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【第42話】本土再上陸

8000PVを超えてからもたくさんの読者様の目に留まっているようで、感謝しかありません。

まだまだがんばります。

2016年1月4日 誤字修正。

 正月を楽しく過ごし、二泊の予定が一週間もこの宿に居付いてしまった。

 俺たちが貴族だと聞き、たいそう慌てた宿の主人たちだったがその後もあれやこれやと言葉を交わしたり異世界料理を俺が厨房に立って振る舞ったりしたお蔭で、くだけた暖かい雰囲気になり機嫌よく過ごすことができた。

 出立の日も宿のみんなが見送りに出てくれ、お互いに手を振り合って別れることができた。

 ご主人がほかの貴族に同じことをしやしないかだけが気がかりだ。


 道なりに南東へ進み、タンロジマを跨いで掛けられた大通りを抜け、ミョウセキ海峡大橋を渡り再び本土へと戻ってきた。

 日本の神戸に当たるこの場所は風光明媚な港町で、商船や貨物船の多くが集まる非武装港湾地区となっている。

 ここから大阪に当たるダイハンと言う土地までは海軍が近づかない港湾地区となっており、哨戒任務の駆逐艦などは通りすがるが、補給や停泊はできないことになっているらしい。

 外国人も多く、洋風の造りの家屋も多いことからちょっと日本とは違う雰囲気が楽しめる。

 住宅地も広範囲にわたって広がっており、ちょっと野宿はし難い街だった。

 仕方なく宿を取ることになったのだが、明日は早々にダイハンまで抜けてしまおうという事になった。やはり、野宿も旅の財布には必要な節約術ではあるし、みんなで作るご飯もなかなかいいものだと思うのだ。

 異人街とか外人通りとか名前の付いた洒落た通りが多くあり、日が落ちても明るく照らし出された繁華街もたくさんあって、夜の街に繰り出すのも楽しそうだった。

 宿で夕食を取らずに俺たちは全員で街へとでかけ、和食とは違う食文化を堪能する。

 オシャレな小物や外国から輸入された雑貨を扱うお店では女性陣が財布の紐を解き放っていた。フィアもみんなと楽しそうにしており、店の外で時間を潰している男衆とは違った時間を楽しんでいたようだ。

