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貞操逆転パラレル日本の比較文化記  作者: バンビロコン
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お見合いパーティー2

「あっ早川様が出てきたぜ」


 最上さんがそういうと、ステージにライトが照らされる。早川君も有名になったものだ。二凧曰く、私と早川君は超有名日本人らしい。早く日本の男性アイドルたち来てくれないかな。一瞬で話題をさらってくれることだろう。


 そんなことを考えていると、前にたつ早川君はなぜかリラックスした状態だ。

「皆様お集まりいただきありがとうございました!このような素晴らしい会がひらけて自分はとても嬉しいです。今テーブルにいる男性があなたを招待した男性です。各テーブルごとにその男性に何を聞くかとかを任せているので、料理を食べながらゆっくり歓談してください!それでは皆様グラスを持ってください………………乾杯」


 早川君うまいな。とてもテレビで慌ててキラーパスを出してきた人物とは思えない。

「「乾杯」」

 私と二凧がグラスを合わせて、残りの3人にも私がグラスを当てに行く。最上さんだけウキウキで乾杯と言ってくれた。茸木さんや白椛さんはたぶんパーティーのルールみたいなのがわからなくて困っているのだろう。大丈夫、私もわかっていないのでルールはない。


「さて、まずは自己紹介だけさせてもらおうかな。私は学習院学。そしてこちらが現在婚姻関係にある長宗我部二凧だ」

「長宗我部侯爵家の次女の長宗我部二凧です。よろしくお願いします」

「このメンバーを見るとわかるかもしれないが、ある基準で集められている。何かわかるかな?」

「おう、俺はわかるぜ。ずばりチビってことだろ?」


 最上さんは元気だね。チビという言い方は明け透けだが、正解である。

「そう、身長が小さい、具体的には145cm以下の子から見合い書をみて3人選んで招待状を送ったんだ。それでまず自己紹介と言いたいところなんだけど、ここは他己紹介をしたいと思う。私が一人一人をみんなに紹介しようと思う。もし違ってたら言ってくれよ」


 他己紹介という言葉にピンとこないのか首を傾げている。今回のお見合いはこちらが主催者であるし、それぞれの文化圏の違いを考えると私が主導してしまった方がやりやすい。なので、このやり方がいいんじゃないかと私なりに考えたものだ。

「まずは、最上さんから行こうかな。こちらに座っているのは最上響さんだ。25歳で私の1つ年下だな。年が近いということと、ざっくばらんな話し方から話しやすい印象を受けているね。そして最上侯爵家の分家にあたる家の出身で四女だそうだ。趣味のところには裁縫と手芸と書いてあって今印象と違って驚いているところだ。中高大とバレーボールをしていてポジションはリベロだったそうで、今の仕事は、警察官だそうだ。私が招待した理由は家柄と身長とボーイッシュな感じが可愛らしかったからかな。とこんな感じで私が紹介していく。最上さんなんか他に自己紹介したいことあるかな?」

「お、おう。か、可愛らしい??一応付け加えるなら警視庁所属の警部補だぜ!あとパーティ自体は初めてじゃない、実は兄がいて兄の付き添いで何回か行ったことがあるんだぜ」


 兄がいるということは書いてあった気がするな。男性との関わりがありますよというアピールなのかな。

「なるほど、お兄さんがいるのか。警視庁所属ということは国家公務員のキャリア組ってやつかな?」

「まあそう言われるな。事務仕事がメインだから現場出ている人たちの方が俺はかっこいいと思うけどな」


 たしかにバンバン現場出るのが好きそうなイメージだ。

「じゃあ次行こうかな。そちらの奥の方が茸木希乃子さん。名字が珍しくて初めて見た時は読めなかったよ。年齢は18歳。高校は中退して今はアルバイトをしているのかな。趣味のところになぜか何でもしますって書いてあって、これは趣味は何でもすることなのか。一言挨拶なのかわからないけど面白い感じの人だと思ったね。今は目を隠しているからわかりにくいけど、かなり可愛らしい顔をしているよ。話すのは得意じゃなさそうだけど、慣れてくると話初めてたぶん面白い系の人だと私は読んでるね。招待した理由は身長と雰囲気や可愛さだね。茸木さんは他に自己紹介したいことある?」

