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今日から学校と仕事、始まります。②莞

牛丼と卵

作者: 孤独

「いらっしゃいませー」


昼時が忙しい牛丼チェーン店。汗を流し、頭を回し、カロリー消費。補うためにも昼飯は大事だ。


…………ホントに、昼飯をとらせてくれませんか(現実)。

昼飯よりコストカットをされている社畜達もいるものだ。


「5卓様、並、卵いっちょー」

「お会計。594円になります。レシートご利用でしょうか?次回から使えるサイドメニューの割引券をどうぞー」


厨房に2人、案内やら片付けやらレジやら3人。計5名でお店の繁忙時を凌いでいる。

あと10数分すれば、一気に客は減って落ち着きをみせる。

そんなときである。


「2卓様、並いっちょー」

「6卓様、並のAセットー」

「割引が入って、会計が683円となります。カードですね」


なんでそーいう人がいるのか分からないが、なんででしょうね?


「おい」

「はい。なんですか?」


バイトの川中が注文を受ける。……と思ったら、牛丼の並で受けている2卓様だった。とはいえ、追加注文だろう。


「卵」

「分かりました。2卓様、卵追加ー」

「違う」

「はい?」

「卵をつけろ」


混んでいるため、空気の変化に周りは気付けていないし。その言葉に卵の追加注文としか分からず、


「分かりました」


そりゃあそうだと。一般的な解釈で話を進めてしまう。

厨房が牛丼を作り、別皿で卵を乗せ、領収書を添え、川中が2卓様に運ぶ。


「お待たせしましたー。並と卵でーす。ごゆっくりどうぞ」

「……おい。なんで卵の料金入ってんだ?」

「え?」


自分が受けたお客様。牛丼の並と追加注文で卵でお間違いない。それは間違いじゃない。

客の言い分は


「そのサイドメニューの割引2枚使うから、料金から消せよ」

「それはお会計の時に致しますので」

「だ・か・ら!!分からねぇの!?2枚使って卵分になるから、これは牛丼並分の料金にしろって言ってんだよ!」


何言ってんだこいつ……。


「後で払う!」


卵一つ100円なのに、なんなんだこいつ。

当たり前だが、そんなことなるわけがない。川中が少々困っていたところに先輩が助け船。


「お会計の時でいいですか?サイドメニューの割引は会計の時に、こちらがご確認しますので」

「ああっ!?」


そう言って男は怒りながら、牛丼と卵にありつく。

割引されているかどうかは会計の時にしかできない。こいつが会計行ったとき、揉めるかもなーって思っていると案の定だ。


「はい」


牛丼の並分しか払わない。


「あの、サイドメニューの割引券は?」

「そこに積まれてるの2枚使う」

「これ次回から使えるんですけど」

「前借りもわかんねぇのかよ!?なぁ!!」


100円ぐらい払えよ。

そう心に思っているところにまた先輩が助け船で、会計を代わる。


「1度の会計に割引券1枚なんで。卵を無料の場合、牛丼の並、3杯分の料金が必要になりますけど?それでも揉めたら……」



先輩が凄んで会計に入って来る。

次の反論は、警察沙汰にするという表情。たかが100円程度のこと。


「ふんっ」


仕方なく、100円を払う男。警察などを呼ばれるのは嫌らしい。

ムカつく態度のまま、男は店を出ていく。


「あ、割引券忘れてる」

「今度は忘れたけど、割引しろとか言ってきそうね」


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