【第20話】初めての魔法(前)
8000文字で収まらないことが判りましたので前後編にします。後編は少しお待ちください。
それと、ブクマ登録が少しずつ増えていることに深く感謝いたします。
全員とお酒でも飲みに行きたいほど感謝しているんですよ。財布はもちろん私持ちで!
トウコンの西にはいよいよクノエのある大陸との間に海が横たわり、最も西端に位置するサンコウと言う国がある。
ここから渡しの船を雇い、海を越えなければならないのだが定期船がなく、国交が積極的でないという事をトウコンの宿で教えられた。
同じ民族がいる海の向こう側ならば、商人が積極的に行き来しそうなものなのだが。
そう問うたところ、この海が問題なのだという。
海神の巫女と言う存在がこの海を治めており、ここ50年ばかりはご機嫌が麗しくないらしく絶えず海が荒れているために大型船でも遭難を免れないそうだ。
ふむ。その巫女と言うのは神がかりなのだろうか、それとも神族なのか。
この辺りの海神は1000年以上前からその姿を見せていない。その海神を慰める巫女という事であれば、当たり前に考えれば人が神がかり、姿を隠している海神の手足または目や耳となり活動していると解釈すればよいのだろうが、何が気に入らず迷惑行為に及んでいるのだろう。
それを知る者がいないという事なので、50年前に何某かの出来事があったのであろうと推測はできるが、それを諫めるための手段については見当もつかない状態なのだという。
サンコウのゲカンに宿を取った俺たちだったが、やはり海は荒れ、対岸までわずか400メートルしかない海峡と言える隔たりを到底たどり着くことが不可能と思わせる高波と潮流が何者をも寄せ付ける気はないという言外の拒絶を現していた。
「巫女様はどちらの海岸にいらっしゃるのでしょうね。」
そんなフィアの一言で俺はハッとなる。
「原因を突き止め、それを解決しようってことだよな。」
「そんな深く考えたわけではないのですが、私たちのように身近に互いを認め合い、話し合うとこれまでの考えの違いが埋め合わされ、互いの思い違いなんかは少なくなるのではないでしょうか。」
ナイスアイディアだ。根本的に対岸に巫女がいる場合にはお手上げなんだが、こちら側に巫女が居るとすれば話し合いによる歩み寄りと言うよりも、手掛かりや問題を知るきっかけとなるだろう。
「魔力の流れを辿って、巫女とやらがどこにいるのか探すことにしよう。ただし、神懸かりの人族は俺たちの魔法に対して耐性が高いから、気を付けないといけない。
基本的に俺たちの使う魔法は神がもたらしてくれたものであると同時に神が定め、作成したものなんだ。ゆえに、神とその眷属には効果がない。注意していこう。」
視力を映像を捉えるためではなく、魔力の流れを見定めるために集中していく。
自然でない力の流れはないか、特定の方向から流れ出すまとまった気配はないかなど穏やかな海原との相違点を思い描きながらその差異を探す。
ゲカンの海岸線を随分と時間をかけて探っていった。
宿と海岸線を往復するだけの日々を数日過ごし、おおよその魔力の流れをつかむことができた。
俺にずっと付き従っていたフィアも、ただ、後をついていただけではなく、俺の発動する魔力に対しそれを感じ取ろうとしてか神経を昂らせていた。
一日歩き回ると普段なら絶対ないことだが、フィアの消耗が激しくグッタリとしている。
「フィア、大丈夫か?」
「はい、でもソウタさんの魔力を感じ取ることができたら、自分で魔法を扱えるきっかけになるかもしれませんから、もう少し頑張ってみたいです。」
やはりフィアには魔法を使うことに対する渇望とさえいえるほどのこだわりがあるようだ。
「宿に戻ろう。ちょっと試したいことがあるんだ。」
「まだ日が落ちるまでには少し時間がありますが、どうかしましたか?」
