表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貞操逆転パラレル日本の比較文化記  作者: バンビロコン
40/50

お見合いパーティー4

 多くの協力があって、つつがなく避難が完了した。参加者にまで協力してもらったのは申し訳ないが、致し方ないといえる。というより茸木さん指示さえされれば動けるタイプではあるらしい。


 味方に引き込みやすそうだし雇うか。紅音が細かい雑用までやってくれているが、実際にそれは問題がある。今後、色々活動する上で細かい雑用は増えていくと考えられるし、高すぎる能力に依存しがちになると思わぬところで痛い目を見るだろう。


 仕事というのはできる人のところに固まる傾向にあるからね。その点茸木さんは完全な指示待ちとルーティンで同じことだけする人の方が扱いやすい場合もある。これも何かのご縁ということでしょう。


 そんなことを考えながら今後の展開を思案していると、剣持さんがあらわれる。顔色が悪くないので悪い知らせではないのだろう。

「学習院様、侵入者の鎮圧は終わりました。ご心配をおかけして大変申し訳ございませんでした」

「いや、剣持さんのせいではないよ。でも、忍者も雇っておいてよかったね。男性省だけでは何かあったかもしれないね」


 当初予定していた警備よりも増やしておいて正解だった。これは二凧や紅音が計画段階で増やすことを言ってくれたおかげである。警備に関しては全くの専門外であるため、人に頼っていくのが良いのだろう。

「学習院様のご慧眼のおかげで助かりました」

「じゃあ、安全は確認されたので、この場所で再開する旨をアナウンスしていいかな?」

「はい、よろしくお願いいたします」


 一時はどうなることかと思ったが、スムーズに終わったね。まあ、野次馬をたきつけた馬鹿がいたのだろう。場所も男性省の建物だし前からごそごそと準備をしていたからバレてしまったのだろう。別にそこに問題はない。隠すようなものでもないしね。


 安全が確認された旨をアナウンスをすると、ほっとしたような空気が流れ始める。音居さんのところだけは関係なく音楽を鳴らしているけどね。まあいいんだけども。


「とりあえず、避難は完了したね。みんなありがとう」

「学さんの指示が的確だったのでスムーズにできました(それととてもかっこよかったです)」

「俺、男性が指揮して避難するなんて始めてみたぜ。素人とは思えないんだが、こういう訓練を受けたことがあるのか?」

「一応、教員免許は持っているからね。多少こういう練習はしているよ」

「は?」「えっ?」


 響と百合が驚いている。そういえば日本人男性は働くということがあまり伝わっていないんだっけ。後から聞いたのだが、この世界の男性教員というのは男性の中ではスーパーエリートという扱いらしい。女性ともまあまあ話せて、社会人の経験があるのでできることも多いということだそうだ。男性のカウンセラーももちろん超エリートである。男性の仕事というと主にこの2つで後はニートというのが一般的である。


「日本では男性も働くからね。男女比が1:1なら男性も女性も働くのが当たり前でしょ?」

「そ、そうだよな。でも教員って大学に出ないといけないだろ?エリートだよな」


 響も大学を出ていると思うんだが、まあ男性が大学出ているということ自体がほとんどない世界だから無理もない。一昔前、女性で四年生大学を出ていると、女が勉強してなどと言われる時代もあったのだから、そのようなニュアンスなのだろう。

「日本でもそこは同じだよ。ただ日本では大学進学率が50%近くあるから、大和ほど大学卒業がエリートという感じはないかな」

「学さんはでも大学院の修士課程を卒業されていますよね」


 日本でいう東大の二凧に言われると、ちょっと恥ずかしいレベルの修士だけどね。研究者になっていたらこう思うこともなかったかもなのだけれど、研究者になるようなガッツはなかったね。

「超高学歴じゃねえかよ。テレビでもはっきりいえるのに納得だわ。こんな素晴らしい男性とお近づきになれるなんて一生分の幸運を使い切ったかもしれねえ」

「研究者にはならなかったからそうたいしたことではないよ。職業もただのライターだしね。学歴というのは中身が伴っていなくてはならない。中卒で首相になった田中角栄という総理大臣もいるしね。まあそんなことより、さっきから茸木さんの姿が見えないけど知っている人はいる?」

「あぁ、茸木さんならトイレに行くってよ」


 ちゃんと響に伝えていったのであれば特に問題はない。避難中とはいってもトイレに行かずに漏らすわけにはいかないしね。それに、あの緊張具合からみてトイレに行きたくなるのも致し方ないことだろう。もう、侵入者の件は収まったようだし、問題ないだろう。

「紅音は警戒はしたままで頼んでいい?」

「ん……もちろん……」


 流石にもう滅多なことは起こらないと思うけどね。

「そうか。ちょっと悪いのだけれど、他のグループがうまくいっているか確認しに行きたいから離れていいかな。ここにいる響と百合は婚姻することが決まっているから、今急ぎで話さないといけないわけではないからね」