「うひっひぃ、ふぅ、ひぃ、ふぅ、可愛い可愛い可愛い……」

「突然ラマーズ呼吸法をし始めたね。やっぱり面白い人だね。紅音、過呼吸になったら落ち着かせてあげてくれる?」

「ん……承知……」


 紅音があまりにも仕事ができすぎるね……そして、茸木さんは緊張しすぎているね。元々会話が苦手なのだろうね。

「最後に行こうか。白椛百合さん。15歳、高校生だね。見てわかるかもだけど、アルビノという色素が生まれつき少ない、白椛さんの場合は全くないと言った方がいいかな。色素がない関係で紫外線や光に弱く、その関係で目も少し弱いので、見えずに迷っているようだったら助けてあげてほしい。もちろん困ったことがあればすぐに私に言ってほしいね。趣味は音楽を聴くことらしい。そして大事なことだけれど、大和ではどうなのか知らないが、日本ではアルビノは人気で、美しいと思われているんだ。私も実際に目の前で見てあまりの美しさに震えてる。世の中に一目惚れという言葉があるのは知っていたが、自分がそうなるとは思わなかった。白椛さん、婚姻を前提として今日はお話してくれないか?」


 15歳、10個下の子に何を言っているのだろうか。二凧にあの時、3日で告白は早いだろうと思ったけど、私は30分もたっていなかったよ。

「わ、私は、そ、そんな男性と婚姻できるような体ではあり……ませんですので……」

「アルビノの体質を気にしているの?白椛さんが婚姻したいかどうかに、体質は関係のない話だよ。それにこれほど美しい女性を私は見たことがない」

「うっうぅぅぅ」


 ポロポロと涙を流し始めてしまった。嫌というわけでなくこんな言葉をかけてもらったことがないということだろう。事前に二凧に聞いたところによると、この世界でアルビノというのは非常に嫌われており、育児放棄なども多いのだとか。殺されてしまうこともあるらしい。この場合の殺害は優しさだと思っての殺害だ。生きていても不幸だからと本気で考えているようだ。少なくとも人権を学んでいる私にはわからない感覚ではあるが、ここは私の感覚を大切にして良いだろう。


 あの二凧ですら呼ばない方が良いと言っていたぐらいだからね。


 またアルビノは子どもを産むとアルビノが遺伝すると思われているらしい。正直男女比が意味不明なこの世界では生物学的に事実なのかどうなのかは知らないが、元の世界においてアルビノは潜性遺伝なので、私にアルビノの遺伝子がない限り子どもにアルビノは遺伝しない。遺伝子自体をもつ保因者にはなるだろうが、保因者自体は50人から70人に1人程度いるわけだし、珍しいというわけではない。どうしても気になるのであれば子どもを生まないという手段もある。そもそも婚姻したら子どもを生まないいけないというわけではない。

 生まれたからには幸せになる権利はある。少なくともアルビノだからと言ってわざわざ制限された人生を送る必要はないだろう。選択肢の中で選ぶべきだ。

 

「さて、異文化というのは感覚の違いが恐ろしくたくさんあるんだ。最上さんは、日本で何か知っている噂はある?」

「え?俺?えっと男性が多いってことだろ。後は男性が性豪だって聞いたぜ」


 性豪ね。その単語を聞いて紅音と二凧が睨みつけている。まあ男性の前で話すような内容ではないのだろう。

「そうだね。大和国に比べたら男性は圧倒的に多い。そして、性欲的には大和国の男性よりも高いものが多いだろうがもちろん全員ではない。日本人男性は性豪だという知識だけで接した鴻池家が失敗したように、相手国の文化は常により深く知ろうと敬意を持ち続ける事が大切だ。ということで、私たちは互いの理解が必要なように思う。なのでこれから質問タイムといこう。女性側からでもいいし私からも好きに質問していくよ」

 