「疲れただろう?早めに戻ろうと思う。フィアの体を調べさせてもらっていいか?」
「はひっ?」
考え事をしながら話したのがいけなかったか、完熟トマト並みの朱に染まるフィアがクネクネしている。
調査は捗ってはいたので、自分なりに焦ってはいなかったし、なによりフィアの魔力の発動に協力してやりたかった。
魔道回路、すなわち体内をめぐる魔力の通り道なんだがフィアの魔力が使えないこととその関係を確かめたかったのだ。
ランクが6になっており、剣に宿らせている風の元素から魔力を引き出すことができている時点で、魔法を使うこと自身に適性がないわけではない。
それなのに風魔法のバリエーションやほかの属性魔法などが発現しないという事は、加速のための風魔法は無意識下で制御できている。過去からの経験や父から習ったという剣術。
剣に認められたことによる祝福。という事なのだろうが、他は自らが望んで会得しようとしているために意識的に制御しようとしているのかもしれない。
それが得意でないとしたら、神経質だからとかいう事もあるかもしれないし、魔道回路に異常があるのかもしれない。
それを確かめようとしたのだ。
宿に戻り、夕食を取る。
二人で風呂に入り、いつものように布団に潜り込んだ。
ただし、いつもと違うのは目的だ。
しかし、やることはいつも一つ!
「きゃう。あん。」
フィアの嬌声がいつもより激しい。
より激しく可愛がっているわけではないのだが、俺が触れる部分からフィアの中に魔力が流れ込んでいる。
首筋から始まり、徐々に様々な部分に触れ、魔力をわずかに流す。
そのたびに快感が駆け巡るらしく、ずっとこの状態なのだ。背徳感がまた、半端ないのだが、そうして流し込んだ魔力がどこへ向かって流れ、どこまで届くかを測っているのだ。
背中や腰、胸と上半身に流し込んだ魔力はフィアのちょうどお臍のあたりにたどり着く。
かなり減衰率が低く、驚くほど伝達効率が高い。
ところが、足の先からすね、脹脛、膝と来て腿に至るも流した魔力はどこにも行こうとしない。
消えてなくなるわけでもなく、そこに留まるのだ。
言い表すと、そうとしか表現できなかった。
魔術師や魔法使いは体内で魔力を循環させ、いわゆる「練る」という作業を行っている。
しかしながら、フィアの魔力が下半身を巡らないことから事象改変に必要な魔力の練りが足りず、発動しないようだ。
「あっ、ああう。」
しかし、魔力が流れ込むことによる快感には敏感に反応しており、もはや始末に負えない。
フィアの下半身でも魔力が循環するための治療は一足飛びにできそうにもないが、この状態のフィアを可愛がるのはすぐにできる。
昨日までの調査によって、荒れた海を維持している魔力の源のようなものにたどり着くことができた。
幸いにも対岸ではなく、こちら側から魔力が供給されており、どれほど強力なものかと思ってはいたが、ごくわずかな魔力を効率よく気圧制御に用いているようであった。
ゲカンの西端に当たるところにその発生源があるようで、ウィングで移動し半日ほどの道のりだった。
激しい潮流による浸食で岩肌が削り取られ、荒々しい断崖が海の中へせり出しているようなこの場所には、人の住む気配はないのだが間違いなく魔力はここから対岸へとめがけ流れ出している。
人が歩いてようやく行けるような岬の突端に社が立っている。
人が住むような造りになってはいないので、中には依代のようなものか式の様な呪導体が保存されているのかもしれない。
俺が先頭に、フィアがその後ろになり社へと近づいていくと吹き曝しになっている社から色濃く流れ出る魔力を感じることができる。
やはり制御された魔力が一定に流れており、南側へ半円を描くように影響を及ぼしているような感じだ。
「フィアにはこの魔力の流れがわかるかい?」
