【第26話】討伐成る
4000PV突破です。
皆様のおかげです。
もっと頑張ります!!
格納庫に戻るころには、スタッフを始め、兵士たちも格納庫に集まって歓声を上げていた。
「勝ったぞ!こんな簡単に奴らを殲滅できるなんて、すごいぞ!」
「これから反撃だ!奴らを一体残さずに滅ぼしてやらないとな!」
てんでに今回のあまりにも一方的な勝利に気勢を上げている。
レネゲイドは元居た位置に屹立すると、ハッチを音もなく開いた。
俺たちは体をベルトもなしに拘束していたシートから解放され、コクピットから顔をのぞかせたのだが、爆発的に巻き起こる勝利への歓声に思わずビクリと体を震わせた。
「レネゲイド、降着状態に。」
「了解。」
短い返答と共にレネゲイドは片膝を折った姿勢で屈みこんでくれた。
「マスター、次の戦闘は8時間後に予定されています。」
「ああ、判っている。北西から1000体近い巨人がやってくるな。レネゲイド、特別な装備は必要になるか?」
「いいえ、現在の装備で誤差を今回の戦闘記録から補正しても2時間の戦闘で殲滅できます。自己修復モードに移行し、待機します。」
「そうか、ありがとうな。次もよろしく頼むよ。」
俺の探知魔法でも、北西の方角から1000体を超える巨人が行軍していることを確認している。
と言うか、クノエの北半分にいる巨人のすべてがアマクサに向かって移動を始めているのが判る。
広範囲からの集合であるために時間差でやってくるものだから、こちらとしても扱い切れないわけではないことがありがたい。
丸二日掛けて10度に及ぶ戦闘をこなしたのだが、昼も夜もなくやってくる巨人には、スタッフも俺たちも辟易としてしまった。
レネゲイドにとって、1000体程度の単位でやってこられても、格納庫を出たり入ったりする方が面倒で、戦闘時間も戦いを繰り返すことで徐々に短くなっていったものだから、本当に面相臭くなってきたのだ。
こちらから迎撃に向かって、一度にそれなりの狩りを行った方が効率が良いのではないかと思い始めるほどであった。
バニシングライフルは超高純度のルビーにレネゲイドの送りこむ電力によって発生した振動を共振現象として利用し、レーザーとして撃ち出しており、あまりの長射程に地平線を越えて直進するそれは、赤方偏移を伴い眩しい深紅のレーザーとなって巨人たちを薙ぎ払う。
レーザーを維持する時間も長く、きっかり30秒はレーザーが出続けるので、腕を動かし薙ぎ払うようにすることで1000体が一度に上半身と下半身を分かたれてしまい、最短では戦闘時間が30秒であったものだ。
着替えて搭乗し、機動手続きを経て出撃するのに2分。戦闘が30秒で、帰還する作業に5分とか無駄以外の何物でもなかったのだ。
ソニックソードはフィアの剣から風の魔力を導き出し、水晶柱を利用して発生させる超音波ブレードを刀身に纏わせているために敵に触れることなく切り裂いていける。
この効果のお蔭で巨人たちが吐き出す闇玉も面白いように切り捨てることができる。
振り切る際には刀身の4倍近い距離にまで超音波による振動が大気中を伝播するので、50メートル先の巨人さえもいとも容易く真っ二つだった。
俺TUEEEって言葉もあるが、チートもここまで来れば若干の気の緩みも出ようと言う物だ。
11度目の出撃の際にはレネゲイドの稼働時間も4時間を切るようになり、俺たちの魔力量や精神的な疲労もバカにならなくなってきた。
フィアも気丈に振る舞い、緊張感を途切れさせずに戦闘に望んではいるが、額に浮かぶ汗から疲労が見て取れる。
探知魔法によれば、クノエの大陸に闊歩している巨人たちはすでに残り3000体にも満たなくなっている。
もう一息頑張れば一旦は地上からの巨人たちの排除に成功するだろう。
そう考え、相対距離を測り、全体の戦闘行為の順番を定めてみた。
「フィア、目の前の一陣はすぐに殲滅戦に入る。つづけて北へ2キロメートル進軍し、そこで2戦目を行い、東へ10キロ進んで3回戦だ。
それでクノエの地上に出ている巨人は殲滅できる。アマクサの格納庫からだいぶ離れるが、この出撃を最後にするぞ。」
「はい、がんばりましょう。」
今回は出撃に備えて二人で風呂に入り、洗いっこを堪能した後で新しい下着もつけ、冒険者の衣装も新しいものにした。
