第一王子がやって来ました
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今日はクロード様がいらっしゃる日なので
粗相の無いように準備をしています。と言っても指示を出すのはお母様でメイド達が準備しているのですが……。王族の方がいらっしゃるなんて滅多に無い事なのでみんなドキドキしています。勿論私もドキドキです。お忍びでいらっしゃるとは言え相手はVIPなので凄く緊張します。
やがて約束の刻限になり、クロード様がアロン様を従えてやって来ました。お城を出る名目上は狩りなので馬に乗っていらっしゃいました。
「ようこそいらっしゃいました。」
お母様がご挨拶をします。私もそれに習ってカーテシーをします。クロード様は、うむ、と仰ると、
「忍びゆえ、堅苦しい挨拶や態度は無しで頼む。」
と、苦笑しました。
「それより、プリシラ嬢と内密で話がしたいので、人払いも頼む。」
お母様と執事が頷き、お二人を客間に案内すると、あとはヨロシクね、とお母様が仰って私達は客間で三人だけになりました。私はお二人をソファにご案内します。
やがて、ノックの後マーニャが入ってきてお茶の準備をしてから、私はドアの外で控えております、と言って出ていきました。これで三人だけです。私がどうぞ、と言うとクロード様がお茶を一口飲んでほうっと息を吐きました。
「これからする話は内密で頼む。アロンにも初めて話す話なのでもしかしたら物凄く驚くかもしれないが、聞いて欲しい。」
アロン様は黙って頷きました。私もこくんと頷きます。なんだか凄く緊張して手が震えてきました。震えを抑えるように、膝の上で両手をぎゅっと握ります。
「プリシラ嬢、以前時戻りの話をしたのを覚えてるかい?」
クロード様の言葉に私はコクコクと頷きました。
「実は、私は時戻りした様なんだ……。」
私とアロン様はとても驚いた顔をしました。アロン様は多分普通にびっくりされたのでしょう。私は同じ境遇の方がいらっしゃる事に驚いたのです。以前のお話から薄々感じていた事がこれで確信に変わりました。
「……私も実は……。」
「やっぱり……。」
クロード様は少し安心なさったみたいで、ホッとした顔をしました。
「君が婚約を渋っている事を聞いた時から、そうじゃないかと思ってたんだ。」
それからクロード様は一通り私が死んだ後の事を教えて下さいました。プラドネル伯爵家が侯爵位を貰って専横した事、それを調べていたクロード様が毒殺されてしまった事、気付いたらここに戻っていた事……。私と同じ嘘のようなホントの出来事に戸惑っていた事……。
クロード様も大変な思いをされたのですね……。アロン様も真剣に聞いています。
「プリシラ嬢……。」
クロード様が痛々しい顔で私を見ました。
「はい、私も塔から落ちて気付いたらここに戻っていました……。クロード様と同じですね。」
私もクロード様を見つめました。隣でアロン様がもっと驚いて目を丸くしています。
「私は……。私はもう二度とあんな……、苦しい思いはしたくないのですわ……。そして家族にも苦しい思いはして欲しくないのです。」
私は俯いて膝の上の両手を組み合わせてぎゅっと握りました。ポロリと頬を伝って涙が零れました。
「プリシラ嬢……。私も同じ気持ちだ……。もう二度と、あんな事にならない様……、あんな事繰り返しちゃいけないんだ……。」
クロード様が慰めるように私の手の上にご自分のソレを重ねました。
「だから……、お互いに協力できないだろうか?」
私はハッとクロード様を見上げます。
「一人じゃ難しいけど、二人ならもう少し上手くやれるかもしれない……。」
「三人ですよ。」
アロン様が苦笑しながら仰いました。
「そんな話を聞いて、僕も黙っちゃ居られないよ。」
クロードに死なれちゃ困るからね。とアロン様は仰いました。
「……にしても、プラドネル伯爵家は許せないな……。」
アロン様が怖い顔をなさってます。
「プラドネル伯爵単独では無理だろうよ。」
クロード様が苦笑します。
「先に潰しとくか?」
「いや、どうせならそれに連なる者達もどうにかしたいな。」
「協力者がいるって訳か……。」
「恐らく……。前の時間軸ではそこまでは調べられなかった。」
お二人の表情がとても険しくなりました。
「とにかく、事が起こるのは5年後だ。それ迄に色々調べて準備しようじゃないか。その為にも二人に協力を頼みたい。」
私とアロン様はコクコクと頷きました。頼もしい味方の出現に私は少しホッとしました。正直一人で頑張れるかとても不安だったのです。
「ありがとうございます。クロード様、アロン様……。」
私の言葉にお二人の表情が少し和らぎました。
「お互いの為だよ。」
クロード様が優しく仰います。
「でも、その為にはプリシラ嬢には囮になって貰わないといけない……、辛いことだと承知してるが……。」
クロード様が苦しそうな顔をしました。そうですね。ベルナール様と婚約して、あの人たちを引っ張り出さないとなりませんものね……。嫌ですけど、仕方ありません……。それに婚約はあちらが乗り気なので何時までも拒めるものでも無さそうです。
「君が辛さを軽減できるように王城に来た際は私やアロンも顔を出す様にする。婚約も、あくまでも候補と言う感じで重圧にならないよう、私からも父に働きかける事にしよう。」
「ありがとうございます。」
「僕も協力するよ。」
お二人の言葉に私は涙が止まりませんでした。ひとりじゃないと言う事がこんなにも心強いなんて……。
「私、頑張ります……。」
「無理はしない様にね。」
アロン様の言葉に私は頷きました。
「あぁ、信じる信じないは別として、君の父君には事情を説明して巻き込んだ方が良いかもしれない。婚約をきっと有利に導いてくれるはずだ。」
「夢のお告げとか、そんな風に誤魔化してもいいかもな。」
頼もしいお二人の言葉に私はやっと前に進めたと感じることが出来ました。
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