 気が付いた時にはシゲさんが見当たらず、大人の時間を探しに行ったのだとキヨシゲさんに聞いた。

 ショッピングに多大な時間を要した女性陣がお店から出てくると、残った男たちを伴って更なるショッピングに出陣していかれた。

 「じゃぁ、ごゆっくり~」

 「あまり遅くならないでよ。」

 なんて言葉を残してフィアと俺を置いていってしまった。

 嵐が去ったような静けさが訪れ、街の喧騒けんそうが再びボリュームを増していく。

 「フィア、俺たちも歩こうか。」

 紙の包みを持ったフィアに手を差し出すと、その手を取って嬉しそうに微笑む。

 始終ニコニコのフィアと手をつなぎ、雰囲気のある街並みを眺めながら歩く。

 「フィアは何か気に入ったものがあったの?」

 「はい、香りのついたオイルとソウタさんと私の着るものを掛けておくハンガーを見つけたんです。馬車の中にオイルを置くだけで香りが楽しめると思います。

 お揃いのハンガーを買ったので上着なんかを掛けておくのにいいかもしれません。」

 思ったより堅実な買い物でちょっと笑ってしまったら、フィアに怒られた。

 もう一つ買わないかと提案し、歩いていた先にあったドライフラワーのお店に入る。

 オイルがオレンジの香りのついたものだというので、柑橘系の香りに合いそうな柚子や金柑きんかんの実ごとドライフラワーにしたモノを購入した。

 紙袋とドライフラワーを包んだ包装紙を俺が持ち、高台へと寄り道をした。

 街を一望できるこの高台は共同墓地のようで、人気はないのだが街灯も整備されており、寂しくはないようだ。

 「この街は他のところとはずいぶん違うんですね。見たことのない建物や、違う国の人たちが大勢いらっしゃって神国ではないみたいです。」

 「うん、本当に違う国に来たみたいだね。」

 「ソウタさんは向こうの世界でも・・・ええと、日本でしたっけ?それ以外の国にお出かけになったことはあるんですか?」

 「ああ、仕事でベトナムには何回かいったなぁ。日本と仲の良い国でさ、みんな親切にしてくれるんだ。でも、俺、英語とか苦手でさ。空港とかで随分苦労したもんさ。」

 「空港とは何でしょう?」

 「あっちの世界では他の国に行くには主に飛行機を使うんだよ。ゴに居た時にみんなで作った昂暉こうきは戦闘機だったから一人しか乗れないけどさ、旅するために作られた飛行機は300人が乗れたりとか大きい飛行機が世界中を飛んでいたんだよ。

 大きいからどこにでも降りられないだろ?決まった場所に大きな滑走路があって、そこに世界中から飛行機が飛んでくる。お客さんが乗り降りしてまた、世界中に飛んでいくんだ。そこが空港って場所でね。すっごい広いんだよ。」

 「ベトナムって?遠くですか、近い国なんですか?」

 「こっちの世界では越比ってあるでしょ?あそこがベトナムだよ。って、どうしたんだ?えらく向こうに興味があるんだな。」

 「いえ、向こうと言うより私の知らないソウタさんのことが知りたかったんです。」

 「ふん?」

 「ソウタさんはこちらの生まれではありません。私たちと違う世界で生きてらして見聞きするモノがきっと大きく違ったはずです。

 それがどんなものだったかも知りたいなって思ったので、聞いてみました。

 帰りたいと思うことはないんですか?」

 「う~ん、フィアが俺のベットに潜り込んだ最初の晩までは帰りたいって思ってた。帰る方法も真剣に探していたさ。

 でもね、フィアと今の関係になってからはそう言うのは考えなくなった。

 というより、必要なくなった。が、正解かな。」

 「え?私ですか?」

 「ああ、責任と言うか大事なものは何か?ってことだと思うんだよ。大事だと思う事や人がいるところが大事な場所で、それは向こうじゃないんだ。フィアのいるところが俺の大事な場所だよ。

 それがフィアがベットにやって来た日だったんだ。そこから俺の大事な場所があっちからこっちに変わった。俺が手放しちゃいけない人がいるのはここで、向こうにはそんな人も大切なものもないんだよ。

 今にして思うとなんであんなに帰りたかったのかも判んないしな。」

 「あの、本当に向こうに帰ったりしませんか?私の前からいなくなったりしませんか?

 トサンのあのお家で一緒に暮らしてくれますか?」

 「フィア、その質問のどれもこれも前に答えたよな。向こうにはフィアを置いて帰らない。フィアの前からいなくならない。トサンに帰ったらフィアの家で暮らす。嘘はつかないし、全部俺にとって大事なことだ。もう心配するのはやめてくれ。」

 「はい!」

 花の咲くような笑顔を見せてくれる。

 「っ!」

 「何人かいますね。囲まれてますか?」

 「こういうのは久しぶりだな。」

 「ええ、誰でしょうね。」

 じりじりと包囲が狭まってくるようだ。

 ヒュン!

 空気を切る音と同時にクナイが二本。

 「エアシールド!」フィアが叫ぶと同時に圧縮された空気の壁が俺たちの前に立ちはだかる。

 クナイが空気の壁に突き刺さって止まる。

 クナイを投げたのは正面の二人。

 左右にも何人かいるようだが密集しているせいか正確な人数が分かりづらい。

 エアシールドが解除されると同時に再びクナイが飛んでくる。

 幼稚な手腕にイライラする。

 「エアシールド!何度やっても同じです。出てきなさい!」

 フィアのきつい口調と言うのはめったに聞けない、なんて思っていると左側の集団から三人が隠密刀おんみつとう逆手さかてに構えて走り寄る。

 ワンテンポ遅れて右手からも三人が同じように走り出してきた。

 足音がしないところを見ると手練れのニンジャだろうか?

