0 断頭台は悪手でしたね。創造魔法が強すぎな件。
それは突然だった。クラスごと異世界に転移した。朱鳥白雉は、その時から勇者として生きなければならなくなった。打倒魔王を目標に皆と訓練と実戦を積み重ね強くなった。そして終に魔王を討伐したのである。
しかし、その後待っていた仕打ちは酷いモノであった。凱旋し、疲れ切ったところを奇襲。勇者たちは強くなり過ぎた。それを恐れた国が裏切った。
勇者たちは力を封じられ、そのまま捕らえられた。男女平等での拷問後、勇者たちを処刑した。滞在中にあれ程仲良くなった民も既に王国の味方になっていた。人々から罵詈雑言を浴びせられた。最後にかけられた言葉。勇者の肉体は良い魔力元になるとのことだ。
最後には処刑された。しかし、意識が覚醒した。確かに首を刎ねられたのだが、ベッドに横になっていた。すぐ傍に知らない人が近くに座っており、涙を流して喜んでいた。現代的な服装の中年はキョウと呼んでいた。中年の人は病室から急いで外に出て医者の所へ駆け込んだ。
(服装からして俺は戻ってきたのか。今までの事は夢だったのか。乖離性なんとかというやつだろうか)
名前は飛鳥郷というらしい。街に出てきた魔物にやられて致命傷を負ったそうだ。鏡を見ると別人だった。魔物という単語が出てきたのでもしかしたらと思い、こそっと治癒の魔法を使う。続けて風の魔法。
ステータス、自分の力を魔法で確認する。ステータスには力や速度、魔力等が存在する。それは不思議な力である。体は痩せていても力のステータスが高いと岩をも砕ける。速度が高いと熊より速く走れる。透明な筋肉を纏っているようなものだ。つまり超能力。一定の経験を積むとLVが上がる、それによりステータスも上昇する。
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飛鳥 郷
LV 66兆2000億
能力:
創造魔法
魔力貯金
予備部品交換
干渉不可
汚染遮断
部品接続
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新しい声をしっかりと自身の耳で聞きたくなった。覚醒するまでは一瞬だったが、久しぶりに喋った感覚がした。
「あ、あ、ぁああ」
声がかれていたので何度か咳ばらいをする。
「夢じゃない。転移の次は憑依か。しかも元の日本じゃないなんて」
医者や両親と思われる人たちが到着し、話を聞いたところ長い時間心臓が止まって、脳死と判断された。だが、奇跡が起こり再び心臓が動き出した。
両親はずっと泣いていたので、心配かけてごめんと言った。それと育ててくれた感謝の言葉をかけた。何故こうなったのかよく分からない。しかし、折角頂いた命。寿命まで生きようと思った。
(魔物が居る日本か。目立つのは良くないな。また畏れられ、殺されるかもしれない)
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