2/2
おっぱいとの遭遇 【2】
「お--」
出し抜けに聞こえた女性と思しき声に、良は声を漏らした。
「おっぱいが喋った?」
「おっぱいではない」
立ち上がり、良から身を離したおっぱいの持ち主が凛と言い放った。
「我輩はリディーカ--おっぱいと言う名ではないぞ」
「い、いや……!?」
尻餅を衝いたままの良は息を詰めた様に声を失った。
目の前で腰に手を当てた、自らリディーカと名乗った女性に良は目を奪われた。
ショートカットの煌くブロンドヘアー、光を弾く様に刺激的な日焼けした肌、大胆な曲線で構成された挑発的なプロポーション。身に就けているものは小さな白いビキニスタイルに、リストバンドにチョーカー、耳と臍にピアス、足にはヒールのサンダルを履いている。右の二の腕には奇妙な紋章のようなタトゥーが映えていた。
美しい--信じがたいほどに美しい、人間離れしたほどの美しさだった。その美しさに、良は声も出ない思いだった。