これは互いに見える疲れから思わぬ失敗をしないためにもリフレッシュを意識し、気分よく搭乗するためにやってみた。
これが良かったのか、集中力は高い。
しかし、フィアの額の汗を見るからに残りのスタミナと言う点では、レネゲイドの稼働時間から見てもそう、余裕はないものと思う。
一回の戦闘時間は短いのだから、転戦しても4時間以内に戻れるだろうと考えたのだ。
まずは目の前の一戦目、約1500体の巨人が第1砦に取りつこうとしている。
格納庫から出撃し、ソニックソードを手に持ったレネゲイドは砦の上から顔を出している巨人を一薙ぎにした。
何だかわからないものを撒き散らしながら、後ろへと倒れていった巨人を皮切りに、第1砦を跳躍したレネゲイドは斬撃を繰り返し、武闘を舞うようにこなす。
20体、40体と屍を量産し、自由に動ける空間を築き、ソニックソードを鞘へとしまうと右肩のハードポイントに担いだバニシングライフルを引き抜き、巨人の群れの右端から虐殺を開始した。
一気に左へと薙ぎ払うようにレーザーが面で制圧し、10分とかからずに掃討を完了した。
「レネゲイド、北の群れに向かう。最短での移動はどうすればいい?」
「戦闘時間の30分を犠牲にして飛行形態へと移行すれば、5分で接敵できます。」
残りは3時間20分。
「よし、飛行形態で進もう。」
「インパルスモーター起動します。初期加速が強いので、対衝撃姿勢へコクピットを移行します。」
言うや、レネゲイドは一瞬の加速で50メートルほどの高空へ舞い上がり、手足が畳まれたようになる。
スキーのジャンプ競技のような姿勢だと思う。
肩のアーマーがせり出し、全体の空気抵抗をコントロールしている。
コクピット内ではシートが後ろに反り、足を上げてくれる。バックレストが首を支え、前方視界を良好な角度に保ってくれた。
そのまま、恐ろしいほどの加速に入り、レネゲイドの周囲で雷のような音が鳴り響いた。
多分、音速を超えたのではないだろうか?
この兵器は自由度と機動性が想像を絶するほどに高く、俺たちは本当に電池替わりで意思決定の助けをしているに過ぎないのだ。
数分もしないうちに前方に500体ほどの小さな群れが視界に入り、見る見るうちに眼前に迫ろうとしている。
「マスター、エネルギー効率を考慮し、地上形態に戻らずにバニシングライフルでの掃討戦を推奨します。」
「最適な攻撃を頼む。」
相変わらず「了解。」と簡潔な返事が返り、間髪入れずのレーザーによる地上攻撃が行われた。
両肩のバニシングライフルが唸り、二条の光跡が地上を舐めた。
音速を超えたまま上空を通過すると、すでに大半が蒸発してしまった巨人たちを今度は衝撃波が襲う。
音もなく俺たちが通り過ぎた後を暴力的な空気の渦が付いてきたのだ。
どーんと言う落雷のような音と共に逆巻く大気が巨人たちを翻弄する。
レネゲイドは大きな半径で旋回し、再び巨人たちを狙う。
凶暴な大気を引き連れ再び巨人に向き直ったのだが、地上で戦うことのできそうな巨人はもう、二体しかいなかった。
その巨人も理不尽に過ぎる攻撃に呆然と立ち尽くすような状態で俺たちを目で追っているようだ。
そのうちの一体が闇玉を吐いたのだが、目で直視し、未来位置も予測せずに攻撃したところで、届いたころには俺たちはそこには居ないのだ。
レネゲイドの両肩に装備されているバニシングライフルが今までにない短時間、レーザーを吐くと、二体とも頭が消し飛び、後でやって来た衝撃波に上半身が吹き飛ばされていた。
レネゲイドは戦果も確認せずに東へと進路を変え、三戦目に挑もうとしている。
「レネゲイド、残りの戦闘時間はどの程度だ。」
「残りの稼働時間は1時間30分です。移動時間は約10分で、予定される戦闘時間は5分ですが、帰還に必要な時間は15分です。エコノミーモードに移行しますか?」
トータル30分で帰還できるのならば稼働残時間にも余裕がある。
ここは、手を緩めずに一気に幕引きを狙うところだろう。
「フィア、体の方は大丈夫か?」
返事がない。
隣を見るとフィアが意識を失っていた。
「フィア!」