 後の先ごのせんと言えばいいのか、右手側が先に切りかかってくる。

 俺はそちらに右手を差し出し、かなり強めの雷撃を放った。

 ズドン!腹に響く音と共に紫電が大気中を走る。

 大気中を伝播した放電現象は三人を捕らえ、心臓3個を停止させてやった。

 左側の三人はフィアのアイシクルショットで串刺しの様子だ。レベル10の投擲魔法は鎖帷子くさりかたびらなんて余裕らしい。

 正面を改めて見据え、人数を探るとあと12人ほどだろうか。

 小出しに来られても面倒な上にレベルが低すぎてじれったい。

 「フィア、エアシールド頼む。」

 「はい。」

 周囲に空気の壁ができたことを確認し、タメに入る。

 「次元断層。」

 俺の呟きを受けて正体のしれない敵さんを中心に半径で30mの範囲の床が抜けた。

 ニンジャらしいニンジャであれば何とかできるのかしらないが、こいつらはそうではなかったようで一言も声を聞かないままにどこかへ落ちていってしまった。

 「ふぅ。」

 周辺を探ってももう、誰もいない。

 息を抜いてフィアと周辺を何度か確認したが、もう大丈夫だ。

 「解放の光かな?」

 「さぁ、どうでしょう。魔術師や剣術師は何度も襲ってきましたが、ニンジャは初めてですね。」

 「セイトが近いせいかな?」

 警戒は続けたまま高台を降りるが、人ごみに出ると悪意の有無は分からなくなる。

 だが、不自然な動きがないかは探ることもできるので、宿まで常時索敵状態を保った。


 翌日からは移動に次ぐ移動で距離を稼いだ。

 ダイハンも大都市であることから野宿に適さず、ダイハンから真東へ山間を突っ切るようにナーラ、イーガ、ベルカと三日がかりで踏破した。

 途中での襲撃はなかったが、就寝時間には野宿でレネゲイドに歩哨に立ってもらうことにした。

 なにせ地平線の彼方までが索敵範囲だから。

 毎朝警戒の報告を聞くと熊とか鹿が近くを通ったという報告だけだった。

 オウスガ(横須賀)まであと7日ほどだろうか。

 あそこには海軍鎮守府がある。

 つまりはまた、制服が買えるという事だ。ゴの鎮守府とは部隊が違うはずだから制服のデザインも違うかもしれない。

 いや、違ってほしい。

 思わず握りこぶしを作ってしまうほど切なる願いだ。

 その後の道行きも問題なく、予定通り7日間の日程を消化してオウスガの軍港を中心とした街に入ることができた。

 この鎮守府で有名なのがカレーだ。

 海軍では海上に居る時間が長くなると曜日感覚が希薄になり、精神衛生上よくないという事で毎週末に艦内食がカレーと決まっている。

 こっちの海軍の場合も同様で、ひと月の間に3回のカレーの日があるという事だ。

 このカレーが有名になり、街の食堂でもカレーが食べられるという。

 大きな街なのでやはり野宿はできなかったが、夕方に到着した俺たちはその海軍カレーを食べるために街へと繰り出した。

 このオウスガも西洋風の建物が多く、シンコ(神戸)のような景観をしている。

 少し大きい洋館に食堂の看板が上がり、良い匂いが通りまで漂ってきている。

 フィアのお腹が「この店にしろ!」と訴え、全会一致で店の暖簾をくぐることになった。

 よく茹ったフィアを抱えて俺も店に入る。

 大きな音で訴えたからな。

 全員がメニューを見て海軍カレー(特盛)を頼んだことにマスターはびっくりしていたが、白い山盛りご飯に輝くような大ぶりのカツ。別添えになっているカレールーが食欲をそそる。

