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ROBOT HEART・ロボットハート  作者: 猫乃 鈴
五話・トモダチ
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Act・4

【Act・4】


 ハルヒが旅の仲間に加わることになって、ココたちは旅に必要な物を手分けして集めることにした。

 軍が荷物を運び終えれば列車は出てしまう。その前に貨物車に忍び込まなければならない。


「じゃあ、俺とクナイは水と食料の買い出しに行って来る」


 重そうな荷物の買い出しに自ら名乗りを上げるアキツに、ココは頷く。


「あたしはアキツのメンテナンスの材料を、ね」

「包帯と絆創膏かよ」


 アキツに付き合わされるクナイは相変わらずの不機嫌さだ。


「終ったら駅で待っている」

「うん」


 普通のロボットのメンテナンス道具ならハルヒの家にもあるのだが、あの最新ロボットだとそうはいかない。ハルヒはココを薬屋のある町の南へと案内する。

 常に流れる風の音に金属の軋む音が運ばれてきて、ココは音のする方を見た。いくつかある風車のうち、一番大きな一つからその音はしてきているようだった。

 ハルヒがココの視線の先に気づいて言った。


「あの風車もヒジリ博士が作ったんだぜ? この町はあれで電気を作ってんだ」

「……そう」


 ヒジリの名前に顔を曇らせるココに、ハルヒは少し考えた。

 

「そうだ! ココにいいもん見せてやるよ!」


 ハルヒはキョロキョロと辺りを見回し、風を遮る建物の壁際へとココを招いた。

 そして作業着にある沢山のポケットのうち、ズボンの右側にあるチャック付きのその中を探ると、ある物を取り出しココの前に差し出した。それは五センチもない小さく薄い箱。ハルヒはさらにその箱を開けて中身を取り出した。


「これ、てふてふ二号!」

「変な名前」

「変とか言うな! ヒジリ博士の作ったロボットだぞ!」

「これ……」


 ハルヒの手の上にあったのは、小さな小さな虫のようなロボットだった。向こうが透けて見えるような青い羽が大小二枚づつ左右対称に付いていて、胴体部分には、これまた小さな発条ぜんまいが刺さっているだけの簡素な作りだ。

 ハルヒは羽を摘まむようにして持つと発条を巻いた。最後まで巻き終わると発条を外し、羽からそっと指を離す。するとロボットはひらひらと薄い羽をはためかせ二人の頭上をくるくると飛び回った。頼りないほどに薄く脆そうなその羽で、ロボットはしっかりと空を捉える。

 ココは太陽の光が透けるその青い羽を目で追った。


「飛んだ……」

「まるで生きてるみたいだろ」


 そう。それはまるで生きた蝶のようだった。

 

「俺、実は本当の蝶なんて見たことないんだけど、なんて綺麗なんだろうって。博士がこの、てふてふ二号をくれるって言ったときは、すっげぇ嬉しかった」


 てふてふ二号はやがて静かに、受け止めようと両手を広げたココの前に舞い降りてきた。

 手の平の上、羽の動きを止めたそれは、そこにあるのかないのか分からないほどに軽く、それだけでも、この空飛ぶロボットを作るのがいかに難しいことなのかが分かる。大型の機械やエンジンを搭載すればいくらでも思いつくが、これほどの小ささとシンプルな構造で実現するのは非常に困難なことだろう。


「二号……そっか、二号なんだ」


 手の中のロボットを見つめるココ。


「どうした」

「一号はね、あたしが壊しちゃったんだ」

「え?」

「お母さんが死んだ後、お父さんは前よりも仕事にのめり込んで、あたしと話すときもロボットのことばっかりだった」


 階段一つ上がったところにある家にも帰ってこない父に、自然とココの方が作業場へと行くことが多くなった。


「お父さんはいつもロボットを作ると、自慢げにあたしに見せに来てたけど、あたしはいつも呆れてちゃんと見なかった」

「俺なら大喜びなのに……」

「そのたびに、がっかりして戻っていくんだけど、しばらくするとまた別のロボットを持ってくるの。お父さんがこのロボットを持ってきたとき、とうとう頭にきて飛ぶところも見ないで叩き落としちゃった。こんな役に立たないもの、どうするのって」


