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初めての競輪場

 


 大垣競輪場のバンクは、一周400メートルあり、333メートルバンクや500メートルバンクも日本各地にある。

250メートルのバンクもあるが主に世界戦などで使われている。

単走路になるにつれてバンクがすり鉢状になっていく。


 オーダーメイドのピストレーサーが完成し、日曜日に競輪場で練習することになった。競輪場を使うには、愛交会(サイクルスポーツクラブ)に入らなければならない。競輪が開催してる日と前検日は、使えない。


 日曜日に、セイラパパに競輪場へ運んでもらった。


 朝7時30分大垣競輪場に着きワゴン車から降りると他校の生徒がきびきびと動き、自転車を組み立てていた。その中に山田勇也の姿があった。


「マリア、どこからバンクに入るか解る?」


「ぜんぜん解んない」


 顧問としての仕事もしないうえに、私達に同化している。


 私達もピストバイクを組み立てて様子を見ていた。他校の生徒が自転車を組み立て終わると移動を始め、その後についていくことにした。


 裏の通路を通り、敢闘門近くのちょっとした広場に出た。


 おっ、競輪選手がレースの時出て来るとこだぁと、一人で興奮していた。


 他校の生徒が、ヘルメットを被り一礼し、お願いしますと大きな声を出し次々とバンクに入っていった。


「すごいなぁーあんなに間隔も開けずに走ってるけどハウスしないのかな」


 ハウスとは、自分の自転車の前輪もしくは、後輪が相手の後輪、前輪に接触しないこと。


 私達は、ぼけーっと、他校の練習を見ているだけだった。マリアは、腕組みをし何かしら考えてる用に見えた。


「これは、監督が必要ね」


「最初の日に監督かコーチ居ないか聞いたでしょ」


「可愛さだけでは、クリア出来ない壁もあるのね」


 だが、このまま見てるだけで終わると思っていた矢先、天使の囁きが聞こえた。


 パイプ椅子に座り足を組んでいる初老の男性が私達に話しかけてきたのだ。


「そちらの監督かコーチは? 」


 山田の学校の監督が聞いてきた。


「えーと、まだ来てません」


 マリアは、堂々と部員のふりをして答えた。


「困ったな」


 私もマリアに困ってるんですよ、心のなかで叫んだ。


「君たち、バンクは初めて?」


 この展開は、まさか!?


「はい、初めてです」


「仕方ない、一緒に周回練習しようか」


 その言葉を聞いた瞬間、神様は、居るんだと心のそこから思った。


 敢闘門から、バンクに入る。この時、お願いしますと一礼し、左方向から、自転車が来てないかをしっかりと確認してからバンクに入るのが基本である。


 私達三人は、ヘルメットを被りしっかりと左方向を確認して自転車を進めた。まずは、内側を走りながらレーサーシューズが外れないようにクリップバンドを締めて足を固定する。準備が整ったら後方を確認して白線のなかを走る。


 私は、後方を確認してスピードを上げながら白線のなかに入った。


 凄い、バンクがこんなにも軽いとは驚きだ。街道のアスファルトで舗装された道とは比較になら無い。


 バンク中段では、犬垣高校の生徒が3人一組で周回をしていく。私達のすぐ頭の上を通過していくのが少し怖かった。


 私達は、間隔を空けながら周回練習を重ねていった。


 三十周が終わり、降りるように言われ、

 敢闘門で、ありがとうございましたと、一礼し、監督にもお礼を言った。


 物足りない、もっと走っていたかった。

 まぁ、他校の練習を見るのも練習のうちなので、我慢である。


「最初コーナーに入るとき、壁が迫ってくる感じで怖かったわ」


「ですねー」


「監督が必須になりましたね」


「わかったは、監督要請しておくから」


 マリアにも、監督の必要性が、わかってもらえた。












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