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第一話 …あれ?間違っちゃった?by神様

さ〜て、やっちゃいました。f^_^;



「それでは椎名将斗。お前の送る年は昭和十四年でいいな?」


古代ローマの服をきた自称神様が目の前にいる日本海軍の青年士官椎名将斗に尋ねる。


「あぁ。それで構わへん」


将斗は頷いた。


「うむ、それでは送ろう。……むん」


神様が将斗を送ろうとした時に起きた。


「……ハ…ハックョンッ!!!」


なんとくしゃみをしたのだ。


ブウゥン。


将斗の体が消えた。


「あ〜風邪か?まぁあいつ送ったし大丈夫だろ」


神様は一応行き先を見てみた。


「……あぁッ!!」


神様は思わず声を荒げた。


「……何てこった…」


神様が呟く。


神様が持っていた紙にはこう書かれていた。


『行き先は独立機動艦隊『紀伊』―連合艦隊大勝利!』




「……やっべーーーッ!!Σ( ̄▽ ̄;)」





―――沖縄沖―――


沖縄沖で一隻の日本戦艦と三隻のドイツ戦艦が砲撃戦を撃ちあっていた。


その時、四隻の周りに霧が発生した。



―――尾張CIC―――


「椎名艦長ッ!!尾張を含む四隻の周りに霧が発生中ですッ!!」


「何ッ!!」


兵からの報告にCICはざわめき始めた。


「艦長。これは敵の罠では?」


参謀長の霧島が椎名に問う。


「……ドイツの機動戦艦に動きはあるのか?」


「いえ、動きはありません。これは自然現象です」


「馬鹿を言うなッ!!沖縄で霧が発生するとは聞いたことがないぞッ!!」


「落ち着くのだ参謀長」


椎名が霧島を慰める。


「霧は晴れるのか?」


「それは分かりません。運を天に任すしかないと思います」


気象士が首を振る。


「なら仕方ない。砲撃を敵先頭艦に集中させろ」


椎名の言葉とともに尾張の四十六センチ速射砲が唸りを上げた。




―――トロンベCIC―――


「この霧は晴れるのか?」


艦長のベルンハルトが副官に尋ねる。


「今のところ不明です。罠はないと思います」


「ふむ、ならこのまま砲撃を続けろ」






―――???―――


「ウッ……ここは…?」


いつの間にか倒れていた将斗はゆっくりと立ち上がる。


将斗は周囲を見渡す。


周りは白い靄に囲まれているが、どうやら軍艦の艦橋のようである。


「……なんか見た事あるで…」


将斗が呟いた時、前方で何か動いた。


将斗が腰に据えている日本刀に手をかける。


何かは白い靄とともにすぅと消えた。


そこには将斗の世界で再び使用されている旧日本海軍の士官服を着たショートヘアの女性がいた。


「……将斗…?」


「………初…瀬…か?」


将斗の言葉を聞いた途端、女性―――初瀬は将斗に抱き着いた。


「うわッ!!初瀬お前いきなり抱き着くなよッ!!」


「五月蝿い五月蝿い五月蝿いうるさぁーーーいッ!!こっちは心配したんだぞッ!!お前を乗せた輸送機が行方不明になったて言うんだぞッ!!心配しない奴がいるかッ!!」


初瀬の言葉に将斗は初瀬の頭を撫でる。


「わりぃな初瀬。説明したいけどそれは後や」


初瀬の頭を撫でている時、背後に気配を感じ、振り返ると二人の女性がいた。


一人は初瀬同様のショートヘアの女性。


もう一人は金髪で同じくショートヘアで、少しロールがある女性である。


『……将斗(艦長)ッ!!』


「久音ッ!!御原ッ!!」


二人は初瀬同様に播磨副長の久音琴葉中佐と播磨砲雷長の御原エリカ中佐が将斗に抱き着く。


「艦長。死んだと聞きましたけど、御無事でなによりです」


「何を言っているのよ副長?私の艦長よ。雷でも死ぬわけないわッ!!」


「どんな超人やねん……」


御原の言葉に将斗が突っ込む。


「まぁええわ。全員おるか?」


「はい、日本へ帰還途中ですので全員います。むろん艦長の蒼零もです」


「分かった。久音、御原。総員戦闘配置につかせろ。この白い靄を突破しぃひんと訳分からんわ」


『了解ッ!!』


二人は将斗に敬礼して部署に向かった。


将斗と初瀬は艦橋に入る。


最初は将斗が生きていたことに艦橋要員は驚いた。


「足はちゃんとついとるわッ!!」


将斗がそう言って脚を見せる。


流石の要員達も頭が動きだし、落ち着きを取り戻す。


「お前ら戦闘配置や。急げよ」


バタバタと要員達が配置につくのを見ながら将斗は艦内マイクをONにする。


「あ〜、こちら艦長の椎名や」


各部署に付けられているスピーカーから聞こえてくる将斗の声に機関員、衛生兵、砲雷員達が驚愕の表情を表す。


「大丈夫や。ちゃんと生きてる。それよりも総員戦闘配置や」


将斗の言葉に慌てて乗組員達は配置につく。


千垣ちがき航海長。今、俺らがいる場所は何処分かるか?」


将斗の問いに後ろで髪を括り、ポニーテールで眼鏡をかけた女性が答えた。


「どういうわけか今は、沖縄沖にいるわ。ついでに右舷約五十メートルに戦艦播磨がいるわ」


千垣の言葉に将斗は素早く命令を出した。


「播磨に連絡しろッ!!通信が届かへんなら発光信号とか砲撃音を鳴らすんやッ!!」


その時、各部署から報告がきた。


『主砲異常無しッ!!』


『VLS異常無しッ!!』


『百二十七ミリ砲異常無しッ!!』


