百鬼 対凶悪な人
誰もが憧れる英雄譚
悪を滅ぼし
ただ純粋な
善とする
そんな風に考えていた中学2年生の
夏期長期休暇
アイスを食べて
理想論だけを語る
宿題なんて最後にまとめて
やればいい
あの頃は全てにおいて
無責任で
無関心だった
そんな自分をカッコいいとか
思っていた
事件が起きたのはそんな休暇の
最後の日
少しの好奇心と
特別への憧れ
今となっては後悔しか残らない選択
好奇心は猫を殺す
猫よりも脆弱な僕は
後戻りができない所まで行っていた
あれから数十年
人であった記憶は
ひと握りしかない
それが少しの幸せと考えるべきか
それとも人間性すらなくなってしまった方が
楽なのか
涙すら流す事を忘れた
梟悪になった自分は鏡を見れない