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ガチで水稲栽培しようぜ!! (育苗から田んぼつくり編)

作者: 土門 水


現代農法とは違ったことや古いことを書いています。どうやったら中世ファンタジー世界に近代稲作を持ち込めるか、形に出来るか考察した結果です。


1、育苗

 稲が出芽を始めると、あっという間に田植えを迎える。そのため、圃場管理が重要になってくるが、その前に田植え期までの育苗をざっと解説する。

 育苗法の利点は寒冷地では生育期間が短いため、その短縮のためという側面や何と言っても、均一な苗を作り、一斉に収穫期を迎えることができることである。昔の技術だと直播ではそれが難しいため、この育苗法が採られたのである。

 しかし、この時期の難しいところは温度管理である。

 転生者の大部分は、北欧のような寒冷地に飛ばされると推測するが、その場合、霜があるのでかなり温度管理には気を付けなくてはならない。また、出芽には30℃ぐらいの温度が必要なため、温度をどのように確保するのが課題になる。そのため、露地での温度が確保できない場合、ビニールや前述の障子式ハウスが無ければ、育苗式は諦め一か八かの直播を推奨する。また、温度確保のため苗代に電熱線を引く方法や折衷苗代であれば温湯法もあるが燃料を使うし、魔法があるなら、是非、育苗の温度管理を行ってほしいところである。

 だが、温度や湿度も高すぎても立枯病が起こるため、適温は20℃~25℃夜でも15℃ぐらいを考えてほしい。

 

 基本的に苗の成長は出芽→緑化期→硬化期→田植という段階に分かれている。寒冷地での話なので、成苗(五枚葉)まで育てるとすると、一か月ぐらいかかると予想できる。ちなみにそれ以降の生育すると老化苗(簡単に言うとロリババァ)になるので注意!!

 また硬化期(苗が苗らしく緑になった後。色々な苗の種類があるので、経験で掴んでくれ!! )までの期間、直射日光はさける必要があるため、基本的には障子を開けず、なった後はできるだけ日光を与えてほしい。

2、霜 

 外気温が5℃以下になると、霜が発生し、農作物の霜害が起こるため対策が必要になる。発生はだいたい風が強くなくて、良く晴れた日の夜に起こる。

 対策としては、田植えが終わっているならば深水で対応し、育苗期であれば、苗代の四つ角に焚火(昔は煙も出るので、タイヤを燃やしていた)して、空気の循環を促すことが重要である。徹夜の作業になるので十分心がけるように……。


3、圃場、田植え準備

田植えする圃場について説明をしていきたい。

まず、田んぼの状態であるが湿田ではなく乾田を採用する。

これは湿田の場合、収量や害虫対策のための中干しができないこと、転作ができないこと、そしてプラウで耕起できないからである。(正確にはプラウ耕自体はできるが、車輪が泥濘にはまったりぬかるんで持ち上げなければならなかったりして、非常に大変である)

乾田ならばその辺は問題ないと言えるが、土壌の場合により暗渠をしなければならず、こうなってくると非常に大きい土木工事を必要とする。


…まあ、乾田があったとしようか。


 積雪がある場合、圃場の状態は融雪の影響で水を含み抜かるんだ状態である。そのためプラウが入るためには、水抜が必要となる。水抜方法は水抜用水路を造ることを第一として、前年の秋からあらかじめ造ると水が抜きやすい。第二に明渠の利用である。今日の基盤整備された田畑には整然と整備され、一般には排水路として認識されているが、あれは明渠の効果があるものであり、単純な排水のほかに地下水脈の分断、地下水の低下させ、上水としても利用がされている。

 暗渠よりは簡単で土を掘れば出来ることだが、土留方法を確立していないのに、傾斜角度がいい加減な水路を造ると、すぐ壊れるしどこでもそうだが、こまめな保守が必要である。

 第三に暗渠である。これは湿田改良にも非常に有効な手段だが、大変な作業なため、人力でやるには苦労することだろう。コルゲート管がないならば、素焼土管と透水性のあるもの(例えば、腐りにくい籾殻)を地下約50cmに築いた溝に設置して行かなければならない。しかも延々とである。…魔法があればいいのだが

ちなみに上水は色々とあるし、知名度があるのでここでは語らないでおく。

田んぼつくりの前には土堀、土揚をさんざん行わなければなりません。

次回は本格的に田んぼつくりに入って行きます。

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