「…漠然とした感じでしかつかめませんが、広い範囲に向けて放出される力を感じます。これが海をこのようにしているのですか?」
「ああ、そのようだ。」
さらに近づこうとした時、背後に気配が急に表れる。
「その社に触れないでください。」
確かに巫女がいるようだ。
緋袴に白い着物を着た正月の初詣で見るような巫女がどこから現れたのか、来た道を塞ぐように立っている。
警戒している視線を俺とフィアに向けながらも敵意や害意と言う物を感じない。
「失礼、貴方はこの社の魔力について何かご存知か。私たちは海を渡りクノエまで行こうとしているのだが、地元の人達から海神の意思により船を出して渡ることができないと聞いたんだ。」
まっすぐと伸びる黒髪の巫女は黒い瞳で俺をまっすぐにとらえ、直立不動ながらも警戒を緩めてくれたようで一つ嘆息すると口を開いてくれた。
「話は少し長くなりますが、構いませんか?」
「是非に頼むよ。ここで旅をやめるわけにもいかないのでな。」
「判りました。よろしければ場所を変えませんか。お二方の馬車に乗せていただければすぐそこに私の住まいがありますので、茶飲み話としてお聞かせいたします。」
ここまでの態度からすると、見敵必殺という訳でもないようで、大人しく従うことにした。
今日中に海を渡りたいわけでもないので、穏便に済ませられるなら話を聞いた方がいいだろう。
判らないのは俺の上着の裾を握りしめて皺くちゃにしているフィアの理由だ。
「お茶をどうぞ。」
「ありがたく頂く。」「ありがとうございます。」
ウィングは3人で戻ってきた俺たちに不思議そうな目を向けるが、緋袴の美少女が乗客として増えることに異論はないようだ。
フィアは御者席に乗り、俺は荷台へと先に上がり、巫女さんの手を引いて荷台へと揚げてやった。
フィアの「ぐっ!」と言う呻き声は聞こえないことにした。
道を教えてもらいながら走ること15分ほどで集落の外れに着く。
馬車を止めた先には畑が広がり、その向こうに数件の農家の小さな家屋が見えるが、その向こうはさらに畑が広がっているようだ。
農耕用の馬車しか通らないと思われるこの道に面する形で建てられているこの神社は僻地に建てられるにはあまりに大きな構えをしており、周囲の風景から完全に浮いている。
「普段は祈祷のほかに治療院としても、周囲から集まる子供たちの勉学の場としてもここを使用しております。」
きょろきょろする俺たちを見て、察したのか巫女さんは軽やかに笑いながらそう説明してくれた。
祭壇のある正面ではなく、横合いから勝手口のような扉を入り、中へと招かれたが静謐ともいえる静けさに包まれた建物の中からはやはり先ほど巫女さんから感じたように邪気はないようだ。
祭壇の脇を通り、奥の座敷へと入ると座布団を貰い腰を下ろしたところでお茶を出されたのだ。
「お二人がどのような理由でクノエへ参られようとしているかは存じませんが、お気づきの通りあの岬の社へ私がここから魔力をつなぎ、海を荒れさせ船の往来を遮っているのです。
申し遅れましたが、クレハと申します。お二人から邪気を感じませんでしたので、このようにお連れしましたが、私にもお二人を害するつもりもありませんのでお寛ぎいただき、事の次第を聞いていただけますでしょうか。」
「ええ、私たちも貴方に悪意のようなものを感じられずきっと訳があるのだろうと推察しております。」
クレハと名乗った巫女さんは俺たちに対し、様々なことを聞かせてくれた。
約55年前、クノエの大陸で国盗りの戦が始まったこと。
最初はクノエの隣国二国が互いの領土を奪い合う合戦だったそうだが、次第に権益に群がる周辺の小国が参戦し、戦禍が大きくなっていく。
5年が過ぎても戦が収まらず、多数の命が失われたという。国境もなくなってしまったかのような焦土に禍々しきソレが現れた。
人ならざる鬼たち。
