王城にて……(ガシアン侯爵視点)
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「うーむ、けしからん!」
私は執務室でガリガリと頭を掻いた。昨夜の娘の話は大変ショッキングだった。天使のように愛らしい娘プリシラが、第二王子との婚約誓約書にサインしようとした時から急に体調を崩し、子供らしい笑顔が消えた感じがしていたのだが、まさか時戻りしていたとは……。しかも、その原因が、第二王子との婚約にあるという……。
婚約したばかりに、裏切られ、貶められ、不遇の内に亡くなるとか……、第二王子め、私のプリシラになんという仕打ちを……。
そんな話を聞いて喜んで娘を差し出す親など何処にいるものか……。そんな婚約なら、こちらからお断りだ。
だが、残念ながら上司からの命令は断るのは難しい……。この話は王妃様たっての願いで陛下は私と王妃様の板挟みで苦い思いをしている事だろう。自分の息子の事でもある訳だから、出来れば婚約させたいと言う気持ちもあると思われる。先程宰相が陛下に呼ばれて出て行ったが、この事も話題に登るのだろう。
全く忌々しい事だ。なんとか娘を助ける方法を考えねばなるまい。例え第二王子と婚約する事になっても、娘が苦しまぬ様に今から色々対策を練らなければ……。プラドネル伯爵……、どのような人物なのかしっかり見極めねばなるまい。
私が考えていると、ドアが開き入ってきたのはクロード殿下だった。
「失礼する。」
殿下の言葉に私は椅子から立ち上がって深深と頭を下げた。何故こんな所に殿下が……?グランツに用事なのか?
「宰相は陛下の所にいるはずですが……。」
私が答えると、殿下は私をじっと見つめた。病弱と聞いていたが、そんな様子はあまり感じられない。とても利発そうなイメージを受ける。
「ガシアン侯爵、昨日プリシラ嬢から何か聞きましたか?」
なに?何故殿下がプリシラの事を言うのだろう……?しかも、昨日とか……?
「フフ……、毎晩今日の出来事を教えて貰ってます。」
私が誤魔化す様に答えると、殿下は私を見透かすような目で見ていた。
「ベルナールとの婚約の件で、何か話したのかと思って……。」
実は……、と殿下は昨日プリシラに会いに屋敷へ来た事を話始めたのだった。そして、驚く事に殿下も時戻りしていると言う。プリシラと協力して最悪の事態をなんとか変えたいと考えている事を話されたのだ。
「だから、ガシアン侯爵、私に力を貸してください。」
殿下は私を見つめて言った。その顔はとても真剣で、私の胸を射った。
「承知致しました……。」
私が頭を下げると、殿下はちょっとホッとしたように口許を緩めた。
「侯爵が解る方で良かった。プリシラ嬢も心強い事でしょう。」
殿下はそう言うと、では、と部屋から出て行った。私は椅子に座ると大きく息を吐いた。
-クロード殿下との婚約ならこんなに考える事もなかったろうに-
私はふと思ってしまった。しかし、ただでさえ殿下の方には宰相が付いてる為、我が家と結び付けば尚更力が強くなり、派閥の均衡を失ってしまう。バランスを取る為の婚約なのだから、そこは言っても詮無い事なのだろう……。全く厄介な事だ。派閥のだの出世争いだのそういうしがらみが嫌で中立の立場にいた筈なのに、今回はそれが裏目に出てしまった。本当に生きにくい世界である。
私は溜息を吐いた。
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