『砲搭型レールガン異常無しッ!!』


『イージス機能異常無しッ!!』


「艦長。戦艦初瀬、全機能異常ありません」


久音が将斗に告げる。


「分かった。……戦艦播磨とは通信繋がったか?」


将斗が通信長に問う。


「繋がります」


「繋げ」


艦長席に座る将斗の目の前にあるモニターに一人の男性が出る。


「や」


将斗が男性に挨拶する。


男性は口を開けてポカンとしている。


『…ま…将斗か?』


「ピンポーン。正解〜♪」


『正解ちゃうやろッ!!お前死んだんちゃうん?幽霊か?それやったら迷わず成仏しろ。お前に借りた五万返さずにすむからッ?!』


「ど阿呆ッ!!勝手に殺すなッ!!てか五万ちゃう。五万七千やッ!!はよ返せッ!!」


『五万でええやん』


「うっさいわッ!!どたまかち割るぞッ!!(大阪の北河内の方言。頭を割ると言う意味である。ちなみに北河内は日本で一番言葉が悪いらしい。作者も北河内に住んでいる)」


「……艦長。喧嘩は後にしてください」


微笑む久音。後ろに鬼がいるのは気のせいだろう……多分。


「「スイマセンスイマセン自分が悪いです」」


将斗と将が久音に謝る。


「まぁそれは置いといて。何があったか話すわ」


そして将斗は久音や御原、将、そして二隻の乗組員達に自分に起きた事を話した。


『……中々おもろい小説やな』


将がモニター越しで苦笑する。むろん艦橋にいる要員達も苦笑している。


「まぁ俺かて今だに信じられへんわ。けどな、そのお陰でまたお前らに会えてんからな」


『それもそうやな』


将が苦笑する。


「しかし、艦長。我々は一体どうしたらいいんでしょうか?」


久音が将斗に問う。


「まぁ、過去の日本であんな戦いがないように戦うべきやな。久音は嫌か?」


すると久音が首を振る。


「いえ、私は艦長ではないので艦長に任せます」


「ありがとな」


将斗が久音の頭を撫でる。


久音は周りの目を気にしながらも目をトロンとさせている。


『とりあえずはこの霧から出ないことには変わりないわ』


将の言葉に将斗が頷きかけた時、CICから報告がきた。


『艦長。前方に不明艦四隻。うち一隻は日本艦かと思われます。艦尾に旭日旗を掲げています』


「どうしますか?」


「むろん助ける」


「そう言うと思いましたよ」


久音がクスクスと笑う。


「総員戦闘配置についてるんか?」


将斗が尋ねる。


「ついてます」


「よし、前部主砲及び前部レールガン発射用意ッ!!」


『んならこっちもお前の後についてくるからな』


「分かった」


将斗と将は敬礼してモニターを消した。


「艦長。主砲とレールガンいつでも撃てるわ」


砲雷長の御原が告げる。


「よし、霧から抜けたと同時に敵三番艦を砲撃や。千垣ッ!!速度十八や」


「了解ッ!!速度十八ノットヨーソローォォォーーーッ!!」


二艦は複数の艦艇の場所へと向かう。


「間もなく霧から抜けますッ!!」





―――尾張CIC―――


「ーーーッ!!艦長ッ!!戦艦ですッ!!霧の中から戦艦二隻が出てきましたッ!!」


「何だとォォォッ!!」


霧を見張っていた見張り員からの報告に椎名は愕然とした。


「やはり奴らはまだ機動戦艦を持っていたのか……」


椎名が呟いた時、また見張り員が報告した。


「待ってくださいッ!!……旭日旗?……旭日旗ですッ!!不明艦二隻のマストに旭日旗が掲げられていますッ!!」


『何ィィィーーーッ!!!』


この瞬間、CICにいた人間全員が驚きの声を上げた。




―――トロンベCIC―――


「戦艦……だと?」


部下からの報告に艦長のベルンハルトはタラリと冷や汗を流れているのを感じた。


「(三連装の主砲が前部にあるのは日本軍には一隻しかいない……大和なのか?しかし、三連装砲艦が二隻だと?確か情報では二番艦の武蔵は機動戦艦ではないはず。……ではあれは?)」


ベルンハルトが不明艦に目を向けた時、前部の副砲らしきものが、三番艦のローレライに狙いをつけた瞬間、副砲らしきものが光った。


ビシュゥゥンッ!!!


副砲らしきものから放たれたのは光りであり、光りは一瞬の間にこちらに向かってきた。


しかし、それは人間の目で見れる物で、実際は超高速で飛ぶ砲弾であった。


ズシュンッ!!


一発の砲弾は外れて海面に水しぶきを上げたが、残り一発の砲弾はローレライの艦橋に命中した。


「あら♪」


ローレライの艦魂の真名アテナは胸に開いた穴を見つめた。


ズガアァァァーーンッ!!


「ローレライの艦橋に被弾ッ!!」


だが、その報告から一秒後、三連装の主砲から六発の砲弾が放たれた。


ズドオオォォォーーンッ!!!


ほとんど水平射撃に近いため、六発の砲弾は全弾命中した。


「あ♪」


腹から血が流れて血まみれだったアテナは胸に一発、両足に一発ずつ、両手にも一発ずつ、そして、アテナには見えないが額にも一発の穴が開いていた。


アテナが自分を撃った戦艦を見た。


「……真打ち登場〜♪」


それがアテナが発した最期の言葉だった。


ドゴオオオォォォーーーンッ!!!


機動戦艦ローレライは沖縄沖で爆沈し、機動戦艦の生涯を遂げた。

人物や兵器の紹介は必ずする予定ですので。

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