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第三章「潮干狩り大会」ラスト

そして、敵はバブルガムクラブだけになった。


トミジイはバブルガムクラブの攻撃を無効化し、注意を引き付けてくれているおかげで、タジマが逃げる余裕と、攻撃のチャンスを作ってくれている。


「アルッ!」

タモツは酒気カウンターを消費し、高アルコールの魔法アルをバブルガムクラブに飛ばした。


しかし、泥酔によりアルの弾道は狂い、バブルガムクラブの大きなハサミをかすめただけだった。


「どこを狙っているんだッ!?」

トミジイの怒号。


やはり、泥酔状態で命中精度が悪くなっている。

デカい蟹に近づくのは怖いが、近距離で放つしかないだろう。


俺はよろめきながら走った。


魔法アルを狙うならやはり口だろう。

もしくは・・・


俺は左手で魔法アルを唱えながら、右手のロティサリースピアを天に掲げた。


クソ重え!


片手で槍を扱うには腕力が不足しているのは言うまでもない。

だが振り下ろすくらいなら・・・


俺が狙うのはバブルガムクラブの背後。

まずは魔法アルを放ち、ロティサリースピアを重みに任せて振り下ろした。


付着した魔法アルに、ロティサリースピアの炎属性が引火し甲羅一面に燃え広がる。


たまらずバブルガムクラブは暴れたが、その炎の持続力は高く、やがて元気を失い、ぱちぱちと音を立てて甲羅が赤黒く変色していく。


「それ減点だぞ」

焦げついた甲羅に対してタジマが言った。


それなら、早く消さなくては・・・


「サベージクリーナーだ!」

なんと指摘した次の瞬間にタジマが掘り当てた貝が巨大化していたのだ。


「タジマァ!今新たな敵を増やすんじゃねえ!」


場は大混乱に陥ったが、ダグラスが水魔法でバブルガムクラブの炎を鎮火し、サベージクリーナーはトミジイが注意を引き、ロティサリースピアとザ・トリニティの挟撃で仕留めた。


そして、タジマの指示の下、長いロープでバブルガムクラブのハサミと脚を胴体に縛りつけ、我々は捕獲に成功するのだった。


経験値と小銭を手に入れ、俺とタモツはレベル5へ、トミジイはレベル2、タジマはレベル3、ダグラスはレベル4に上がった。


俺とタモツは、千鳥足ステップ(フィート)を習得した。


「少し焦げついたが優勝間違いないな」

タモツはご機嫌な様子だ。


しかし、大会終了までにまだ1時間ほどの猶予があった。


「これ以上取るのは後処理含め面倒くせえ。サベージクリーナーを焼いて、少し早い打ち上げといこうぜ」

タモツはなぜか用意していた大型携帯コンロで、サベージクリーナーを焼き始めた。


まあ、優勝確実と言い切るのなら、切り上げてもいいだろう。

今の所は周辺で同じような騒ぎは起こっていないし、俺もさすがに疲れたしな。


俺達は目の前で焼けた新鮮な貝をつまみに、しこたま飲んで、大会の終了を迎えた。


そして、集計が終了し閉会式のため、俺とタモツはフラフラになりながら指定の場所に到着する。


少し遅刻したがまあ誤差の範囲だろう。


表彰台の上でギルド所属の司会の女性が話していた。

「今回は56チーム280名。多くの皆様に参加いただきました。これより、成績上位10チームの発表を行います」


「第10位、サベージクリーナー レベル2を捕まえた、ミドリムシチーム。

第9位 サベージクリーナー レベル3を捕まえた、レジデンスチーム

第8位 バブルガムクリーナーを捕まえた、モノクロチーム

第7位 バブルガムクリーナーを捕まえた、ジャンチーム

第6位 バブルガムクリーナーを捕まえた、ココロココニアラズチーム

第5位 マーブルクリーナーを捕まえた、サメチーム

第4位 バブルガムクラブ レベル4を捕まえた、サスカッチチーム

以上4位〜10位でした。

いやあ、今回はレベルが高いですね〜!」


俺達に不穏な空気が走った。


「それでは第3位を発表します。

第3位はバブルガムクラブ レベル4を捕まえた、シオヒガリマスターチームです!」


た、頼む。後1チーム耐えてくれ・・・


「それでは、第1位を発表し、続けて第2位を発表します。

栄えある第1位は・・・


アサシンクラブ レベル7を捕まえた、ジャックチームです!!」


負けた。

おそらくタモツの借金は返せないだろう。


俺がさりげなくタモツの方を見ると、アイツは蒼ざめた顔をしていた。


しかし、すぐに顔が真っ赤に染まっていく。


「そして、第2位はバブルガムクラブ レベル6を捕まえた、カニマニアリズムチームです!

さすがは戦士ジャック率いるチーム!あの凶暴なアサシンクラブを見事捕獲しました!

代表者は表彰台にお上がりください!」


しかも、第2位が俺達のチームではない・・・!?


しまった!

ダグラスは一瞬で酔い潰れ、トミジイとタジマも脱落し、俺とタモツは元より正気ではない。


つまり、誰もバブルガムクラブを届けていなかったのだ。


そして、表彰台に上がって行くのは、前回で共に戦ったジャックだった。


「待てや、キサマらあーッ!」

突如として、飛び出すタモツの怒号。


集まっている参加者をかき分け、タモツも表彰台に上がり、ジャックに掴みかかった。


「コイツはイカサマだ!イカサマをしたんだぁ〜!」

タモツは叫ぶ。


「おい、落ち着けよ!」

ジャックが戸惑いながらタモツと取っ組み合っていた。


そもそも失格扱いの俺達は、ジャックがイカサマをしようがしまいが、優勝はできないのだが・・・


ジャックが身体を捻るとタモツの身体は宙を舞い、そのまま地面に叩きつけられる。


「飲み過ぎだ!馬鹿ッ!」

ジャックに叱責されたが、のびているタモツには届いていないだろう。


やがて、表彰式も終わり、俺は飲み潰れた者&伸びているタモツの隣で海に沈む夕日を眺めていた。

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