「マスター、フィア様は魔力が枯渇しておられます。生命に危害が及ばないようにフィア様からの魔力の供給は現在遮断していますので、帰還後に休養をお取りいただければ問題ありません。ソウタ様のみから魔力供給を受けている状態ですので、稼働時間が短くなっております。」
それぞれの健康状態まで把握して、危険を回避してくれるなど今後にも無茶な運用があってもフィアに危険なことがないとわかり、俺としては安心だ。
しかし、一人の魔力量ではそう長くはもたないという事も判り、俺たちの扱いが並列接続になった「電池」だという事を思い知らされた。
片方の電池を取り外した状態で同じ仕事量なわけだから、残りの時間が短くなるのもうなずけるものだ。
東に10分で本当に1000体ほどの群れとかちあった。
今度の1000体は複縦陣で5列縦隊となっていたが、あまりに綺麗な隊列に驚いてしまった。
敵の主力なのだろうか。これまでの群れはでたらめな隊列で襲い掛かり、秩序も何もなかったが、今度の敵は指揮系統の有無を疑わせるような隊伍を組んで向かってくるのだ。
ただ、俺たちが空から襲い掛かるとは思っていなかったようで、最初のバニシングライフルの掃射で二列が消滅していた。
地上を這うように大気効果を利用して迫り、真正面から一撃を加えたのだ。
大気効果とは、高速で飛ぶ飛翔体が大地に限りなく平行に接近していくときに、ある高さから下に降りられなくなる状態を言うのだ。
墜落するように落ちれば当然地面で大破してしまうのだが、並行に迫って行くと空気がクッションのようになり、それ以上降りられなくなるのだ。
地上10メートルほどを這うように、音よりも早く飛ぶレネゲイドからの攻撃で200体の巨人の列が二列消滅してしまった。
そして、音もなく通過した俺たちのあとから置いてきぼりにされた音と、大気が殺戮をもたらす。
大音響の雷が残りの600体に襲い掛かり、隊列をかき乱す。
宙を舞う巨人たちが落ち葉のように翻弄され、落下の際に他の巨人たちを巻き添えにしていくのが見えた。
レネゲイドは両足を前方に向けて振り出し、あり得ない減速をし、元の騎士のようなスタイルへと戻ると地上に長いスリップ痕を残して降り立った。
前方を睥睨し、残りの巨人たちを探る。
レネゲイドもこの群れを本隊と認識したようで、指揮を執る巨人を探しているようなそぶりを見せている。
居た。
乱舞する巨人たちから僅かに距離を置き、こちらをねめつけている一体を発見した。
特に外見上の特徴がある訳ではないのだが、纏っている雰囲気は確かに違う。
その身体から発散する殺意に悪意が含まれている。
世を呪うような、恨みを凝り固めたような悪意が漲っているようだ。
レネゲイドも奴をロックオンしたようで、バニシングライフルを左肩から引き抜いた。
照準を合わせ、引き金を絞ると細いレーザーが発射され、一文字に巨人を目指した。
驚いたことに巨人はその身を機敏に反らせ、一射目を凌いで見せた。
レネゲイドが射線を修正し、二射目を発射する。
射線は幾分か下方に修正されており、身をよじっても避けられない腰のあたりを狙っていた。
しかし、今度も横へ跳躍し軽々と凌がれてしまった。
俺の口元に薄い笑いが張り付き、レネゲイドに指示を出す。
「左手のシールドを強制排除。両手にバニシングライフルを装備し、長時間照射する。
左手のライフルは地上10メートルを左から右へ、右手のライフルは地上1メートルを右から左へ。正面で交差させ、それぞれ射線を寄せて逆へ戻す。
発射!」
地を這うようなレーザーと頭を刈り取るような高さのレーザーが交差するように薙ぎ払われ、今度は地上5メートルほどと7メートルほどの高さになったレーザーが折り返していく。
単純に避ける場所をなくしてみた。
足を払われ、胴を薙ぎ払われた巨人は周辺の生き残りと共に四つに切り刻まれ、無残な屍をさらすことになった。
余計な知恵を働かさなければ楽に死ねた物を。
これで地上にいる巨人は居なくなったわけだが、連続稼働が続いたレネゲイドは大丈夫なのだろうか。
楽な姿勢で直立するレネゲイドは、鎧の何か所かを開放し、水蒸気のようなものを吐き出していた。
「強制冷却モードに移行します。20分ほどの冷却ののちに帰還が可能となります。」
俺は緊張を解き、フィアの様子を確認する。
