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第六話 冒険者になる

朝だ。

久しぶりの快適な目覚め。

うん。疲れもすっかりとれている。

やはり布団で寝ると疲れの取れ方も違う。寝具は人類が生み出した最高の叡智である。by佐藤裕二

朝からこんな馬鹿ができるのも休息のおかげである。

懐に余裕のある時はこれからも宿屋を利用したいな。


昨日からこのエレボスの町に滞在している訳だが、しばらくはこの町を拠点に活動するつもりだ。

最低限の仕事はできるみたいだし宿も食事の心配もない。

何かしらの稼ぎを定期的に得られれば生活に不便することはないだろう。

さて、今日はどうしようか。まだまだ見て回りたい場所も沢山あるが、如何せん金がない。

俺にはアイテムボックスがあるので所持品が多くて困るということはない。

これからの生活に役立ちそうな物を色々購入したいのだがやはり懐が厳しい。

昨日の件もあるしまずは冒険者ギルドに行くことにする。

ミーア達に会えるかもしれないしな。


その後宿屋を出て冒険者ギルドへ向かう。

到着した俺はギルド内を見渡してみる、2人がいるかもしれないからだ。

探してみたがやはり見つからない。

仕方ない、早朝だしもしかすると本当に緊急の用事があったのかもしれないな。

となると正直また待ちぼうけする訳にもいかないし俺の用事を済ませよう。

少し考えていたのだ。俺でも冒険者ってなれるのだろうかと。

資格が必要とか言われたら諦めるしかないが、誰でもなれる職業ならば職の選択肢の一つとして有りだと思ったわけだ。

まずは聞いてみよう。

受付に向かい、担当者らしき人物に話しかける。


「冒険者ギルドへようこそ!ご要件をお伺いいたします」

美人のお姉さんが笑顔の対応をしてくれた。

俺は要件を話す。


「初めまして。私は昨日この町に着いたばかりの者なんですが、冒険者に興味がありまして。こちらで対応とかしてもらえるのでしょうか?」


「勿論です。冒険者登録等もこちらで承っておりますよ。」

よかった。特に資格や条件等はいらないらしい。

俺はそのまま登録することにした。


「それでは、こちらの用紙に必要事項の記入をお願いします」

差し出された紙とペンを取り記入しようとした。

まてよ。俺にここの文字が書けるのか?

一昨日は何故か読む事は出来たが習っていない文字は書けない。

少し悩んだ後日本語で書くことにした。

駄目なら仕方ない、ぐらいの気持ちで。しかし俺の書いた文字は何故か日本語ではなく別の文字で書き写された。

どうなってるんだ?まるで俺の意思を読み取って自動的に変換してくれてるみたいだ。

よく考えたら俺にはスキルとやらの謎の力もあった。

深く考えるのはやめておこう。考えても解らん。


「はい、ありがとうございます。書類は以上になります。

最後に登録料として、銀貨5枚を頂きます」

え、登録料!?しまった、視野に入れておくべきだった。

銀貨5枚、今の俺にはかなり厳しい額だ。

これを払ってしまったら手持ちは銀貨2枚と少し、今夜の宿を考えると明日には一文無しになる。

うーん。だが逆に考えれば何もしなければ数日で手持ちは尽きる。多少厳しくはなるが余裕のあるうちに登録は済ませておいたほうが良いだろう。


「わかりました。銀貨5枚ですね」

俺は泣け無しの銀貨を払う。


「ありがとうございます。それではこちら登録の証となります冒険者カードです。サトウユウジ様、銅級からのスタートですね。頑張ってください。それとこちらのカードはあらゆる際の身分証にもなりますので肌身離さずお持ち下さい」

渡された冒険者カードを受け取る。

これで俺も晴れて冒険者ってわけだ。なんか少しだけワクワクしてきたな。

登録してしまった以上、今後は冒険者としてなんとか食いつないでいくしかないな。

だが勿論この世界で一生を終える気はない。

並行しておそらく俺と同じような境遇の「流れ者」達を探してなんとか日本に帰る手がかりも探していこう。


さて、冒険者にはなれたが持ち金はもうない。

幸いまだ早朝だしこれから早速金になる依頼をこなさなければならない。

今日中に幾らか資金を得なければ。

でなければ明日には食事する金も無くなってしまう。


昨日確認した掲示板を見てみると、沢山の依頼があった。

先程依頼や階級についての説明も受けた。

依頼の受注資格と冒険者の階級について。


冒険者の階級と受注資格は上から



白金級 【S】

金等級【〜A】

銀等級【〜B】

銅等級【〜C】


といった感じで

Sランクは白金のみ受注可能

金等級は上限Aランクまで受注可能

銀等級は上限Bランクまで受注可能

銅等級は上限Cランクまで受注可能

依頼のランクはS A B C D Eの順でEから上にいくほど難しくなっていく。

簡単に言えばこのようになっていた。

当然だが依頼の報酬もランクが上がるほど高くなっていく。

だがそんなレベルの依頼は危険すぎるしそもそも俺は銅級なので受けられない。

適度に楽に稼げる依頼をこなしていけば良いのだ。


改めて掲示板を確認してみる。

どれどれ……俺でも出来そうな依頼は…


【Eランク 薬草採取】

依頼内容 薬草×30の納品

報酬 銅貨8枚



【Dランク ゴブリン討伐】

依頼内容 ゴブリン五匹の討伐

報酬 銀貨5枚



【Cランク オーク討伐】

依頼内容 オークの討伐 (数不明)

報酬 複数体いると思われる為一匹につき銀貨5枚


ざっと見てみたが、討伐依頼が多い。

ゴブリンとは2度戦ったがどちらも命懸けだったからな。

また戦って勝てたとしても報酬が銀貨5枚と考えるとあまり気は進まない。

1番簡単そうな薬草採取は銅貨8枚だ。労力に対する対価が流石に割に合わない。

Cランクのオークなんてもってのほかだ。

出会った瞬間に死んでしまいそうだ。

他にはないか?そこそこの報酬で俺でもできそうな依頼。

お、これなんかいいかもしれない。


【Eランク ホーンラビット討伐 】

依頼内容 ホーンラビット三匹の討伐

報酬 銀貨4枚


ラビットってことは兎だよな?

兎三匹討伐で銀貨4枚ならなかなか美味しい依頼だ。

よし、これにしよう。

依頼書を受付に持っていき受注する。

この依頼を達成すれば銀貨4枚、普通に仕事するより稼げることになる。

最初はこんな感じで簡単な依頼をこなしていき、金を貯めていくのだ。

ひとりぼっちだが頑張ろう。働かざる者食うべからずだ。

だが討伐となるとなにか武器がいるな。

俺でも扱えて、かつ銀貨2枚の範囲で買える武器。

ギルド内では取り扱いがなさそうなので武器屋を探すことにした。

ギルドの受付に武器屋の場所を聞き、依頼前にまずは武器の調達に向かうことにした。

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