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第十六話 vsゴーレム2

背後から砂が落ちる音がした。

まさかと思い振り向くと、周囲の砂が集まり出し再びゴーレムを形成せんとしていた。


俺は咄嗟に水魔法を放ち形成を阻害する。

水が弾け阻害した部分が崩れていくが、再び砂が集まりだしていく。

この魔物は無限に復活するのか、仮にそうなら何度倒しても無駄ということになる。

先程までの戦闘も徒労に終わってしまう。

考えている間にも目の前では新たなゴーレムが作り出されていく。

逃げの選択肢はない、常に危険と隣り合わせの状況になってしまうからだ。直ぐに打開策を見つけないと。


まてよ、もしかしたら


「『鑑定!!!』」

俺はスキルで目の前の砂を鑑定する。

何故今までの相手にこれを使ってこなかったのだろう。


【鑑定】の効果は対象の解析。

なにもアイテムや薬草の採取にだけしか使えない力ではないのだ。

敵の解析ができれば対処方法や弱点がわかるかもしれなかったのに。

だが、泣き言はあとだ。

【鑑定】は目の前の対象の情報を俺に伝えてくれた。


【ゴーレムのコア】


特殊な術式が組み込まれたゴーレムのコア。

周囲の風景にあった素材をその場でゴーレムとして変換し形作る。


鑑定には【ゴーレムのコア】と出た。

つまりあのコアが本体ということか。あれを破壊できればおそらくは復活も止まるだろう。おそらくは心臓のようなものなのだろう。


時間を与えては不味い、即座に肉薄し砂を払いつつコアを剣で切り裂く。が、コアは切れなかった。

硬い、異常な程硬度がある。何度も切りつけるがその度に弾かれてしまう。この間にもゴーレムは形成されていく。

影男を呼び出す魔力はない、魔法を撃とうにも砂が邪魔でおそらくはコアを破壊出来るほどの威力にはならない。


なら迷っている暇はない、取れる手段は1つだ。

俺は剣で自分の右腕を切りつける。


痛い、痛い、痛い!!


激痛に呻きながらも5回腕を切る。確かに痛いが今更こんな痛みで泣きわめいたりしない。俺は既に四肢を失った痛みを経験している。それに比べたらこんなもの大したことはない!!!!


兎戦で気づいたこの力は自身の蓄積分のダメージを任意のタイミングで発動することができる。

更に残りのMP50、これを全て掛け合わせれば10倍の『復讐』になる。


眼前にはほぼ再生が終わったゴーレムが立ちはだかり、まさに今俺を潰さんと腕を振り上げている。

「鑑定ッッッ!!!!!」


鑑定を使い、体内に隠れてしまったコアの位置を補足する。見えた、胴体のほぼど真ん中!!!


同時にゴーレムの腕が俺に向かって振り下ろされる。

胴を狙えばその間に潰される、剣で思わず受け止める。

だが、俺は受け止めきれずに膝をついてしまった。

まだ『復讐』は発動していない為、ほぼ生身で受けた攻撃はかなり深刻なダメージになる。


今受けたダメージ、衝撃、それを更に蓄積し一気に解き放つ!!!

今にも潰されそうな身体を必死に支え、俺は俺に唯一与えられた力を発動する!!


「『復讐ァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!』」



全身全霊で限界を超える力を振り絞り、全身に力を込め剣を一線ーーーそのまま力の限り振り抜いた。

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