122 久しぶりの休日
ライラは兎のリリと戯れていた。デレデレとした顔つきでひたすら可愛がる。
おでこを撫でたり、背中を撫でたりしている。撫でていると兎が地面にペタリとなった。リラックスできているようだ。
「ああ~。可愛いですわね~」
暫くしてリリに近寄ると、ムクリと起き上がる。足の周りぐるぐると回り出した。
「キョウにも懐いてますわね」
小走りに走ると追ってくる。とても可愛らしい。そこでフランが現れれた。
「へー。リンちゃんもキョウを追いかけるよ」
「本当ですわね。まあでも……リリの方が懐いてますわよ」
「リンちゃんはキョウが帰ってくる前から待ってるから!!」
「リリも待ってますわよ」
(実は。玄関ドアの音が聞こえるまでは部屋でくつろいでる)
速度に応じてペンギンがトコトコと附いてくる。兎も部屋中を駆け回る。二匹とも争う事はない。むしろ仲良しだ。
そして。黒猫はベランダ付近で日に当たっている。その隣にシオリが寝ていた。
主にダンジョンや地上に出た魔物討伐をしながら生活している。なのでたまにはこういったゆっくりと時間を過ごすのも悪くないと、しみじみと感じていた。猫に破かれない網戸を買っているので、窓も開ける事が出来る。
遊び終えると、シオリの隣に座る。心地良い風だ。
いつの間にか昼寝をしていたようだ。そして、ふと目をやると、フランとライラも仲良く隣で寝ている。兎やペンギンも近くに居た。ミーは奥の段ボールで寝ていた。
(本当に気まぐれなやつだ)
「ふぁ~~!! よく寝ましたわね~。気持ちが良かったですの」
ライラの背伸びと共に、二人も目を覚ます。
「あれ。もう日が暮れそう。ん~~-。早いねぇ」
シオリが言う。
「キョウ。お腹空いた」
「丁度良い頃合いだな。夕飯の準備するよ」
俺達は久しぶりにのんびりとした一日を過ごしたのであった。