 手の平で軽くはたいただけのつもりだったのに、くしゃりと床の上で折れてしまったそのロボット。


「その後はさすがに見せにこなくなっちゃったな」

「ひでぇ……」

「だね。でもね、そのときはね、そんなこと思わなかったんだ。そう思ったのはお父さんがいなくなった後だったよ」

「そんなもんか」

「まったく、どこ行っちゃったんだろ、お父さん」


 苦笑しながらココはてふてふ二号をハルヒに返した。ハルヒはそれを大事そうに箱に戻す。


「あ、薬屋ここだけど」

「ありがと。じゃ、ハルヒも準備ができたら駅に来てね。列車に間に合うように」

「ああ、ちゃんと行くから。待っててくれよな!」

「うん」


 ハルヒは家へと走った。

 いつか町を出るために金を貯めていた缶を開けるときが来た。大事な工具を持っていくのも忘れてはいけない。後は何が必要だろう。


「おい、なんだよハルヒ。そんなに急いでどうしたんだ」


 突然掛けられた声にハルヒは足を止めた。先程、早々に自分の仕事を終えた先輩技師の男だ。


「え、ああ、うん。ちょっと」

「ゴンザじぃさんとこのラジオ、お前が直したヤツ調子いいってよ」

「そう? そりゃ良かった」

「また何かあったら宜しくってさ」

「あ、ああ……うん……」


 思わず返事をする声が弱くなる。


「ハルヒ! いいとこに! ちょっといいかい?!」


 また自分の名を呼ぶ声にそちらを見ると、雑貨屋を営む顔なじみの女主人が手招いている。

 ハルヒは早く旅立ちの準備をしたいという気持ちを抑えながら、女主人の元へと向かった。


「どうしたんです、カンナさん」

「電気がつかなくなっちゃったんだよ。ほら、あれ」


 女主人が指差したのは店の入り口のすぐ真上にある電灯だ。


「電球切れただけじゃないでしょうねぇ」

「そうじゃないから、あんたを呼んでんでしょうが」

「はいはい」


 ハルヒは用意されていた脚立に上り、電球を確かめる。

 強い風が吹いて風車がキィキィと音を立てて回った。女主人がその音に眉を顰める。


「最近、嫌な音がすんねぇ、あの風車」

「だいぶガタきてんっすよ。古いっすからね、あれも」


 男も風車の方を見て言った。


「カンナさん? ほら、点きましたよ電気」

「ああ! 有難う。助かったよハルヒ」


 ハルヒが脚立を降りると、また風車が軋んだ。まるでか細い悲鳴のようにも聞えるその音。


「あの風車がなくなったら、この町もダメだな」

「そんな」


 男の言葉にハルヒは驚いて男を見る。

 だって、あの一つが壊れたところで、この町にはまだ風車が七つもある。一つなくなるぐらい、どうということはないのではないか。


「水処理の施設もいつまでもつんだろうな」


 続けて言った男に、女主人は呆れたような顔をする。


「何言ってんだい。あんたたちがいるだろうが。しっかり頼むよ」

「あいー承知しました。な、ハルヒ」 

「…………うん」


 笑いながら男はハルヒの肩に腕を回したが、いつもふざけてそうする男の腕が、今のハルヒにはなんだか重たく感じた。




◆◆◆◆◆



「ハルヒ、遅いねえ!」


 貨物車の扉の隙間から、表に顔を出したココの服をクナイは引っ張った。


「馬鹿! 大きな声だすなよ。顔も出すな!」

「まだ荷物の積み込みも終わらないようだ。平気だろう」


 アキツが外を伺う。