どこからやって来たか判らないが、オークでもトロールでもない化け物たちが焦土と化した土地を更に焼いたという。
軍神と見まごうばかりの巨体、破壊の魔法を使い空や地面さえも灰になるかと思われたその戦力はクノエの北半分を焼き尽くし、いよいよ海峡を渡らんとしたそうだ。
海峡を渡り、逃げ延びた人々は追い立てられるようにこちらへ上陸すると山間部へ街道へと散り散りになったそうだが、もたらされた情報からクレハは海峡の封鎖を決めたのだという。
海神への祝詞により、海峡封鎖を奏上し、許可を神託として取り付けたことによりそれから50年もの間、自分の意識の一部を割き鬼たちが海峡を渡ることのないように祈り続けているのだという事だった。
目の前で祈りをささげるクレハは見た目には10代の少女なのだが、50年も祈りを捧げ続けているというのだから、頭の下がる思いだ。
敬意の念でクレハを見やっていたのだが、クレハはその瞳を半眼に細め俺を睨むように見る。
「私は16歳で海神様の巫女となりました。その時より私自身の時は止まっておりましてよ?次代の巫女がその責を引き継ぐまで私の時間は止まったままなのです。という事で、おばあちゃんではありませんからね。」
「え?いやいや、何を言っておられるのですか。」
誤解もいいところだ。みてみろよ、フィアまで睨んでるじゃないか。
「それで、私たちにそのように重要なことを話してくださるというのはどういったお考えをお持ちの上で?」
「そうですね。お二人はそのような戦禍に包まれる場所へなぜわざわざ行こうとされているのでしょうか。そこをお聞かせくださればと思います。お連れの方がサキュバスであるという事に思い当たることがありますので。」
トサンを出る時にお父様はなぜ西に向かう事を勧めたのか疑問に思ったのだが、例の比翼の鎧を運良く得られたとして、使いどころもわからないし。
しかし、フィアと契約したと思っていたはずだから、クレハの言う事とお父様の考えに共通するモノがあるのかもしれない。
そうした疑問も含めながらここまでやって来た経緯などを話した。
「目的の場所がアマクサという事であれば、やはりサキュバスを連れて行かねばなりません。これも古い言い伝えの部類になるのですが、海神様が隠れられた1000年前にもこのたびの様な鬼どもが戦禍をクノエの地にもたらしたと言います。
その際にも旅人が訪れ、比翼の鎧を用いて鬼どもを調伏したという記録があるそうです。その記録の中には旅人は黒い瞳の男と赤い瞳の女であったと記録があります。まぁ、このことは神格のある者たちにしか知られておりませんので、アマクサの者たちであろうとも知るハズがありませんが。」
それが事実だとして、俺たちがクノエまで赴き、魔物退治をする意味が分からない。
「疑問があるんだ。なぜサキュバスと人なんだろうな。クノエにだってサキュバスもいるだろうし、人もいるだろう。
サキュバスの伴侶は人族と相場も決まっているわけだし、地元の夫婦でもいいのではないんだろうか?」
「そうですよね。ソウタさんと私がクノエに行くとも限りませんし、他の土地から同じように契約をした者たちが来るかもしれませんものね。」
フィアの言う事ももっともだ。
しばらく考えをまとめるように三者三様に眉間にしわを寄せながら黙り込む。
「くぅぅ。」
誰かの腹が鳴った。
ポカポカとフィアに殴られる俺。
クレハさんの俺たちを見る目がかなり生暖かく、真っ赤になったフィアのこぶしの速度が一段上がるのだった。
「色々と考えをまとめたいと思います。また明日出直してこようかと思うのですが、クレハさんがご迷惑じゃなければお会いいただけますでしょうか。」
フィアに殴られながら辞去する旨を伝えると、クレハさんは華やかな笑顔を浮かべ、夕食に誘ってくださった。
