表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/128

第79話『呪いの勇者、教会幹部ヒエラを撃破せよ』


 「諸刃の剣の一振りじゃ、あの双剣は抑えらんないからな。とっておきを頼むぜ」


 「やってやりましょう! カケルさんにどんな影響が出るかは分かりませんが気合いでやらせて頂きます!」


 結果がどう出るかは、デバフを受けてからのお楽しみだ。俺にだって予測出来ない。だけど、忘れちゃいけねぇよな。マリエルは、補助技に関して言えば最強の女の子なんだからよ。


 乱暴な所や俺を小馬鹿にすることはあるけれど、俺の信用出来る可愛い相棒。その彼女が、やってやると言ったのだから絶対に成功させる自信も度胸だって充分だ。


 行くぜ相棒。魂を込めたそのデバフで、あの神器を叩き潰してやるからよ。エルムーアやアクアに手を出した事を後悔させてやる為にな。


 「うぉぉぉぉ! 行くぜマリエル!!」


 「はい! しっかり剣を構えて下さいよ? 必ず勝利に導きますから!」


 【バインド・スロー・ギアクル】


 (バインド!? 動けなくなるのか!?)


 特に何が変わったって訳でもない。何なら、いつもより少し体が重いぐらい何だけどな。とりあえずは、標的の神器ツインズ・ビットへ、マリエルのデバフを頼りに諸刃の剣を構え走り出す。


 この時に、俺は初めて違和感を覚えたんだ。明らかに動きの速度が遅くなっていた事、剣が恐ろしくも軽く感じる事だった。頭の整理は追いつかないけど、行くしかねぇよなぁ!


 「うらぁぁぁぁ!!」


 ーーブンッ!!


 ーーガチンッ!!


 諸刃の剣の斬撃は、綺麗にヒットして、軽々しく主人であるヒエラの元まで吹っ飛んでいく。そしてここからが、今まで一番ありえなかった事態が俺の体に起きていた。


 (呪いの代償が起きてない!? なんじゃこりゃ!?)


 血も吐かないし、コンディションも好調だ。もしかして、このバフは……。


 「まだ行くぞゴルァ!!」


 ーーブンッ!!


 ーーガチンッ!!


 二度目、三度目も、諸刃の剣の代償は俺を襲わない。マリエルは、とんでもないデバフの複合をやってのけたんだな。やっぱり天才だ。


 神器ツインズ・ビットより少しだけ、素早さは負けているけど普段に比べれば速い方であり、これまでの【スロー・ギアクル】の素早さを犠牲にしている。


 その分、【行動不可】のデバフをかけられた俺は【連続攻撃】のバフに変換していたらしい。このまま、諸刃の剣を振り続けて良いのかって判断はサッパリ分からん。


 分からなくていいんだろうな。俺は、仲間達は、この街やアクアを護り通すって腹括ってるんだからよ。


 「えぇい、いつまで手こずっている。その賊を殺せツインズ・ビット!」


 「テメェは何にもしねぇんだな。そのまま、指咥えて見とけ。その双剣は、俺がこの場で叩き潰す!!」


 「今ですカケルさん! マナを全開放します!」


 「了解! 砕けろぉー!!」


 ーーブンッ!!


 ーーバリンッ!!


 ガラスを割ったかの様に容易く砕け散った。これで、ヒエラを護る剣は無くなったからな。始末をするなら今しかないだろう。魔法陣で逃げられたら敵わん。


 「次はテメェ……」


 ーードクンッ!!


 嫌な感覚が、いや、俺はこの感じを知っている。口から血を吐く時にやって来る前兆だったんだ。俺はどれくらい諸刃の剣を振っただろうか。分かんねぇよな。


 きっと、数えられない程振ってたんだからよ。代償が無かった事になんか絶対にならない。それを分からせるように、俺は大量の血液を口から吐き出していた。


 口だけじゃない。目や鼻まで出血し始めてんだから笑えねぇよな。だけど、このままじゃ終われねぇ。エリクシア達を置いて死ぬ訳にはいかないんだから。


 「は、はは! 無様だな呪いの勇者! 自らの呪いで瀕死の重症じゃないか。これで分かったろ? 聖堂教会に楯突くからいけないんだ。あの街もアクアって女も全て滅ぼし殺す! 正義は我らにあるのだから!」


 「正義なんざ……。くれてやるさ……。そんなもんは必要ねぇ。みんなが笑って、泣いて、平和な世界が欲しいんだけだからな。邪魔すんなら神だって俺は殺すぞ! 生半可な気持ちでこの戦場に立ったる訳じゃねぇし、翔るしかねぇんだよ。欲しいもんは、勝ち取るし絶対に渡さねぇ。テメェらごときに、止まる足は持ってねー!!」


 動けるのが不思議なぐらいだったけど、何故か俺は立ち上がることが出来た。いや、違うな。俺が立った訳じゃない。エリクシア達が、みんなして俺を担ぎ上げて立たせてくれたんだ。


 文句一つ言わずに、血だらけの俺を支えてくれている。分かってるよ、俺が決めろって言いたいんだろ?


 大丈夫、俺はまだやれるから。意識が何回か飛んでいた気はするんだけど、必死の想いで諸刃の剣の剣先をヒエラに突きつける。俺の気持ちに応えてくれたのかも知れないな。優しい光が、俺の最後の後押しを手伝ってくれていた。


 (諸刃の剣が輝いている!?)


 どんだけやっても出来なかった、諸刃の剣の【臨界】が今になって起きたんだ。調子狂うよな、絶好のタイミング過ぎるぜ。是非など問わず、この諸刃の剣を俺はヒエラに決めに行く。


 「な、な!? 何だそれは!? この状況で臨界したっていうのか!」


 「ヒエラ受け止めろ。これが俺達の全力だぁぁー!!」


 【蒼天と呪いの一撃】


 空が蒼天に晴れ渡り、白き輝きを放つ諸刃の剣は、巨大化して天まで届くかのような、塔にも見える程の長さに成長する。


 手足の様に自由に扱える。というか、持っているって感覚さえしていない。前回と同じだな。ありがとう、諸刃の剣。もしかして神器だったりして……。そんな訳ねぇよな。


 ーーブンッ!!


 己の誓い、アクアとの約束を護り通す為、ありったけの一撃で、一切の迷い無くヒエラに叩きつけた。


お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、

『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!


評価ボタンは、モチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↑の☆☆☆☆☆を押して頂けると執筆の励みになります!!!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