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7.こたえ
情熱的に愛し合っていた
日々を取り戻したいわけではなく
お互いに穏やかな感情でいられたのなら
それでいいと思っていた
見慣れてしまった彼の部屋
二人分のマグカップに
コーヒーをなみなみと注ぎながら
強い口調にならないよう
丁寧な口調で彼に問う
どちらかが強い口調になったら
言い争いになるのは解りきっていたから
明確な答えを
求めているわけでもなく
ただ、彼の本心が知りたかった
それだけなのに
言い訳を交えて話しながら
私からの視線を逸らす彼の言動や行動
それが問いに対する応えなのだと 悟った