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立野くんの通う大学の文化祭の季節になりました。

院生は出店をやってもやらなくてもいいのですが、同じ学科の大学一年生たちが応援要請してきました。

「なんの店するの?」

「昼間は団子屋、夜は居酒屋。大学周辺に住んでる人の家の台所貸していただきたくて」

立野くんのアパートは大学の目と鼻の先です。

「ぜひ立野さんに協力していただきたいんですが!」

「ちょっと、家に誰か上げる訳にいかないから、言ってもらえれば準備の手伝いの料理、一人でやるよ」

これは!

学生たちの目がきらめきました。

「彼女さんがいらっしゃるんですね!!」

「そーゆーわけでは…」

「わかります、わかります」

ばんばん!

立野くんは背中を嫌というほど叩かれました。

みんな、若いなああ!

思わず立野くんはため息をつきました。


「ゆで卵20個」

「そんなに食べるんですか?」

「大学祭の夜のおでんに入れるんだよ」

ミドリちゃんが長いまつげをひらひらさせながら、ゆで卵の火の番をやってくれました。

「あっ!皿洗いのバイト行ってくる」

「お気をつけて」

こんこん。

「はい?」

「すいません!ゆで卵取りにきました」

「ああ、はい」

ミドリちゃんはドアのカギを開けました。

「えっ!ウソ!」

学生が3人。ミドリちゃんを見てびっくりしています。

「鍋がまだ熱いですが、卵のカラ剥いていかれますか?」

「はっはい!」

「三十分茹でましたから固ゆで卵になってると思いますが…」

「オッケ。オッケーです!」

水道の水で冷やしながらみんなでカラを剥いてさっさと終わってしまいました。

「明日のステージ頑張ってください!」

学生がミドリちゃんに握手を求めました。

「明日のステージ?」

「シークレットゲストなんでしょ?」

「ええと…」

なにか勘違いが?

学生たちは意気揚々と卵を持って大学へ帰って行きました。

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