「久しぶりに大勢で食事を楽しむのも楽しいと思うのですが、お二方もご一緒にいかがですか?もちろん、近くに宿などありませんからお泊り頂いて構いません。
修行僧らの宿坊も備えておりますので、そちらでお休みいただくことになりますが離れになっておりますので、夕食後にも存分に話し合っていただいても誰の迷惑にもなりませんし、フィア様にはきっとご都合がよろしいかと。」
すべて判ってますと言わんばかりのクレハさんのお誘いに、俺は尊敬のまなざしを向け、羞恥に染まるフィアは俺を殴るこぶしの速度を二段階引き上げた。
正直、痛いんだが。微塵も痛いという態度をしないのは俺のフィアに対する包容力だと思ってもらいたいものだ。
「お世話になるのですから、夕食の支度は俺たちに任せてもらっていも?」
「本当ですか!?実は私、人様にお出しするような食事を作る自信が無くてですね、お誘いしたものの正直、どうしようかと肝を冷やしておりました。」
「ははは、それはいいことをお聞きしました。食材を確かめてから献立を俺たち二人で考えましょう。」
こちらの世界では神職に着く者も動物性のたんぱく質を普通に摂取するようで、食料を保管してある場所には卵も干した肉も腸詰さえもあったので軽いカルチャーショックをうけたものだ。
これならばと、俺はメニューを米はパエリアにし、惣菜もスープも全て日本風にすることにした。
普段食べ慣れないであろう物を食してもらうのも一興と言う物だ。
フィアにも食べさせたことはないので、レシピはすべて俺の頭から捻り出さないといけない。
鶏肉を一口大に切り揃え、醤油ベースの出汁に仕込み、ショウガで風味付けをしてから片栗粉にまぶし、唐揚げの素材を作る。
笹カレイの身を三枚におろし、酒、味醂、醤油を少しずつ加えた汁に浸してから片栗粉をしっかりとまぶし、唐揚げより先に揚げ、和紙に食用の油を染み込ませたクッキングペーパーの代用品に一尾分ずつ置いて、エノキやネギ、とろみをつけた甘いたれなどを包み込んでムニエルみたいにしてみた。
ここで大きな鉄製の平鍋に油を熱し、米を投入して透き通るまで炒める。
そのあとにサフランの代わりに繊維を染めるためにも使うキク科の花の花びらを入れて鮮やかな朱色を出した。
腸詰とニンジンや根菜類を米と共に炒め、別に用意した豚の脂身を炒めた時に出る油と、塩コショウを加えて、更に豚のバラを煮込んだ煮汁を大量に加えてから米を炊きにかかる。
ここからは球状のキャベツのような葉野菜を大急ぎでざく切りにし、ニンジンや玉ねぎなどを加えて鍋で煮たてながら唐揚げを揚げる。
スープが煮立ってきたらトマトをサイコロ状にカットして投入し、再度煮立ったところで乾麺を砕いて入れて、ミネストローネにしてみた。コショウをさらに追加してインパクトをつける。
パエリアから蒸気が立たなくなってきたところで火を落とし、蒸らす。
揚がる唐揚げをこれまた山の様な千切りキャベツの上に山と盛る。
パエリア用の出汁を作ったバラ肉を丁寧に糸でくくり、濃いめの醤油と水飴やショウガなどで煮込み、火を落として染み込ませる。
これは後日食べてもらう煮豚のようなものだ。
蒸し器で蒸し焼きにしていたムニエルもどきも出来上がり、全部が食べごろになるように調整した成果があった。
すべての工程でフィアが何をしていたかと言うと、ただひたすらに筆をノートに走らせ、レシピをメモっていた。
宿坊の寝所を整えに行っていたクレハさんを呼び、台所の横にある板の間にご膳を整えてみた。
「「あーーーーー!?」」
クレハさんとフィアの驚嘆が重なる。
「え?」
クレハさんがフィアに顔を向ける。なぜ一緒に驚くの?と顔に書いてある。
まあ細かいことはいいので、食べてみてもらえませんか?
「「おいしーーーーーーーーーーい。」」
50年もの間この国を守り続けていても、美味しいものを食べた時は少女のように喜んでくれるのだった。