 なるべく軽く進めていきたいところだ。

「じゃ、じゃあ俺からいいか?日本人男性はスポーツもするって聞いたんだが、学習院様もするのか?」


 華族家はわりと仕切ってくれるから入れておくと便利だね。

「私はバレーボールをするよ。中高とバレーボール部でね。最上さんを選んだのもバレーボールをしていると書いてあったからだよ」

「ま、マジかよ。運命じゃん」

「私からも聞きたいんだけど中高大はバレーボール部と書いてあったけど、今でもしているの?」


 共通点があるということはいいことだよね。やはり男性も運動をしていくべきだろう。

「今もしているぜ。バレーボールは小学校の頃からしているからな。中高大としてて、警察のバレーボールクラブにも入ってるぜ。最上の家は家柄はまあまあいいんだが、本家がスポーツは1つ必ずやらせろという家でさ。俺はバレーボールに激ハマりよ。小学校の頃は背が伸びたらスパイカーになると思ってたけど、伸びなかったんだよなこれが……バレーボールの良いところはリベロっていう背が低くてもできるポジションがあることさ。今なら言えるがリベロこそ最高のポジションだぜ」


 わかる。リベロは最高のポジションだ。

「リベロは本当に良いポジションだと思うよ。バレーボールはスパイクももちろん盛り上がるところだけど、スーパーレシーブが1番会場が沸くからね。今度バレーボールをしよう」

「お、おう。本当に漫画の中みたいな会話になるんだな。不思議なもんだぜ。あっこの前のアジア予選での実況聞いたぜ。感動したぜ」

「ありがとう、またしたいところだね」


 最上さんの性格は快活、不用意な言葉もあるかもしれないが、人間関係もさっぱりとした性格で乗り切ってきそうだ。そろそろ次に移るべきだろう。


「白椛さん、そろそろ落ち着いたかな。聞いておきたい事があるんだけど、視力はどれくらいなの?」

「うぅお見苦しいところをお見せしました。視力でございますか……両目とも0.05……です」

 

 かなり低いね。ふむふむ、日常生活に支障があるレベルかな。少し強引かもしれないが、婚姻の方に進めて行ってしまおう。

「言いにくいことを聞いてしまったね。質問の意図としては、白椛さんにはぜひ婚姻して一緒に住んで欲しいと考えているんだよ。だから知っておきたくてね。眼鏡をかけてなければ私も同じぐらいの視力だよ。なかなか見えにくいよね。不便なことがあったらすぐ教えて欲しいし、先に気づけるならそれに越したことはないからね。そうだ、高校って埼玉の高校が書いてあるけど、家も埼玉なんだよね。ここまではどれくらいかかった?何できたの?」

「うぅこんなお言葉をひぐっ、かけていただけるなんてひぐっ、うぅ、今日はお母さんに車でおくっていただきました」


 白椛さんの家はお金持ちとまでは言えないが、いわゆる中流家庭というべきだろう。反応からも母親が愛情を持って育ててきたのではないかと思う。


「良いお母さんだね。後で挨拶に行かせてもらってもいいかな?」

「ひぐっ、はいぃ」


 白椛さん、あまりの美しさである。一目惚れなどというのは感情系の脳機能が思考系の脳機能を抑えて暴走して起きるものだと思っていたが、存外冷静に惚れてしまうらしい。それほどに美しい。守るなどと傲慢なことをいうつもりはないが、日本男性が入ってこればアルビノに対する認識は大きく変わるだろうし、むしろ変えていくことが私にはできる。白椛さんから向けられる感情も悪くない。ここは落ち着いていくべきだろう。