 カレー皿の端にいくつか転がされているラッキョウも強烈に食欲を掻き立てている。

 みんなが無言で攻略に取り掛かり、少しの辛さを楽しみながら掻き込むように食べきってしまった。

 フィアもこのくらいの辛さなら大丈夫なようで、カツと合わせて嬉しそうにもりもりと口に運んでいた。

 店を出ると、もう日が暮れようかと言う時間帯らしく、薄暮はくぼの空が広がっていた。

 ブゥオーーーー

 レシプロの轟音が響き渡り、上空を昂暉が二機編隊で通過して、軍港の沖を目指しているように飛び去って行った。

 「昂暉の戦闘機型だな。こっちの港に鹵獲空母が来ているのか?」

 シゲさんの分析は正しいだろう。

 新造艦はまだ間に合わないはずだ。新発想艦隊は空母機動部隊として第1航空戦隊~第5航空戦隊までが300m級の正規空母二隻を中心とした昂暉専用の部隊となる。

 特に第1航空戦隊、通称:一航戦はアカギ・カガの正規空母二隻からなり、航空機打撃艦隊として特に強力な布陣となっている。

 二航戦も一航戦とともに行動しており、三航戦~五航戦までが近海域の防衛を主任務とし、一航戦と二航戦が打撃部隊として目的地までの遠征任務をこなすことになっている。

 港の見えるところへ行こうという話になり、ぞろぞろと僅かの距離ではあるが腹ごなしの散歩を楽しんだ。

 気が付くとシゲさんが居なくなっており、キヨシゲさん曰く大人の時間を過ごしに行ったとのことだった。

 おそらく良い酒のあるBARなどを訪ね歩いているのだろう。俺としては一度ぐらいついていってみたいものだ。

 20分ほど歩くと軍港も見渡せる整備された公園のような場所に行き当たった。

 潮風が気持ちよく頬を撫でるような穏やかな海が見える。

 もう、薄闇の頃を過ぎ、港に接岸する軍艦はライトに照らされているが、沖に停泊する船はシルエットになってしまっている。

 ひときわ大きなシルエットになっている艦船の中に見慣れた大きな甲板を持つ鹵獲空母が見えており、甲板上には翼を休める昂暉も数機みられる。カタパルトから水蒸気がもやのように上がっているのが見えるのは、夜間訓練などが行われているからだろうか。

 他の国に航空機がない以上、神国の守りは長い間アドバンテージを保つことができるだろう。情報が漏れたりしない限り、各国が航空機を持つまでに10年以上。戦闘に使えるものが誕生するまでにも10年以上かかるだろう。

 その間にも神国の航空機技術は進化していくだろうし、20年以上の技術格差はおいそれと埋まることはないだろうと思う。

 いざとなればジェットエンジンでも作って、音速の壁を超える戦闘機や山ほどの爆弾を搭載できる超大型爆撃機を作ってもいい。液体燃料技術なども整って来れば大陸間弾道弾を用意して、軍事施設を狙い撃つのでもいいかもしれない。

 フィアと俺の冒険さえ邪魔されなければそれでいい。

 俺の行動原理として最も根幹を占めているのは俺たちの暮らしが平穏であること。

 これからすると「解放の光」なども正しく殲滅対象ではあるが、実害が及ばない限り。もしくは俺が旅を終えてトサンに戻るときまでに消えてくれれば余計な手間は掛けたくない。

 最終的には俺が手を下す必要があるのだろうが、もうしばらく後のことなのだろうと思う。いや、思いたい。


 翌朝、一日自由行動日と宣言し、朝食後には全員が自由行動となった。

 朝食後に部屋に一度戻り、洗濯や消費した物資の確認をすましてから出かけることにした。これは海軍へ官給品を下ろしている衣料品店が早い時間からは開店していないからである。

 夕べのカレーを食べた店で仕入れた情報に従い、フィアを引き連れて隠密行動を取る。

 そうでなくても頻繁にからかわれるので、新しいネタを提供してはならないのだ。

 大通りから一本折れて、随分と歩くと段ボールが山と積まれた倉庫のような店舗にたどり着いた。

 ゴで入手したセーラー服は白と紺の半袖セーラーだったので、今回はこの季節がら入手が可能ではと期待している濃紺の長袖セーラーだ。

 半袖はそれはそれで活動的な中にフィアの美しさを惹き立てる幼児性を演出する魅力があったが、冬服の濃紺セーラーであればフィアの清楚さを演出できるのではないかと思うのだ。