「おうもちろんだぜ」「婚姻……実感がわきませんが、今後ともぜひよろしくお願いいたします」


 百合はさっきからボーっとしているけど大丈夫だろうか。文化的な差異がかなり大きいのだろうな。親御さんと話すかして彼女のことをよくわかっている人を通すのが良さそうだ。まあ時間がたてば実感がわくことだろう。

 ということで他のグループを見てみる。まずは、山田君のグループからだ。ここは8人しか呼んでいないし、比較的華族や財閥関係者を呼んだのでうまくやってくれていると信じたい。まあ逆にやり込められているかもしれないからこうやって見ているわけだけどね。


「山田君、大丈夫そうかな」

「学習院さん、来てくれたんすか。一応……大丈夫そうっす」

 なるほど、大丈夫じゃない時の言い方だね。

「妾はがおるのに問題などあろうはずもない。妾は岩倉公爵の娘であるぞ」


 あぁなるほどこれに困っているのね。華族家で公爵家だからと思っていれたが、華族といっても色々ある。


 これは既にこちらの方で調べてあるが華族だからといって誰もが金があるわけではない。地方の土地持ち、所謂江戸時代の藩主から華族になったものたちは土地からあがりで莫大な資産を持っているが、平安時代の藤原氏に代表される中央貴族とでも呼ぶべき家は、そうした地盤を持たないので金銭的には貧乏華族といえる。岩倉家は残念ながら貧乏華族にあたる家だ。山田君が本物の貴族を見てみたいという理由で呼んだのだが失敗だったね。あと、見た目があまりにも大和撫子だったからでもある。


「そうですか、岩倉家というと日本でも幕末から明治維新期にかけて岩倉具視という方が大変な活躍をされましたその功績もあって公爵家となったと記憶しているんですけど、岩倉公爵の娘さんは現在何をなされているのですか?」


 家格ばかりを主張する人間にろくなものはいないというのは持論である。大抵、有名になってからその後に家格が取りざたされるものだ。

「妾は、由緒ある大和学院大学の学生であるぞ」


 大和学院大学は、華族の子女がいくための大学である。小学校からあるエレベーター式の大学で、日本でいうと学習院に近い。ただ大和学院大学は華族の子女だと無試験で入れる上に、大学まで進学試験もない。二凧も小・中とここに通っている。


 二凧の話を聞く限り、学問を修める期があったら大学受験をするし、万が一なにかしらに取り組んでいるのであれば今いうだろうしね。どちらにせよ時流が読めず、ここでこの態度の時点で無能である。

「そうですか、それで山田君が何やらお困りのようですが」

「うむ、妾が婚姻をしてやろうというのに、こやつが断るのであるぞ」


 本当にこの人は華族教育を受けているのだろうか。まあ、たまに頭の悪いのが生まれてしまうのは歴史的にみてもよくあることか。男性が断っているのにしつこく婚姻を迫るのは犯罪である。証人がたくさんいる前で堂々とやってくれるものだ。


「どうやら、この場にふさわしくない人がいるようですね」

「そうじゃ、よくわかっておるの。こんな庶民が男性と婚姻して何になるんじゃ。全く、男性は由緒正しい華族と婚姻すべき」


 山田君が呼んだ中にはたしかに公爵家に匹敵する家はいないけど地方財閥一族とか地方の女爵の子とか家柄のそこそこ良いおとなしめの女性がそろっている。家柄を見て増長したかな。そして、残りの7人の女性にすさまじく睨まれているね。

「紅音、岩倉公爵の娘さんがお帰りだよ。どうやら気分が悪いらしい」

「な!妾はそんなこと」

「鴻池の事件から学んでいないものがいるようだ。華族といっても出来の悪いものもいるようだね。まあこういうのはもっと情報を集めないとわからないわけだから仕方ない面もあるのかな」


 紅音がわめく馬鹿を外に運びだしてくれる。この程度は想定されているので、別室が用意されている。一般女性などで錯乱してしまった場合に備えているつもりだったんだけどね。

 こちらの対応としては、ブラックリストに入れておいて、後で公爵家にはお手紙を送るかね。私たちが呼んだからといってめちゃくちゃしていいというわけではないからね。


「いや、随分と変なのが紛れ込んでいたね。山田君、他は大丈夫そう?」

「はい大丈夫っす。さっきの人も最初は大人しくしてたんすけど、他に自分に匹敵する華族の子がいないとわかるとあの調子で……」

「まあ、ああいうヤバい人かどうかを見分けるためのお見合いだからね。まさか公爵家であれだとは思わなかったけどね」

「うまくやれずに不甲斐ないっす。見た目はめっちゃいいんすけどね」


 やはり見た目で人を選んではいけないね。見た目でしか人を選んでない私がいうことではないけどね。残った7人の女性をみると、華族系、財閥系や党人系の人もいるし、なぜか家柄はよいのに漫画家をやっている人もいる。