どうやらぐっすりと眠っているだけのようで、体内魔力も回復しつつある。
後は帰還するだけなので、そっとしておくことにした。
振り返ってみると、実に危なげなく完全なオーバーキルであった。
俺の親爺はなぜこのような近代兵器を作るに至ったのか。
俺と同じような商社勤めだった親爺がこのような技術を持ち、製作することができたことに全く理解が追い付かない状態だ。
帰還後はちゃんとマニュアルの類を精査してそのヒントなりをつかまなければいけないだろう。
フィアの汗を拭い、自分ののどの渇きを水筒で癒し、レネゲイドに異常がないか確かめたが、冷却が済んだレネゲイドは何の異常も発生していないと告げる。
「飛行形態に移行し、帰還します。」
「急ぐ必要はないからな。」
緩やかに飛行を開始したレネゲイドはそれでも20分とかからずにアマクサの格納庫前へと降り立った。
また総出での出迎えを受けることができ、格納庫でフィアを抱きかかえて機体から降りると、ナノハさんが走り寄ってきた。
「フィア様はいかがされましたか?」
「大丈夫だ、魔力が少なくなったので休んでいるだけだから心配しなくていいよ。」
俺からの報告でナノハさんを始め、心配してくれたスタッフにも安堵の色が浮かぶ。
ゆっくりと側までやってきたゴーランドも無事の帰還に労いの言葉をくれた。
「ソウタ殿、フィア殿と共に無事に帰ってきてくれて何よりだ。その様子だと巨人たちの殲滅に成功したようだが、クノエの地には巨人たちはあとどのくらいいるのだ。」
あまりに早い俺たちの帰還に近場の掃討が済んだと思っての発言だったのだろうか。
「あ、いや、この辺だけじゃなく、クノエの地上に居た分はすべて殲滅した。巣に籠っている巨人がどのくらいいるかは知らないが、1000年前と同じと考えればこれで当分は襲われることもないんじゃないか?」
「それは真か!?」
俺の探知魔法で探る限りは間違いなくクノエの地に巨人たちの姿はない。
ゆっくりと頷いてやると、ゴーランドを始め砦のすべての兵たちが割れるような歓声を上げた。
「ソウタ殿、感謝する。」
俺がフィアを抱いているにも拘らず、フィアごと俺を抱擁してくれた。
「ひえ?」
もみくちゃにされて、フィアまで目を覚ましてしまった。
お姫様抱っこにされている自分にびっくりし、周囲が大騒ぎになっていることにびっくりし、大きな朱金の瞳がこぼれるほどに見開かれていた。
戦勝記念のパーティーが急きょ開かれ、兵やスタッフが思う存分に大騒ぎしている。
たくさんの食事が用意され、樽ごと酒が供され、老若男女が楽しそうに盛り上がっていた。
俺は最初こそその席に付き合っていたのだが、フィアのこともあるし、早めに部屋へ引き上げることを許された。
部屋に戻ると、少しは休めたのかフィアも起き出しており、部屋に用意されたワゴンに乗っている食事を食べさせることにした。
俺がベットに腰掛け、膝にフィアを乗せて上半身を支えてやりながら食事を口へと運んでやる。
最初は恥ずかしがって拒んでいたのだが、部屋には俺たちしかいないことだし甘えてもいいと言い聞かせると、頬を染めながらも食事を取ってくれた。
「フィア、少ない魔力でよく頑張ってくれた。レネゲイドもフィアを心配して気を利かせていたぞ。」
「そうだんたんですか。でも、討伐ができて本当に良かったです。私たち二人が無事であることをクレハさんにもお伝えしないといけませんね。」
そうだった。
討伐が成功したときにクレハさんに連絡をすることになっていたのを忘れていた。
カバンの中からクレハさんに預けられた木箱を取り出す。
蓋を開くと中から紙でできた燕のような折り紙が現れる。
折り紙の燕は二羽入っており、片方は青い紙で折られていて、もう一方は赤い紙で作られている。
青い紙の方は討伐に成功した際に。赤い方は残念ながら俺たちが失敗した際に飛ばすことを約束した合図だ。
当然俺は青い方の燕を取り出し、折り目を開き、畳まれた折り紙を飛べる姿に整える。
そのまま手の中で魔力を籠め、燕にその力を注ぐと部屋の中に軽やかに飛び立ち、そのまま天井を抜けて飛び立っていった。
窓から出してやろうと思っていたのに、まさか壁を抜けていくとはびっくりだ。
近くで小さな音が聞こえ、視線を落とすと箱の中に残った赤い燕が白く変わっていた。