 白いスカーフのネクタイが装着されていれば言う事なしなのだが、どうだろうか。

 店内はそれほど明るくされてはいないのだが、忙しく働く人たちが慌ただしく出入りしている。

 荷車に段ボール箱を山と積み上げ、器用にロープワークによって固定しては人が曳いて走り出す。

 「すいませ~ん、どなたかいいでしょうか?」

 こちらを見やる人はいるのだが、忙しそうで相手にはしてくれそうにない。

 大柄な禿頭とくとうのこの時期にシャツしか着ていない男性が手を止めてくれた。

 「なんか用かい?」

 「はい、こちらでセーラーの小売りとかってしてくれますか?」

 「やってねぇ。」

 一言で否定し、奥へと入って行ってしまった。

 がっくりと肩を落とし、フィアの手を取って引き上げようというときに再び、先ほどの大男がやって来て「ほらよ。」とメモを渡してくれる。

 「そっちの嬢ちゃんが着るんだったら、ここへ行きな。この店の小売り用の店頭販売をしてる。結構女性にも人気があってな、軍と同じものは売れねぇが似たデザインの女性用が結構あるから。」

 「あ、ありがとうございます。」

 「ありがとうございます。」

 二人で頭を下げると、ニカッと笑って片手を上げてくれた。

 見た目に寄らず良い人である。

 メモに書かれた地図を頼りに店を探すと、意外にもすぐにたどり着けた。

 白い板壁に救難ボートや浮き輪が飾られ、キュートなイメージになっている。さっきの男性と全く結びつかない可愛い店舗だ。

 二人で店に入ると、確かに正当なセーラー服を始めアレンジしたセーラーデザインの可愛い服がたくさんあった。

 目当ての服も昔見た白いネクタイの意匠で、これは購入が必須の一着だ。

 その他にもいろいろ見てみると丈の短いプリーツの細かなスカートや、着心地のよさそうな夜着に使ってもいい長袖長ズボンのセーラーデザインのジャージみたいなものもある。

 俺は大興奮でフィアに当ててみたり、試着させたりと大分暴走してしまった。

 プリーツのスカートは依然購入したものを冬服に合わせ、今回購入したものは今度の夏に白紺のセーラー服に合わせることにした。

 大満足したころには俺の手に持っている籠に、大量の服が入っていた。

 何といっても今回のキモは白のスリップだ。冬服の下に着せれば完全な女子高生ルックの完成だ。

 若干引き気味のフィアと対照的に俺は意気揚々と精算を頼んだ。

 若い女性店員は俺たち二人を交互に何度も見ながら、購入した服の値段を足していってくれ、気前よく俺が払うと紙の手提げバックに綺麗に畳みながら仕舞ってくれたのだ。

 お店を出ると俺は、手提げバックを三つと紙袋ひとつを抱えて前が見づらくなっていた。

 「ソウタさん、こんなにいっぱい買ってどうするんですか?」

 「全部、フィアに着せるにきまってる。俺のやる気がうなぎ上りだ!」

 「はぁ、それは良かったのですが本当に私のモノを買うときって全く遠慮しませんよね。」

 「当たり前だろ。」

 「はぁ。」

 完全に呆れられているのだが、そんなことはどうでもいい。

 「フィア、下着を買いに行こう。セーラー服にイメージのあった白い下着がほしいよ。」

 「いい加減にしてください!」

 解せぬ。

 それでも夜には(ふたり)ファッションショーを繰り広げながら次々と着て見せてくれたフィアを可愛がるのが捗ったのは言うまでもない。

 正統派は正当な出で立ちでこそ語るのだ。

 長めのプリーツスカートに濃紺のセーラー服を着せ、両手を上げた時に肌が見えるのではなく白のスリップが覗くのがいいんじゃないか。


ソウタの趣味嗜好と作者のソレが同じという訳ではありません。

ホントですよ。

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