 昼間は荷物を運ぶ軍の関係者も町で休憩していたようで、荷物の積み込みはまだ済んでいないようだった。

 日はとっくに落ちて、ポツポツと線路脇の電灯が小さく灯す明かりだけ。どうやら月も姿を見せない今夜は真っ暗で、どこかに忍び込むにはうってつけの夜だ。


「ホントに来るのか?」

「来るって言ってた」


 ココがそわそわしだした頃、アキツが外を見て細く開けていた扉を大きく開いた。


「……来たみたいだな」


 その言葉にクナイもそっと表に顔を出した。 


「どこだ?」

「あそこだ。走って来ている」

「あそこって?」

「あの鉄塔の下だ」

「へえ……真っ暗で見えねえよ。ってか、お前見えんのかよ!」


 しかし少しすると暗闇の中からアキツの言った通り、ハルヒが走って来る姿が薄ぼんやりと浮かび上がってきた。線路の脇に置かれているコンテナに身を隠すようにしながら、キョロキョロと辺りを見回している。


「……ココ?」

「ハルヒ、こっち、こっち」


 ココが声を潜めながら手を振ると、ハルヒはすぐにそれを見つけて駆けて来た。


「悪い、遅くなって」

「良かった、間に合わないかと思ったよ。……どうしたの? 早く乗って」


 貨物車の中から差し出した手をハルヒは見ているだけだ。


「……ごめん、ココ。俺……やっぱり今は行けない」

「ハルヒ……」

「この町はこんなんだけど。ここはやっぱ俺の町だから。このまま、この町を出ることはできない。みんなが他の街に移るのは簡単かもしれないけど。そんなに簡単にこの町がなくなっていいとは、やっぱり思えないから」


 風車一台なくなるぐらい、どうってことはないと思っていた。同じように自分一人がこの町から居なくなることぐらい、どうってことではないと思っていたのだ。

 だがこの町がすでに、非常に不安定なバランスの上にかろうじて立っているにすぎないことに、今やっとハルヒは気がついたのだ。


「どうすんの?」

「“あきらめたらそこまでだ。大切なのは今何ができるかってこと。自分の可能性を信じること。弱くて不器用な人間は、そのために道具を使うことだってできるんだから”――だから俺は物を作る。この町を良くする物を作れる可能性が俺にはある。だから、諦めない」


 今まではヒジリ博士が与えてくれたものを保ち、直すことしかしてこなかった。でも、自分にももっとできることがあるはずだ。


「……そう」

「もちろん、ロボットを作るのも諦めたわけじゃねえぞ! この町が今より良くなったら、そしたら今度こそ旅に出てやるさ」

「その頃には、あたしはもう作っちゃってるかもしれないなあ……」

「何!? そ、そんときは、もっとすごいのを作ってやる」


 ココは笑うと、改めてハルヒに手を差し出した。別れの握手だ。


「……頑張って、ハルヒ」

「おう」


 ハルヒはココの手を握った。


「……なあ、博士……じゃなかった、お前の父さんもさ、その……きっと、見つかるって」

「うん」


 二人が手を離すと汽笛が一つ鳴らされ、列車がゆっくりと動き出した。

  

「じゃあね、ハルヒ」

「じゃあな。あ! ああ、そうだ。ちょ、ちょっと待った、これやるよ」


 思い出したようにハルヒは言うと、動き出した列車の脇を走りながらポケットに手をやる。口に引っかかって取り出せないそれに苦心しながらも、ハルヒは懸命に列車を追いかける。そして取り出したものを手にココへと腕を伸ばした。ココの方も身を乗り出しハルヒの手からそれを受け取る。


