お泊まり会
今日は、恒例の二人だけのお泊まり会だ。お泊まり会にはルールがある。
できるだけ、相手がたの迷惑にならない
ようにご飯と、お風呂は済ましていくこと。
今回は、セイラが我が家に来る日だ。
早めにお風呂に入り、のんびりとお風呂に浸かって練習の疲れをとっていると
お父さんが、早く出ろと急かしてきた。
うっとうしいなぁーと思いながらいつもの事なので聞き流していた。
「早くしないとセイラちゃんが来ちゃうじゃないか、お父さんの楽しみを奪わないでくれ…」
一般常識ではあり得ない 悲痛な叫びがドア越しから聞こえてくる。それでも私は、無視を続けた。
「そんなに長いこと綺麗にどこを洗ってるんだ」
今度は精神攻撃を使ってきた。この攻撃には、流石の私でも動揺してしまったが、無視で対応し乗りきった。
こんな親居るのかなと、考えてると、また次の攻撃を仕掛けてきた。
「のぼせて倒れてないか? ドアを開けるぞ」と、実力行使にでてきた。
いくら私でも3連続コンボには耐えれない。仕方ないので実力行使される前に、
「わかったから」と言うと磨りガラスに写っていたお父さんの影が消えた。
脱衣場で体を拭いてパジャマを着て頭にバスタオルを巻き、ドアを開けるとお父さんが真っ裸で仁王立ちして待っていた。視線は自然と下を見てしまう。
「お、蛍、今見ただろ」
私の肩を叩きお風呂に入っていった。
このド変態め!
そんなことも気にせず冷蔵庫から麦茶を取りだしコップに注いで 一気に飲み干した。お風呂上がりのキンキンに冷えた麦茶は、最高だ。
階段を上がり自分の部屋へ行きドライヤーで髪を乾かしていると「ピンポン」とチャイムが鳴った。
セイラが来た。
あっちの趣味は無いがテンションが上がる。ドライヤーを一旦切り、化粧水を手に着けて顔に浸透させた。
「こんばんは おじゃまします」
「セイラちゃん いらっしゃい」と、お父さんの声が聞こえた。
時間的にカラスの行水。あわてて 出て来たのが目に写るようにわかる。お父さんの楽しみだと言うセイラとのやり取りを聞きながら化粧水を浸透させていく。
大きな笑い声が聞こえてからセイラが階段を上る足音がして、またドライヤーのスイッチを入れて髪を乾かした。
部屋のドアが開きセイラが入ってきた。
セイラの白色のパジャマ姿を見るとぞくぞくする。私にもお父さんの態DNAが
しっかりと刻み込まれているようだ。
「おじさん 面白いね」
「セイラのお父さんもね」
「頭に泡着けたままだった」
そこまでは私にも目にうかばなかった…。
いつものようにトラック競技に使う自転車のカタログを見たり、レーサーシューズの底板は、木派かなどで議論をし時間があっという間に過ぎて行った。
セイラが眠そうだったので私からそろそろ寝ようかと提案し二人でベッドに潜り込んだ。
ベッドに入り、いつもと同じ様にセイラの香りを胸一杯に吸い込んだ。セイラの匂いを嗅ぐと安心する。変態では無いが、落ち着くのだ。生まれたときから一緒に育ってきたので当然と言えば当然である。
私は、今の練習じゃ強くなれないと入部してから思っていたことをセイラに聞いてもらおうと思っていた。
「ねぇ、セイラ。こんな練習量だと、力がつかないね」
「……。」
「あれ、寝ちゃった?」
「…………。」
返事をしないので、セイラの胸を右手で鷲掴みにした。
微動だにしない……。
せっかく聞いてもらおうと思ってたのにがっりである。
「セイラ、寝るの早いよぉー」と、鷲掴みにした手を左右に震わせる。
それにしても、柔らかくて、大きな胸だ。なに食べたらこんなに大きくなるのか疑問になった。
そんなことを考えていると、急にセイラがリアル世界へ舞い戻ってきた。
「起きてる、起きてる」と、お父さんがテレビを見ながら居眠りし、テレビを消すと見てた、見てたと言うように。
「完全に寝てたよ」
寝息までたてていたのに起きてたんか。
「マリアさんに相談しなくて大丈夫かな?」
「自主練だし、大丈夫だよ」
「青春とか友情、友達同士とかこだわってたけど」
「マリアも、教師の仕事もあるから朝は、休んでた方がいいと思う。最近は、伝家の宝刀の小テスト作戦も使いまくってるから相当疲れてるに違いないよ」
「そうねぇ、じゃあ、月曜日から池田山で始めましょうか」
二人で納得し、眠りについた。
練習量が足りないので、池田山で朝練をすることにした。