ゲヘゲヘゲヘ!! 理由は……ん~。あァ!! 忘れたがっ……本能だろうな!! きっと本能が俺をそうさせる!!」


 それで怒りをあらわにしたシズクが全力を出す。


「終わりよ!! 化け物!!」


「この程度でェ!! ……なにッ!?」


 今までで一番強力な結界に閉じ込めると、そのまま魔物を浄化しようと力を込める。必死に暴れて逃げようとするが、結界が予想以上に硬かったようだ。


「グオォオ!! 化け物め!! お前がいなければッ、あと少しだったのにっ。こいつを喰らえばッ。俺はァ!! 俺のォ!!」


 さらに光が強くなる。魔物は苦痛の声をあげなから消滅した。


「や、やったの?」


「そう。シズクが倒したんだ」


 シズクの目を見てしっかりとそう明言した。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