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ネトゲの中のリアル  作者: 海蛇
4章.ギルド活動!(主人公視点:ドク)

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#6-1.コーラル村襲撃イベント開始

 モンスターの襲撃は突然の事ではあったものの、予め警戒していたのが効いたらしく、次々に村の各地から襲撃の起きた地域へ駆けつけていく姿が見えた。

俺とドロシーはそんな連中とは逆の方向、村の中心にあった宿へと戻る。


「ドクさん、戻ってきたか」

「探しましたよマスター! 合流できてよかったです!」

一浪達は既に戦闘準備を終えており、各々武器を持ちながら俺達を待ってくれていた。

「よし……そんじゃ、俺達も暴れるか! 何が出るか解らんが、どうにも北の方に敵が集まってるらし――」


「今度は西からモンスターが来てるぞ!! すごい数だっ!!」

「東からもきてる!!」

「南から空を飛んでるモンスターも来たわっ! 魔法使いさんか弓使いさんっ、はやくはやくっ!!」


「……」

「同時多方面からの襲撃、と見てよさそうですね?」

あんぐりとしていると、ドロシーが横から説明をかっさらっていく。

「ああ、うん、そうだな……」

面倒くさくなったのでドロシーに任せることにする。

「提案ですが、戦力をある程度分けて、各方面同時にお手伝いしてはどうでしょうか? このメンバー全員で一箇所に、というのは心強くはありますが、それで他の場所が突破されては元も子もないですし……」

「私達はともかく、他の人は下位職がほとんどだったものねぇ」

「上手くフォローして、被害を減らしてやらないとな」

ドロシーの提案に、黒猫のメンバー達がうんうんと頷く。

まあ、俺も概ねその辺りは賛成だったので流れに任せた。


「じゃあ、どういうメンバーで行くんだい?」

一浪がまず、振り分けの配分を問うてくる。

「俺と一浪は一人でもなんとかなるだろうから、北と西は請け負おう。そっちは?」

「こっちもブルーノと崋山に任せましょう。ブルーノは東、崋山は南で」

「了解」

「任せてくださいな」

一人一方向、という形に決まったらしい。

まあ、一浪以外は上位職だし、一浪もそれなりにしぶといし、問題ないだろう。

「マスター、私は……?」

残されたモンクの茜が、ドロシーをじ、と、下から見つめる。

「茜には私の護衛をしてもらうわ。私は中央で負傷者の手当てや奇跡のかけなおしをしますから、皆さんは支援切れを起こした人や怪我をした人は宿に戻るように伝えてください」

「ふむ……じゃ、当面の動きはそれで決まりだな。んじゃ、ドロシー。ばらける前に一度、支援頼むわ」

「解りました――」

役割分担はこれにて完了。後は――支援を貰って暴れるだけだった。


『私の愛する隣人たちに、女神の奇跡を与えたまえ――グロリアス・エンゲージ!』


 胸元で手を組み、眼を閉じて祈りを捧げるドロシー。

次第に俺達の足元からキラキラとした光の粉のようなものが舞い上がっていき――全身を清めてゆく。

広範囲に対しての身体能力ブースト。見た目こそ変わらないが、身体は大分軽くなったように感じる。


『天空より舞い降りし天使よ、私の愛する隣人らに、聖なる加護を与えたまえ――ディバイン!』


 手に持った聖水を頭上に撒きながら、破邪の効果を持つ属性付与の奇跡を発動させる。

空へと舞った聖水は、やがて俺達の頭上から武器や防具へと小さな雫となって振りまかれ、強化される。


「……どうぞ。どうか御武運を」

緊張気味に微笑むドロシーに、皆してニィ、と笑い、無言のまま駆け出した。



 俺の担当は北だ。

一番最初に襲撃が発生した地域らしく、途中で怪我をしたのか戻ってきた奴に話を聞くに『とんでもなく数が多い』らしい。

久々に腕が鳴る場面が来たか、と、釘バットを肩に、うきうきしながら『戦場』へと駆けつけたのだが――


「うおりゃーっ」

『ぴぎーっ』

「くたばれー!!」

『みぎゃーっ!!』


――見事に弱いモンスターしかいやしねぇ。

大半が動物系。それもマジックラビットだの芋猫だのの初心者~初級者向けの奴ばっか。

確かに数は半端なく多いが、烏合の衆という言葉がぴたりと当てはまるザコモンスターっぷりだ。

 

「くそっ、また来るぞ、ウォーターボールだっ」

「うぎゃーっ」


 対して、それに応戦しているプレイヤー達も、サクヤが苦笑いしそうなレベルでしょっぱい奴らばかりだ。

ウォーターボールをまともに喰らって吹っ飛ばされたり、芋猫の体当たりで気絶したりと何かと情けない。


「おいっ、あっちでレンジャーさんが怪我しちまったって!」

「ヒーラーさん早く!」


 負傷者と聞けば非戦闘職のヒーラーに最前線に向かわせようとしたり。


「くそっ、俺の力を見せてやる、くらえぇぇぇぇぇっ!!」


 回避がウリの剣士の癖に自ら回避できなくなるレベルのモンハウに突っ込んで行ったり。


「あっ、こら! このモンスターは俺の獲物だぞ! 横殴りすんな!!」

「危なそうだから手伝ってやったんだろ!!」


 有事だというのに売り言葉に買い言葉の喧嘩をおっぱじめたり。


――なんなんだこれは。えむえむおー幼稚園でも開いたのか。俺は幼稚園の先生にでもなったのか。

嫌な汗が止まらない。まさにというか、まんま、初心者の中に一人ぶち込まれた気分だ。

「……めんどくせぇ」

俺はこれからこいつらの面倒を見ることになるらしい。

いや、別に誰に頼まれた訳でもない。命じられた訳でもない。

あくまで手伝うのは俺の自由意志だ。好きでやってる事なんだ。それは解ってるのだが。

解ってるのだが、ため息が止まらない。


「――っよし、いくぞお前らぁぁぁぁっ!!」


……だが。

これがゲームだというなら、それもいいだろう。

不安で一杯だが、ある意味新鮮な感覚だ。

周りの奴らの視線が俺に一気に集まるが、別に恥ずかしくはない。

見られるのは慣れていた(・・・・・)


-Tips-

ヒーラー(職業)

聖職者系下位職の一つ。呼び名などは特にない。

白系の修道服を基調にした衣服を身に纏い、男も女も清廉さを感じさせるたたずまいをカラーとしている。


聖職者系の基本として、教会でのお祈りの回数と質によってその支援能力の効果や発動速度が変わる為、ライフスタイルには一定の縛りが生まれやすい。

また、同じ聖職者系の下位職である『アコライト』と比べ武器等を一切持つことが出来ず、扱える奇跡も限られているが、その職が示す名の通りヒーリングという低コストかつ非常に汎用性の高い治癒の奇跡を扱えるため、冒険・防衛・日常生活などあらゆる場面で人々の役に立つことが出来る職業である。


上記の通り基本的に戦う事の出来ない職である為、非戦闘職であると位置づけられ、後方や安全地帯での支援活動が主となる。

聖職者とは言っても他の聖職者系と異なりアンデッドに強い訳でもないため、冒険者としてはペア以上の人数によるPT狩りが基本のスタイルとなる。


上位職として『プリースト/プリエステス』『バトルプリースト/バトルプリエステス』がある。

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