「これ」


 見覚えのある小さな箱。てふてふ二号の入った箱だ。


「いいか、そいつはな、役に立たないもんなんかじゃなかったぞ!」


 すでにずいぶん後ろの方へと列車から遅れたハルヒは声を張り上げて言った。


「え?」

「そいつを見るたんび、俺はいつだって元気がでた!」


 とうとう足が追いつかなくなり、ハルヒは走る足を止めた。


「いいか! 絶対、大事にしろよ! 俺の宝もんだったんだからな!」

「ありがとー! ハルヒ!」

  

 ハルヒが両手を大きく振っているのが見えたが、その姿もすぐに夜の闇に溶けて見えなくなってしまった。




◆◆◆◆◆



 アキツが扉を閉めて天井の裸電球を点けると、ココはハルヒから貰った箱を開けた。綺麗な青い羽を持つロボットがそこには入っている。

 発条を巻いてそっと手を離すと、ひらひらと狭い貨物車の中を舞い始める。車内に裸電球の明かりに照らされたオレンジがかった青が揺らめいた。


「すげえ……飛んでる」


 クナイが素直な反応を見せた。

 ココにも今なら機械技師として、このロボットの凄さが分かる。

 でも父であるヒジリが見たかったのは、クナイのような素直な反応だったのだろう。


「お前の父ちゃんが作ったのか、その――」

「てふてふ二号」

「ネーミングセンスは最悪だけどな……」


 やがて目の前に舞い降りてきた、てふてふ二号をアキツは手に受け止めココに返した。


「飛ぶだけなのか」

「え? うん、たぶんそうだけど。なんで?」

「ハルヒはそのロボットで元気が出ると言っていた。何か特別な機能があるのかと思ったのだが」


 なるほど。

 ココはアキツの疑問に笑った。


「元気が出るっていっても、具体的に体が回復するとかじゃないから」

「気持ちの問題だからな。アキツには分かんねえだろ」

「分からないな」

「人間の場合だと、ときには元気一つだすにも、何か道具の力が必要ってことだ」


 クナイがもっともらしく言った言葉に、ココはかつて同じ型のロボットを自分の前に差し出してきた父の姿を思い浮かべた。


「弱くて不器用な人間は、そのために道具を使うことだってできる……か。そうだね、あの頃のあたしはいつも不機嫌だったもんね。でもね、道具なんていらなかったんだよ」


 そばにいてくれれば、それだけで良かった。ご機嫌取りなんてしてくれなくて良かった。

 もしかしたら、あの頃、幼かった自分は、自分よりも父の傍にいるロボットたちに少し嫉妬していたのかもしれない。

 こんなに凄いロボットが作れるのに、なんて不器用な人なのか。いったい今、どこで何をしているのだろう。


「そういや、アキツ、お前の故障は?」

「問題ない」


 クナイに聞かれたアキツは、まだ添え木を巻かれたままの腕を伸ばし、手を開いたり閉じたりしてみせる。


「……直ったのかよ。あの修理で」

「そろそろ休む時間だ」

「こら、人が話してるだろ。どうしてそう、融通がきかないんだ」


 クナイに背を向け毛布に包まるアキツ。


「……寝る子は育つそうだぞ」

「まて、それはなんだ、俺にも寝ろってのか?!」


 言い返した言葉に返事はない。


「このやろ! スイッチ切りやがったな! 起きろ!」

「もう、クナイやめなよ」

「……なあ、こいつホントのホントにロボットか?」

「さて、あたしも寝ようかな」

「またかよ」


 この話題になるといつも話をはぐらかされる。溜息をついてクナイは話を変えた。


「……おいココ、お前の夢ってさ」

「あたしの夢は“人間の友達になるようなロボット”を作ること」

「それって」

「うん。あたしのお父さんの夢だったの」


 すでに機械技師としての名は知れ渡っていたヒジリだったが、その夢はひどく子供っぽい物だった。


「あたしね、お父さんがいなくなったとき、あたしのせいでお父さんはいなくなったのかもって思ったの。あたし、お父さんのロボット壊しちゃったし」

「それだけで、いい大人が家出するかよ」

「そうだよね。でも、理由はともかく実際お父さんは帰ってこなくって。どうしたらお父さんは帰ってくるかなって、考えたら――」

「父親の夢だった“人間の友達ロボット”ができたら、帰ってくるかも……か」

「うん。あたしがそんなすごいロボットを作ったなんて、どこかで知ったら絶対に飛んで帰ってくる!――はず……だったんだけど、そう簡単にはいかなかったよ。そもそも“人間の友達”っていうのが難しいよね」


