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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

おるぼ短編集

宇宙人

作者: おーるぼん
掲載日:2022/08/28

ぼくは宇宙人のせいで学校に遅れた。


いつもより三十分遅く起きたぼくは、だれもいない通学路を走って学校に急いでいた。


ぼくは花に水をあげる係だったから、春休みだけど八時くらいには学校に行かなくちゃならなかったんだ。


でもそんな時に、あいつは現れたんだ。


あいつは何か大きなものを片手で持ち上げて、それを半分にわろうとしているように見えた。


「できねーじゃん。さんまいおろしにできねーじゃん。やっぱり『ぴちぴち』じゃないとだめなの?」


あいつはとっても大きくて、体中がごつごつしていた。なのに言葉を話していたから、何となく気になったぼくは話しかけてしまったんだ。


「ねえ、君はだれ?」


「うちゅーじん。ねえ、これさぁ、さんまいおろしにできないんだけど、なんで?」


宇宙人と名乗ったそいつが持っていたのは、ぼくの近所に住んでるおじさんだった。


ぼくはおじさんと会うと必ず挨拶をしていたから、今日も「おじさん、おはようございます」と挨拶をしてみた。でも、今日のおじさんはずっと目を閉じていて、返事をしてくれなかった。


「ねえ、なんで?」と、宇宙人は言った。それでぼくは宇宙人に質問されていたのを思い出した。


「魚じゃないから、だと思う」


「さかな?なにそれ、『ぴちぴち』のこと?」


「んー、多分」


「たぶんはこまる。ちょっとまってて」


そう言うと宇宙人はおじさんを遠くに投げすてて、突然消えてしまった。


ぼくはおどろいて、動けなかった。でも、三分くらいそのままでいたらまた宇宙人が戻って来た。


「これ『ぴちぴち』だよ。さかなって、これか?」


そう言うと、宇宙人はぼくにかつおを見せてきた。それを見たぼくは「そうだよ」と返した。


「やっぱりこれでやるしかねーのか。まあいいや、さんまいおろしできるなら。ありがとうこれあげる」


そう言って宇宙人はぼくに首を渡してきた。その首はお母さんとたまに行く魚屋のおじさんのものだった。


「おまえちっちゃいから、それもういっこつけとけ。じゃないとはなすとき、こしがいたくなる」


ぼくは持たされた魚屋のおじさんの首をずっと見ていた。しばらくしたら何でか分からないけれど何かがとっても怖くなってきて、おじさんの首を落としてしまった。


おじさんの首は重たくて、ぜんぜん転がらなかった。それを見たぼくはますます怖くなってきて、とにかく学校に走った。


学校についてからそんなような事を、遅刻したわけを全部、先生に話した。


先生はぼくを怒らなかった。その代わりににこにこ笑ってから、僕にこう言った。


「翔太。わざわざ今日がエイプリルフールだからってそんな嘘を考えてきたのか?想像力があって大変よろしい。でも、遅刻はもうするなよ。これで四回目だぞ?」

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