「じゃあ次は茸木さんに質問しようかな。前髪をあげてお目目って見せてくれる?」

「うひっ」


 恥ずかしながらも前髪を上げてくれた。お目目が大きくて黒目も非常に大きいね。

「やっぱり可愛らしい顔をしてるね。大阪の方に今は住んでるんだっけ?ここまで遠くなかった?」

「うひ、とととととおかった」


 緊張から吃ってるのか吃音を持ってるのかな。吃音は本人が一番つらいからね。。

「そうだよね。それで、趣味に何でもしますって書いてあったけど、あれは趣味はなんでもするってことかな?それとも意気込みを書いたの?」

「うひっ、ななななんでもします。奴隷にしてくだしゃい」


 何言ってるんだこの子。ドン引きである。困った時の二凧に助けを求める。

「二凧、もしかしたら文化の違いかもしれないんだけど、奴隷になりますには何か文化的な意味があったりする?」

「いえ、普通は使わないですね。男性に引かれて終わりです。知らない人なら不審者として通報されるでしょうね」


 告白のシチュエーションでそういうのがあるのかと思ったけど違うらしい。

「よかった。まあ、日本で言ってもたぶん同じだね」

「茸木だっけ?エロ本の読みすぎなんじゃねえの?フィクションと現実はわけねえと」


 最上さんが参戦してくる。まあ、警察官だからね。こういう発言は苦手そうだ。

「最上さんの言うとおりだとは思うよ。フィクションはフィクションとして妄想したり楽しんだり、もちろん仲間内と共有したりするのは自由だけど、たぶん直接フィクションを異性に言っちゃうと危ないんじゃないかな。まあ、ここはフラットな場だし、異文化ということでどれを言ってもらっても全然構わないから教えてほしいんだけど、それでなんで奴隷になりたいの?」


 奴隷というと現代では馴染みがあまりないし、嫌悪感をすぐ抱くものやエロ方面に考えるものがいるが、要するに人間としての権利が認められてない状態である。権利というのは行使して初めて成り立つのだが、行使できる権利すらないという状態だ。

 もっとも権利を持つのに行使せず、奴隷のような働き方をしている社畜などと呼ばれる人々もいるので、現代日本にも無関係とはいえない。それでも権利をもつかどうかは大きな差がある。


「うひっひぃ、すぅ、はぁ、ななななにもできないから」


 何もできない?あぁアピールできる事がないからということか。だから権利を放棄してなんでもするしかないと、ふーんあんまり好きな考え方ではない。しかし、紅音のように労働基準法ガン無視の働き方をしているものもいるが本人は嬉しそうである。ちなみに調べたところ男性警護官は労働基準法の特別法が別途あるらしく、24時間労働が実質問題ないらしい。教員の給特法みたいな法律があるようだ。


「何もできないってことはないと思うけど、アルバイトができているし、いつもは何をしてるの?」

「うひっ、ししし仕事、たたたって誘導するだけ」


 立って誘導するだけかな。あれも間違えると事故になるから大変だと思うけどね。

「アルバイト以外の時間は?」

「うひっ、ひぃ、ひぃ、ひぃ」


 つい、圧迫面接のようになってしまった。過呼吸になり始めてしまう。

「あっマズイな、紅音ごめん、過呼吸になり始めてるから助けてあげて」

「ん……任せて……」

「学習院様よ、お優しいのはわかるがちょっと可哀想だぜ。まともに話せてねえだろ。あいつにとってはもうこれ以上の幸福は受け取れねぇよ」


 若干棘がある言い方だな。見下しているのか、ライバル的に見ているのか。それとも……

「そうだね。世の中時間が解決するってこともあるか……最上さんもそんなに焦らなくて良い。ちょうど次が始まる頃だよ」


 私がそういうと、ちょうどステージのライトがつき、完全にバンドマンの格好になった、ジャラジャラとアクセサリーをつけている音居さんの姿がそこにあった。

「おう、みんな!日本男性の会のお見合いパーティーとかいうのにきてくれてありがとよ!俺はかたっくるしいのは苦手だ。ここから俺が歌を歌うぜ、俺の歌でも聞きながらみんなは楽しく話して食っていてくれ!それじゃあ盛り上がっていこうぜ!」


 そういうと、ギターを片手に音居さんが歌い出す。シンガーソングライターというやつなのだろう。歌も聞いた事がない。作詞作曲もできるって言ってたしな。


 さてここからが本番である。白椛さんに突然目を向けてしまったが、本来の目標を果たすとしよう。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です [一言] 茸木さんがお休みの時何してるかって? (少し前の話を読み返して)……そりゃ言えないわなぁ
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