用が済んで手元に残った方は使い物にならなくなるようだ。
「これで安心だな。海が穏やかになってクノエから逃れた人たちもまた戻ってこれるだろう。復旧はこれからだが、フィアが俺を選んでくれたからこそ多くの人達が死なずに済み、またこの地でやり直すことができるようになったんだ。
レネゲイドと言う強力な力も手に入れた。
まだ巨人の巣を討伐する仕事が残っているが、そのためにもレネゲイドを完成させ、恒久的な平和を手に入れなければならないよな。
でも、フィアがいてくれて本当に良かったよ。この知らない世界で何をしたらいいかもわからないまま暮らしていくところをフィアのお蔭で目的もできた。
契約してくれたおかげで生涯の伴侶もできた。もう寂しくなることもないしな。」
俺の言葉を抱かれたまま黙って聞いていたフィアはクスンクスンと泣き出していた。
「ど、どうした?どこか都合でも悪いのか?」
狼狽える俺をよそにフィアは胸に顔を埋めながら静かに首を横に振る。
「違うんです。私も一人ぼっちになって、成人してしまって今後どうなるのかと言う不安でいっぱいのところをソウタさんに助けてもらい、生涯を誓ってもらえました。
今回のお仕事では途中で意識がなくなってソウタさんに無理をさせてしまいました。それなのにそんな風に言ってもらえるなんて嬉しかったんです。
本当にこんなに頼りないのに、いいのですか?」
強すぎないようにフィアを抱きしめ、そのままフィアを感じているとおずおずと顔を赤らめながら見上げてきた。
「フィア、一生俺の側に居てくれよな。」
「ありがとうございます。ずっと側に居たいです。」
フィアの顎をつまみあげ、やさしく唇を奪う。
初めての時のように啄む様なキスを繰り返し、フィアの頭を撫でる。
うっとりとした表情をするフィアを膝から降ろし、ベットに横にすると俺は着ているものを脱ぎながら重くないように覆いかぶさって行く。
フィアは目を俺と結んだままされるがままになっている。
小ぶりだが形の良い胸を思う存分味わい、フィアの着ているものも一枚づつ取って行った。
時間はまだ早い。ゆっくりと、ゆっくりとフィアと互いの体を求めていった。
フィアのランクも10になって、その時に俺が使えていた魔法のすべてを継承している。
魔力量はまだまだ俺には劣るが、これからも経験を積んでいけば自然と魔力量は増えるだろうし、レネゲイドがいる限りいきなり危険にさらされることもないのだから、慌てずに成長していってくれたらいい。
今はフィアをいたわり、愛してやる方が優先事項だ。
生まれたままの姿になって、お互いを求めあうのに時間はいくらあっても足りなかった。
俺の精を受けることでフィアの魔力も体力も回復を続けている。
枯渇するほど魔力を絞ったのだから、何度も可愛がっていいはずだ。
照れた表情をしながらも俺を求めてくれるフィアにたくさんのエネルギーを補充してやることができた。
夜も更け、何度目かの補給を済ませたころにはフィアの魔力量もすっかり戻り、こちらが嬉しくなるような満足した表情で俺の腕の中で眠りについていた。
契約も済ませたわけだからいつ子供ができてもおかしくないわけだが、もう少し二人だけの時間を享受できればと思う。
なにせフィアは15歳。俺も23歳。父親・母親になるにはまだ早いと思う。
こちらの世界ではどうなのかは判らないが、少なくとも15歳のフィアがもうお母さんと言うのは早いと思う。
無責任とは思っていない。
ただ、早いと思うだけのことだ。契約もして、一生を添い遂げる覚悟もあるのだが、それとこれとは別だと思っている。フィアの母親も29歳で契約したわけだし、地球の考えを持ち込んでもそう遠く離れてはいないだろうと思うのだ。
気持ちよく向こう側へ行ってしまったフィアの髪を撫でつつ、そんなことを徒然考えているうちに俺もフィアと一緒に眠ってしまっていた。
今夜はいつもと逆で俺がフィアの上で寝落ちしていた。
目の前にあるフィアのお胸はとっても気持ちのいいものだ。
これでひと段落着いたことになります。
これからレネゲイドの完成を目指す二人ですが、それはどのような方法で成し得るのでしょうね。
いつもお読みくださり、ありがとうございます。