 雰囲気おとなしめの人が多いし、これならなんとかなるだろう。山田君にエールと別れを告げて、次の檜山さんのところに向かう。檜山さんはガタイの良い女性たちに囲まれて楽しげに話しているようだ。

 

「あぁ学習院さんか。いやぁいい出会いがあったよ。ありがとう」

 そういってニコニコと笑いながら楽しそうにしながら隣の女性と肩まで組んでいる。うーん大丈夫だろうか。

「誰かと婚姻が決まったみたいですかね?」

「あぁ、富士宮さんと婚姻することにしたよ。これでまた登山ができそうだよ。恩にきる」


 たしか土地持ちかなんかの人だし大丈夫だろう。ほかの女性たちもなぜか祝福しているようなので、円満であれば良い。みんなで富士山に登りに行くそうだ。登山用品メーカーの人もいたらしく、スポンサーになってくれるらしい。

 もし、困ったら呼んでほしいと告げて、次は一番賑やかな音居さんのところに向かう。

 こちらも元気に20人ぐらいの女性たちの中から1人ずつ出てきて楽器の演奏をしている。どうみてもオーディション会場なんだよね。声をかけると「大丈夫だセンキュー」とのことで、撤収することにした。

 そして、荷背負さんである。こちらは会場の大半を占めるという暴挙に出ているが、どうやらクイズ大会をしているようである。こちらも問題はなさそうである。

「荷背負さんは大丈夫そうだね」

「おうよ。任せときな」


 あの感じで行くなら大丈夫だろう。ちなみに日本画の小鳥遊さんのところは、個別にあっていくとのことでここには参加していない。そして最後に早川君のところである。こちらは、なんかでかいね。胸部装甲がでかくて気分が悪くなってくる。


「早川君は大丈夫そうかな」

「あっ学習院さん、いやあ、大変でしたけど、無事決まりましたよ。婚姻予定の方を紹介しますよ。島津花梨さんです」

「ご紹介に預かった島津花梨だばい。先ほどは見事なアナウンス素晴らしかったっちゃ。感服だばい」


 島津というと、あの九州の島津だろうね。薩摩藩の盟主にして、現在でも公爵だったはずだ。プロフィールでは大蔵省所属だったはず。たしか、早川君は胸が大きい人から大物を探していて私の記憶にも残っているので間違いないだろう。しかも本家の次女だった気がする。長女だと、地元の方にいかないといけないし、既に小さいうちから許嫁が大抵いるので長女を避けたいということから、次女は最適だと早川君とも話していた。


 それにしても、同じ公爵家でも先ほどの名前も忘れた子とは比べ物にもならないようだ。島津に暗君なしというしね。

「日本でも島津といえば、島津に暗君なしと言われるほど優秀だと聞き及んでいます。今後ともよろしくお願いしますね。早川君は予定通りという感じかな」

「はい!問題なさそうです。あともう1人、渋沢楓さんです」


 早川君は想定では、たしか華族、財閥、党人系をバランスよく婚姻していくという予定だったはずだから3人の予定だったが、何か問題があったかな。渋沢というと日本だと渋沢栄一の子孫にあたるのだろう。大和では渋沢栄という女性がほとんど同じような功績をあげており、渋沢財閥がGHQによる財閥解体をされていないので今でも残っているということだ。おそらくその創業者一族の一人である。

「渋沢楓と申します。このような場におよびいただき大変な光栄でございます」

「学習院です。飛び級で海外の大学に行かれて若くして経済学の博士号を取られたと聞いております。今後ともよろしくお願いしますね」


 どの業界でも子孫が優秀とは限らないけど、この2人はプロフィールを見る以上大変優秀だった記憶がある。ただ、胸がでかい。見たこともないぐらいでかい。

 なぜ家柄もよく優秀な2人が婚姻至上主義な大和で婚姻をしていないかというと、二凧にれば、これだけ胸部がでかいとどうも男性に怖がられてしまいあまり好かれないようだ。男性は背の大きい女性を好むが胸が大きければ大きいほどいいというわけではないらしい。細マッチョはいいが、ボディビルダーのようなゴリゴリはちょっとという感覚に近いと思う。


 たしかにこのレベルの2人だともう1人があんまりに思えてしまったのかな。まあうまくいきそうで何よりである。そんなことを話していると、剣持さんが血相を変えて走ってくる。また問題かな。

「早川様、学習院様、すみません少々、いえ大きな問題が発生しまして」

「私がいこうか、早川君は中の方を頼む」


 現状、フリーな私が行くのが最適である。

「ちょうど学習院様に頼みたいことがございまして、大変助かります!」

「あっ、じゃあ学習院さんお願いします」


 さて、次は何が起こったことやらね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