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12.事実


みんな居なくなる

あなたもわたしも犬も猫も

みんな。


いつかは誰の記憶のなかにも

思い出のなかにも存在しなくなる


そのことを思うと

とても悲しくなるんだ

そんな先のことを考える必要はないのに


その筈なのに

わたしもあなたも犬も猫も

みんな居なくなる時のことを想像してしまう


いつかは誰の記憶のなかにも

思い出のなかにも


あなたとわたしと犬と猫が

この世界に居たという

事実が消え去る日が来るけれど


あなたと犬と猫と

寄り添って過ごしている

今が思いのほか心地いいから

そう悲観的になることでもないと考えられたのよ


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