 肩をすくめるココにクナイも考える。

 

「“友達”……ね」

「“友達”にもいろいろあるじゃない? 親友とか悪友とか――どんなのを作ればいいのやら」

「悪友はやめとけ……」

「人間同士の場合、“友達”って、作るもんというより、できるもんな気もするし」

「もともこもねえじゃんか、それじゃ」

「アキツに会って“ココロ”を探すうち、それも分かるかもって思ったんだけど」


 クナイはかたわらにあるアキツの姿をチラと見た。


「……この勝手にスイッチ切って眠りこけてる馬鹿が、本当にロボットだとしたら――」

「したら?」

「お前とアキツは“友達”に見えるぞ?……一応」

「……え?」

「一応な」


 クナイから見れば、どちらも自分勝手に行動するし、危なっかしいし、言ってることもやってることも無茶苦茶だし意味が分からないが、友達同士なんていうのはそんなものだろう。


「そっか。“友達”……か。……ね! クナイ。クナイとアキツも“友達”に見えるよ!」

「嬉しくないんですけど……」


 ココが言った言葉にクナイの顔が引き攣る。


「じゃあ、あたしはアキツの“友達”で、クナイもアキツの“友達”だから、あたしとクナイも“友達”だね」

「どういう計算だ?」

「照れなくてもいいよ」

「照れてねえよ!」

「そっかあ、“友達”かあ」


 にやにやしながら、ココは寝返りも打たずに目を閉じているアキツの顔を覗きこんだ。


「……ねえ、クナイ」

「なんだよ」

「アキツが寝てる間に顔に落書きしちゃおうか」

「なんだそりゃ」

「やらない? 友達同士って、そういうの」

「別に俺はこいつを“友達”なんて……」

「クナイがやらなくても、あたしやるもん……まず髭描いちゃえ」


 ココは鞄を探ると、太いペンを取り出しアキツの顔に押し付けた。普段変化がないアキツの顔に黒いちょび髭が加えられる。


「……ヘタクソ。しょうがねえな、ペン貸せよ。落書きってのは、こうやんだよ」


 ココのいたずらを覗きこんだクナイは、その手からペンを奪ってさらなる落書きを付け加えた。くるくるホッペに眉間で繋がった太い眉、瞼の上に描かれた開いた目という王道。


「あはは。変な顔ー」


 アキツが変な顔になったことで笑うのは、アキツ自身ではなくそれを見る側だ。


「言っとくけど、俺にこんなことしたら俺は怒るからな」

「えー」

「当然だ。というわけで、このペンは没収だ」

「クナイひどい」


 膨れるココを他所に、クナイはペンをポケットに入れると自分も毛布を被った。


「じゃ、俺も寝るからな」

「よく寝るんだよ」

「うるさいっての!」 


 クナイがそっぽを向いて寝転んでしまうと、ココはもう一度てふてふ二号の発条を回した。ひらひらと舞うそれを見ながらハルヒの事を思い出す。

 出会ってから別れまで、一緒にいたのはほんの一瞬の間だったけれど、ハルヒのことも、もう友達と言ってもいいんじゃないかとココは思う。

 そしてココは彼の宝物をそっと箱の中に戻した。


「ねえ、アキツ。あたし、なんか作れる気がしてきたよ。“人間の友達になれるロボット”が。それと……アキツの”ココロ”も、ね」





ROBOT HEART・5

- トモダチ - 終了


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